凶悪のレビュー・感想・評価
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ハードボイルドなテイストかと思いきや、、その裏切りがリアリティを加速
てっきりもっとハードボイルドな作品かと思ったら、トントン…と心に突き刺してくる、ドラマ的な作品。 白石和彌の出世作にして色褪せない魅力を持っている。
『日本で一番悪い奴ら』で白石監督に出会ったものの、今まで通って来なかったこの作品。実話をベースに、人間のおぞましさを炙り出す。それが意外にも静かに蝕んで行く感じが印象的で、こう描くのかと。ただ、ミイラ取りがミイラになる様に、何かに駆られながら周りも見えなくなっていく姿を他人事として見られない。なぜならその好奇心で観ているのは否定できないからだ。
なんとも恐ろしい話だが、これもまた実話なのが恐ろしい。枠に縛られず期待に答えていく白石監督だが、エロスもグロテスクも時折入れつつ、作品のトーンを変えない辺りが上手い。2部に編成された作品の軸がことの重みを引き出しており、なんとも言えない痛みを与えてくる。須藤の傾倒もゾクッとしたし。
主演は山田孝之さん。あえてジャーナリストにしている部分もまた共感性を感じさせる。正義を振りかざす快感には叶わない。例えそれが周りの犠牲となっても。深刻に描きすぎず、一定の距離感で描いている辺りがまたなんとも切ない。
完全な蛇足だが、ピエール瀧さんは薬のシーンをどう受け止めて演技していたのだろうか。もちろんダメな事ではあるが、覚悟がとにかく凄かった。迫力は圧巻。観られ続けるのも納得の作品だった。
映画は主人公がクズ夫・・・
映画そのものは面白いのだが、母親の介護を妻に押しつけたまま、妻が疲れ切って何度も限界だと訴えているのに何もしない主人公がクズすぎて、正直事件どころではないし彼の語る正義は何も響かなかった…。原作未読だが映画オリジナル設定だとしたら意味があったのか??
自分は死刑存続派だが、死刑反対派の人が観たらどう思うんだろうな。
私利私欲金目当ての連続殺人犯やレイプ犯なんて、正直税金使って無期懲役で生かしておくのももったいないから死刑がダメなら無人島に島流しにして欲しいくらいなのだが。
目を背けたくなるようなリリー・フランキーの暴力描写を見て、白石和彌監督が若松孝二に師事していたと聞いて納得。
原作、読んだような、読まなかったような(笑) この手のジャンルは大...
原作、読んだような、読まなかったような(笑)
この手のジャンルは大好物です。実話ベース。かなり忠実に再現されている感じ。山田孝之演じる記者の怒りは当然、こんな奴ら生きていてはイカンのです。
ぜひ見て衝撃を受けて欲しい作品です。
目を背けたいのに
場面が進むにつれて、ジリジリと増していく不快感。
案外、グロシーンは少なめなのに目を背けたくなる。
目を背けたいのに見ていたい。
自分がこの映画に取り憑かれ魅せられてる状態と、主人公が事件にのめり込んでいく様子がシンクロするようで、不思議な感覚になった。
役者陣の実力の高さも作品の魅力の一つ。
キャストの中で"こいつ出るシーン、シラけるんだよな"って人がいないの凄い。
重みがすごすぎる。
人ってここまで残酷になれるんだな。
詳しくは調べたくもないがテーマやメッセージを伝えるには十分すぎるくらいの描写でした。
こういう作品慣れてるから大丈夫かな、と思ってみた自分がバカでした。
視聴は自己責任でお願いします。
リリー・フランキーがリアルだ
はじめなんでトミーズ雅が出てるのかと思ったけど、よく調べてみるとピエール瀧だった。リリー・フランキーって実生活でもこんな感じじゃないのかなと思った。妙に優しそうな声をしてるけど怖い。池脇千鶴もいい演技してると思う。うざくて嫌味なしゃべり方がリアルすぎる。無名の脇役俳優に早稲田とか阪大出身の人もいてこの二人もいい縁起や見た目をしている。この作品はリアルの事件を扱ったものらしいですが事件が起きた頃から日本は完全にオワコン化していったと思う(情けない)。
何度見ても
何回見てもおもしろい、見るたびに印象が変わる映画です。
主役3人の演技は完全にキャラクターに憑依しちゃってるんですが、脇役の演技もすごい。牛場の爺ちゃんとその家族なんてほんとに存在しそう。いや、存在したんですよね、この事件。。いやーーこわい!でも一番見応えあるシーンでした。長い長い長いッ!ながいよ先生!
見るべき所が多いけどその分拡散しているという印象。テーマはシークレ...
見るべき所が多いけどその分拡散しているという印象。テーマはシークレットサンシャイン、冷たい熱帯魚辺りに近い。あそこまで深く掘り下げてないけど。題材は攻殻SSSと近いかな。家庭の描写はノイズな気がしてたけどあちらとこちらが地続きであることを分かりやすく示す為には必要ですね。
山田孝之は雑誌の記者。 編集部に届いた死刑囚(ピエール瀧)からの手紙がきっかけで取材を始めることになった。
動画配信で映画「凶悪」を見た。
劇場公開日:2013年9月21日
2013年製作/128分/R15+/日本
配給:日活
山田孝之
ピエール瀧
リリー・フランキー
池脇千鶴
吉村実子
小林且弥
斉藤悠
範田紗々
米村亮太朗
松岡依都美
村岡希美
九十九一
題材となったのは、新潮45編集部編『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮文庫)
「上申書殺人事件」は
「石岡市焼却事件」、
「北茨城市生き埋め事件」、
「日立市ウォッカ事件」の3つの事件の総称。
山田孝之は雑誌の記者。
編集部に届いた死刑囚(ピエール瀧)からの手紙がきっかけで取材を始めることになった。
ピエール瀧はヤクザ。
人をいとも簡単に殺す。
被害者の老人たちや自分の舎弟たちの命もなんとも思っていない。
リリー・フランキーは老人を殺して、その人たちの土地や財産を自分のものにしていた。
九十九一は身寄りのない老人を探してリリー・フランキーに紹介。
範田紗々はアダルトビデオそのままの艶技。
この事件の取材に夢中になった山田孝之はアルツハイマー症の母親を妻(池脇千鶴)にまかせっきりになり離婚を切り出される。
この映画の事件の内容がほとんど実話だということに怖さと恐ろしさを感じてしまう。
エンターテイメント作品としては上々の出来で、
公開時はロングランとなり、
多くの映画賞も受賞している。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
重すぎて憂鬱
「凶悪」は2013年9月21日公開の日本の犯罪映画である。1999年に実際に起きた「上申書殺人事件」を基にしている。
いや〜重いですね〜。重くて暗くて見てて憂鬱になります。まぁ、実話といえどところどころ、盛り上げて欲しいところです。それが"作品"を作り上げる監督の見せ場じゃないでしょうか。視聴者がこの暗さについていけるのか心配です。
さて本作のタイトルの「凶悪」ですが、これは殺人犯の須藤や木村はもちろん、主人公の藤井、そして嫁、保険金殺人を委託した家族など、、それぞれに言えることやと思うんですよね。ようは人間の本心には悪が宿ってるんですよということをこの映画を通してメッセージとして伝えています。人間、誰しも凶悪な心を持っているみたいです。
リリーフランキーのサイコパスな演技が素晴らしかったなぁ〜。ほんと器用な人だ。
駄作
原作を既に読んだ人は、見るだけ時間の無駄。原作を100点としたら映画は20点。
事件を追う記者の家族がなぜか超不幸な設定で、記者の妻に対する理不尽な態度にイライラさせらた。この映画は闇しかない。記者の家庭が闇、出版社の登場人物も闇、全般通して闇しかない。せめて記者の家庭は小さな幸せのある家庭の設定にした方が、凶悪事件との対比でインパクトのある映画になったと思う。原作に無い演出の部分がダメダメです。
暗っ…
見てられんシーンが多くて嫌になる。悪を表現するのにはしょうがないのかも。みんな怖い。
ラストシーンはゾワッとする。記者の人、うーん可愛そう。
ストーリー 89点
配役 91点
音楽・映像 88点
全体 84点
山田孝之がちゃんと芝居すると、やっぱりいい。そしてリリーさんが怖す...
山田孝之がちゃんと芝居すると、やっぱりいい。そしてリリーさんが怖すぎる…本当に怖い人って、こういう感じなんだよね。単なる勧善懲悪じゃなくて、主人公が揺れて終わるラストがよかった。
藤井記者がなぜそこまで犯罪に対して怒りを表すのか?
最後まで飽きずに観られたということは、まあまあ面白かったのだと思う。
しかし山田さん演じる藤井が、そこまで犯罪に対しての怒りの原点がどこにあるのかが判らなかった。
酷いけど笑えてしまう。
内容は実際にあった『上申書事件』の映画化。獄中の死刑囚から事件の真相と隠れた『先生』と呼ばれた謎の人物に迫る。そして主人公家族問題を包括的に描いた作品。印象に残った言葉は、『人の家庭に土足で踏み込んで好き放題言う、他の記者と貴方の違いは何ですか?』ジャーナリストの性だなぁ。分かりやすい映画でした。この映画を観て、ニーチェの言葉を思い出しました。『怪物を退治しようとする者は自身が怪物にならない様に気を付けろ。深淵の底を見ようとする者は、深淵からも自分を見ている事を自覚せよ』呪詛に似た悪が他者に向かう短絡さが悲しくも寒く感じました。
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