劇場公開日 2014年3月1日

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「カメラワークと編集がなめらかな箱型劇場」愛の渦 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カメラワークと編集がなめらかな箱型劇場

2023年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

乱交パーティという閉じた空間に、約5時間を過ごした男4人、女4人の在り様を描く。演劇型箱型の演出で、まさに観客もそこに居るようなカメラワークは効果的だった。オペラのようなBGMがいかにも人間の在り様を俯瞰、達観しているような印象を感じた。

乱交という、性欲がむき出しになる設定が、人間の生々しさを描くにはもってこいの設定だったのだろうか。ただSEXをするだけではなく、そこに至るまでの互いの距離感を探るところから、SEXをしてから、お互いの負の感情までをぶつける様は、まさに劇場型の演出だったし、落差も感じてよかった。なんといっても、カメラワークが自然で、パンやチルトが少ないので観やすく、編集のつなぎもなめらかで、観るものがそこに居るような感じを得た。

俳優では、門脇麦や中村映里子がヌードで体当たりの演技をしているし、池松壮亮も裸体をさらして役者魂をみせている。とくに、かなり太めの女性に犯されるように上に乗られて、苦悶の表情でSEXしている様はシュールでおもしろかった。

乱交パーティでの自分が、ほんとうの自分だと思う主人公と、そうではないと思う他社との乖離。それぞれ、自分のほんとうの姿をどのようにとらえているのかで、違いが出るのかと思えた。

菜野 灯