about love アバウト・ラブ/関於愛

劇場公開日:

解説

東京・台北・上海、アジアを代表する3大都市を舞台に、留学生と現地に暮らす異性との出会い、そして異文化コミュニケーションをテーマにしたオムニバス・ラブストーリー。伊東美咲、加瀬亮、チェン・ボーリンら、アジアの若手スターが共演する。東京編の監督は「マッスルヒート」の下山天。台北編は「藍色夏恋」のイー・ツーイェン。上海編を中国の若手監督チャン・イーバイが各々担当する。

2004年製作/102分/日本・中国合作
原題:about love
配給:ムービーアイ エンタテインメント
劇場公開日:2005年9月17日

ストーリー

「TOKYO」ヤオ(チェン・ボーリン)は、漫画家を目指して台北からやってきた留学生。専門学校に自転車で向かう途中、偶然、画材道具を路上にばらまいてしまい、立ち往生する若い女性を目撃する。画材を拾い集め足早に去っていく彼女に、なぜだかヤオは目が釘づけになる。渋谷のとある店。大きなキャンバスに色を重ねるアーティストの美智子(伊東美咲)は、恋人との不仲に悩んでいた。そんな時に、彼からの着信が携帯に入る。しかし3年間心を通わせた相手は、たった4秒で別れを告げた。深夜のスクランブル交差点。涙を隠し俯いて歩いてくる美智子とぶつかりそうになるヤオ。謝りながら横を過ぎる彼女と一瞬目が合う。美智子は泣いていた。その泣き顔が脳裏に焼き付いたヤオは、立ち止まった一角で、店のウィンドウ内に描きかけの絵を見つける。翌日、ヤオは昨日の絵をもう一度見るために店の前を通る。すると、描かれていた澄んだ青空は、冬の寒空のようなグレーに塗りつぶされていた。そこへ画材を手にした美智子が現れる。反射的に身を隠すヤオ。彼女の悲しそうな横顔が、キャンバスをグレーで埋め尽くしていくのを見たヤオは、美智子のためにあることを考え付く。「TAIPEI」深夜。台北のマンションの一室で、本棚を作ろうと悪戦苦闘しているアスー(メイビス・ファン)。完成した本棚を立ちあげようとするが、びくともしない。アスーは、あるバーのコースターを1枚見つけ出し、携帯をダイヤルした。電話を受けた鉄ちゃん(加瀬亮)は、突然の呼び出しに期待をふくらませ、真夜中にもかかわらずアスーを訪ねる。部屋に入って早々、「本棚を持ち上げるのを手伝って」と頼むアスー。期待していたばかりに、落胆と疑問の表情を浮かべながらも素直に手伝う鉄ちゃん。カタコトの中国語でアスーをからかい、ペンキを塗りながらふざけ合い、次第にふたりの距離は近づいていく。アスーを抱きしめる鉄ちゃん。アスーも鉄ちゃんの胸に顔を押し付ける。いい雰囲気になり、本気になる鉄ちゃんとは裏腹に、徐々に抵抗し始めるアスー。それでもなお覆いかぶさってくる鉄ちゃんに、アスーは突然平手打ちをくらわす。戸惑う鉄ちゃんに、アスーは泣きながら壁の黒板に漢字を書き始める。「私は、彼と別れた」「とてもつらい」「眠れない」「だから本棚を作る」「あなたの体を借りて彼のことを想った」アスーの書いた字のうえに、鉄ちゃんはひと言だけ書く。「理解」。「SHANGHAI」上海の下町の一角。母の営む雑貨屋で、大学受験勉強中のユン(リー・シャオルー)が店番をしながらうとうとしていると、日本人留学生・修平(塚本高史)が現れた。彼は東京の会社を辞め、夢への第一歩として単身上海へやって来て、雑貨屋の2階に部屋を借りているのだ。覚えたての中国語を駆使して用件を伝える修平に、受験勉強中の英語を使いつつ、中国語を教えながら応じるユン。そんなある日。修平宛に届いた小包を、ユンは彼のバイト先まで届けた。中には、美しいスペインの風景の葉書、古くなった野球ボールがあった。ユンは真剣に葉書を読む修平の、冷たく強張った顔に驚く。それが彼女からの小包と知ったユンは、修平の彼女がどんな人なのかを尋ねる。翌朝、ユンは雑貨屋のカウンターの上の紙片に気付く。昨日の葉書の絵柄だ。修平が破り捨てたのだろうか? ユンは受験勉強そっちのけで、手紙の破片を集められるだけ拾い集め、日本語の辞書で一文字一文字調べていく。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5恋の始まりの淡い時間

2023年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

東京、台北、上海の3都市を舞台にしたオムニバスラブストーリー。
と言っても、皆恋の始まりの淡い時間を描いています。
異なる言語と文化の二人なので、どれも少しもどかしいんですね。

東京編は映像がすごい古い感じで、色味なのか少し違和感がありました。
海外から留学してきた学生が、渋谷に住んでるっぽい設定。
家賃相場を考えると流石に「?」ってなりました。
今は亡き大杉漣が良いですね。
物語と関係ないのですが、スクールで使っているMacがクイックシルバーなのがすっごい嬉しかった。
いじり倒した大好きなマシンだったんですよね、懐かしい。

台北編はウォン・カーウァイを思わせる作風と絵作りで、導入からすごい雰囲気が良いです。
ペンキのシーンは何だかすごく良かったです。
言葉が全然つながらなかったり、少し振り回されてる感じとか、ヤキモキするような距離感が実にうまかったです。
あと主演の二人が何とも良いですね。

上海編。これが物語として一番しっくりきました。
そもそも「台湾(イー・ツーイェン)」目当てだったのだけど、ちょとおしゃれすぎたのか「上海」が始まったら何だかほっとしましたね。
何というか、素朴だけどすごい可愛いんです。
あと、グラス越しの景色はグラマラスですごい印象的でしたね。
全く似合ってないパーマ、遅く知った「テキエロ」の意味、何とも素敵な恋心でした。

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