青春銭形平次

劇場公開日:

解説

野村胡堂の銭形平次ものを「プーサン」の和田夏十と市川崑が自由な立場で脚色、市川崑が監督した。撮影は「都会の横顔」の遠藤精一、音楽は「青色革命」の黛敏郎の担当である。主な出演者は「金さん捕物帖 謎の人形師」の大谷友右衛門、小川虎之助、「再会(1953)」の伊藤雅之助「愛情について」の杉葉子「亭主の祭典」の伊豆肇、木匠マユリ「母と娘(1953)」の三好栄子、その他見明凡太朗、石黒達也、山形勲などが出演している。

1953年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年8月19日

ストーリー

天保年間、江戸は神田お台所町の裏露路に住む平次は、二十そこそこの若さながら名岡っ引の父平太郎の血をうけたか、はやくも与力笹野新三郎にねだり落した十手捕縄を預かるあっぱれ親分ぶり。従う子分は日傭作業員にのんびりアルバイトする八五郎。飴や家業のしがなさで風采はあまり上らないが、キリリとしたいい男前に近所の娘は大さわぎ、ことにも豆腐やのお静は毎日平次宅に現われてはやもめの彼の身辺に何くれと世話をやく。それが深間におちぬのは、女の子とつき合うと銭がかかる--という死んだおばあちゃんの遺言を、平次が服庸しているせいである。その頃江戸市中に贋小判が横行し、酒問屋「虎屋」の四斗樽に詰った他殺死体の袖からその贋小判がこぼれたことから、虎屋の酒蔵にしのびこんだ平次と八五郎は、立ちふさがる覆面の怪漢を平次得意の投げ銭で追いちらし、樽三つにつまった贋金のストックを押収して引揚げた。町奉行所から勘定奉行に廻されたこの押収品の調査はお役所仕事ののどかさか、さっぱりはかどらぬうち、被害は刻々増大し、商人は落ちついて店もあけられぬ。虎屋から酒造業の丁字屋、さらに意外、勘定奉行所の内部にまで捜査の手が及ぶが、証拠がない。乞食にまで変装の憂身をやつして、四斗樽殺人の犯人丁字屋の手代をとらまえたが、彼も謎の死をとげ、平次、八五郎も途方にくれる。しかし天佑--平次の家の売上げ銭をふしぎな野良猫がくわえて逃げ、十手をふりかざして追いかけた二人は、こんどは他の家から贋小判をくわえてきた猫を逮捕、この一件から贋金つくりの本拠をつきとめて、数百の捕方の出動となる。首魁は勘定奉行の用人雨森であった。あっぱれ一番手柄、いささかの褒賞も入った平次は、晴れてお静と夏祭り見物にでかけた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 いきなり昭和28年の映像。ギャングが逃走中に車で店舗に突っ込んで...

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 いきなり昭和28年の映像。ギャングが逃走中に車で店舗に突っ込んでしまう映像だ。

 飴屋を営みながら十手をあずかった平次。10歳のときに亡くなった父親の平太郎は町の女たちの人気者だったが、やはり父の子、注目を浴びていた。豆腐屋のお静(杉)、居酒屋のお駒(木匠マユリ)、薬問屋のお花(島秋子)など・・・

 折しも、町ではニセ小判が出回っていて騒ぎになっていた。死体を発見した場所を当たっていた平次と八五郎は数人の覆面男に襲われ、そこにあった樽からニセ小判が入った樽を3つ見つけるのだった。

 庶民にとってはニセ小判が出回ろうが、大金には縁のないもの。しかし大商人にとっては経済的に混乱をきたし、ニセ小判をつかまされたために自殺する女子まででてきたところで、平次たちは真剣に取り組み始めた。

 猫に小判??猫のおかげで犯人は見つかり、最後は大捕り物になった。ドタバタ劇の結末には貧富の差という社会風刺も織り交ぜ、平和的に解決。銭にゴムひもをつけていた平次もやがてゴムひもナシで銭投げするんだろうか・・

 ライターがあったり、現代人の服装の男がいたり、ところどころで時代考証無視の場面がある。笑ってしまったのは「受取にサインしろ」と言ったところか・・・。ジャズが流れているのもこの時代にしてはイキだなぁ。

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kossy