劇場公開日 2013年5月3日

「若き日の巨匠の意欲作」恐怖と欲望 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0若き日の巨匠の意欲作

2014年1月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

映画史に数々の傑作を残したスタンリー・キューブリックの幻のデビュー作。
“幻”となってしまったのは、出来に満足出来なかったキューブリックが自らプリントを買い占め封印してしまったからだという。そこまでして封印した作品が何故観られるようになったのかは定かではないが、果たして公開は本人の意に沿うものだったのかどうか?

確かに後の傑作に比べると当然拙さや多少の空回り感は否めない。出演者も必要最低限見るからに低予算映画と分かる。しかし、これがかえって特定の時代、特定の場所からストーリーを切り離し、作品を普遍的な「戦争の寓話」として成立させている。
過酷な経験で正気を失う若い兵士、例え命と引き換えであっても、平凡で虚しい日常に帰るよりも戦場で何かを成し遂げたいと願う兵士。彼等の姿、彼等の分身は、古代から現在に至るまでどの時代の戦場でも見ることが出来るに違いない。
多分今作はキューブリックの後の傑作『フルメタル・ジャケット』に繋がっていったのだと思う。

arakazu