子宮に沈める

劇場公開日:

子宮に沈める

解説

「終わらない青」「体温」の緒方貴臣監督が、社会問題化している児童虐待や育児放棄に切り込んだドラマ。夫に一方的な別れを告げられ、幼い子ども2人とアパートで新生活を始めた由希子は、良き母であろうと努力し、日々の長時間労働、資格試験、家事、子育てなどに汗を流す。しかし、学歴や職歴のないシングルマザーの由希子は社会から孤立し、孤独に追いつけられていく。

2013年製作/95分/日本
配給:エネサイ
劇場公開日:2013年11月9日

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(C)paranoidkitchen

映画レビュー

4.5実際に起きた出来事を元にして作られた作品

2024年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

意味深なタイトル 迂闊に見ることはできない雰囲気を感じた。
いつもと同じく、予備知識などなかった。
普通の家庭 忙しい主婦 なかなか登場しない夫… どこにでもありそうな家庭の日常が延々と続く。
子供たちの食事から始まり、遊び、手編みをしながら夫の帰りを待つ。
セリフというセリフはなく、ごく普通の家庭の中を撮影しているように描いている。
やがて夫が帰ってきて書類を探し再びどこかへ出かけようとする。
妻の必死の呼びかけも虚しく、夫は家を出ていく。
浮気だ。
この作品、この家庭の問題がようやく現れた。
妻は離婚を覚悟し、資格取得の勉強をしながら働きに出る。
子供たちを家に残したままだ。
やがてこの女性は自宅に男を連れ込む。何をしているのか、子供は見ていた。
子供のいつもの所作が変化していく。それに母も気づく。
やがて母が帰ってこなくなった。
4歳くらいのサチは、弟のソラのためにミルクを作る。冷蔵庫のものを食べ、観葉植物さえも食べる。
やがて弟が動かなくなった。サチはマヨネーズを舐めながら生きていく。
サチの髪の毛が随分伸びたころ、ようやく母が帰ってきた。
顔にあざ。「帰ってくるのが遅いよ」そう言って母に抱き付くサチ。
「ソラがうごかなくなったよ」
女はソラをビニールとガムテでぐるぐる巻きにした。
そして風呂を入れて、サチをその中に沈めたのだろう。
手編みで作ったのはマフラーだった。
二人の子供をマフラーでつなぎ、編み棒を自分の膣の中に突っ込む。
彼女の様々な心理が複雑に折り重なった行為だろう。とても一言では表現できない。
二人の子をあのピクニックで使ったシートにくるんで、裸のまま、女はあの幸せだった頃と同じ場所から窓の外の光景を見ながら作品は幕を閉じる
これは、人間の狂気なのか? それとも同情を乞うものなのか? 誰かに対する断罪か?
子供のことを一生懸命考えて生きていたのに、なぜ? どうしてもそう考えてしまう。
訪ねてきた高校時代に友人が、派手な格好で青春を謳歌し、タバコを吸う自由さ、彼女にもそこへの憧れはあったのだと思う。
いまの状況を相談できる相手は、誰もいなかったのだろう。
彼女は子供が疎ましかったのだろうか? 子供を放置したのは、夫への当てつけに使ったようにも思う。
男のもとから飛び出して、二人とももう死んでいると思った(実話)のに、サチは生きていた。
作品ではサチも殺してしまうが、実際に起きた事件をテーマにしたこの作品は、ただその出来事だけを描くことで、見た人それぞれがこのことについて考えてもらいたいと、そう思ったに違いないと感じた。
こういったことが実際にある。この事件をこのように世に出さずにいられなかった監督に敬意を表したい。

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R41

3.0詳しい

2024年3月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

背景がわからないので解釈が人によって変わってきそうな映画ですね。
母親は何歳くらいなのか、何故離婚したのか、養育費は、どのぐらいの時間子供を2人だけにしていたのか…

子供がいないので母親の感情とかは全然分からないのですが、ここまで転落するほど何か追い詰められていたのでしょうか。

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みーくん

4.0悲しい

2024年3月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

父親、家族、友人、近所の人など、この状況に気がついてくれる人がいれば、母親も子供も、救われたかもしれないのに。

母親の孤独が子供を死に追い詰めてしまった。
母親だけのせいにはできない。

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ねこ

3.0理想と目標が高いほど、落ちた時痛い

2024年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

最初から最後までずーっとしんどい
開幕と最後で、流れた血の意味がまったく違ってしまうのも居たたまれない

ロールキャベツ――それは丁寧な暮らしの象徴みたい。
幸せそうな景色から転がり落ちるように荒んでいく生活がリアルに描かれていて、目を背けたいが見入ってしまう

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赤の他人