続・夕陽のガンマン 地獄の決斗のレビュー・感想・評価
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痺れ、病みつき、脳天を撃ち抜かれる!
主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネのトリオによる3大傑作、“ドル3部作”と呼ばれている「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続く3作目です。
前2作よりもコメディ色を強めながら、迫力のアクションと圧倒的なスケールでボリュームアップしています。イーストウッドが演じる賞金稼ぎ、イーライ・ウォラックが演じるお尋ね者、「夕陽のガンマン」にも出演したリー・バン・クリーフが演じる捕虜収容所長がクライマックスに対峙し、撃ち合う前の緊張感が張り詰めた名シーンには何度見ても痺れます。
モリコーネの印象的な音楽、哀愁のメロディーが全編を包み込み、レオーネのスタイリッシュな演出の特徴である超クローズアップ、急速なズーム、パンフォーカス、地面からややあおり気味のローアングルなど、鮮烈で斬新なショットやカメラワークは一度見たら病みつきになります。
そして、目深に被ったハット、無精ひげにタバコをくわえ、ポンチョを着こなす孤高のガンマンという映画史上のアイコンとなったイーストウッドが演じるキャラクターの眼光鋭くニヒルな表情とクールな存在感に、脳天を撃ち抜かれることでしょう。
南北戦争末期の米国西部。 ひとりの悪人顔の男セテンザ(リー・ヴァン...
南北戦争末期の米国西部。
ひとりの悪人顔の男セテンザ(リー・ヴァン・クリーフ)が南軍の兵士が盗み隠した軍資金の行方を追っていた。
一方、グッドガイ(イケメン)のジョー(クリント・イーストウッド)は、アグリーガイ(ブ男)テュコ(イーライ・ウォラック)と組んでの賞金稼ぎ。
賞金首テュコをジョーが捕まえて、テュコ縛り首に相成る直前、拳銃で縄を撃ち切って救出。
賞金を山分けしてトンズラという手口だった。
あるとき、南軍の兵士を乗せた馬車に遭遇。
彼らのひとりが軍資金を盗んで隠していたのだ。
そいつは瀕死。
テュコは軍資金を隠した広大な墓地名は聞き出せたが、どこに埋めたかまでは聞き出せず。
ジョーが埋蔵先のヒントを聴いていたのだ・・・
といったところからはじまる物語なのだが、ここまでで中盤。3時間の上映時間なので、このあと休憩が入ってもいい感じ。
で、ここまでは、ジョーとテュコのコンビのささいな活躍を愉しむ趣向だが、これ以降は物語が大きくうねりだす。
ジョー&テュコのセテンザとの出遭い、南軍と北軍の対立・戦闘を経て、軍資金を埋蔵した墓地での三すくみの決闘と相成る次第。
前半と後半でトーンが異なり、後半は大河ドラマのような物語のうねりが感じられます。
最後の三すくみの決闘シーンはスコープ画面を存分に活かした構図で、ロングショットと焦れるようなアップシーンのカットバックが上手い。
これ以上やると辟易する、の一歩手前ぐらい。
配役では、イーライ・ウォラック、リー・ヴァン・クリーフ、クリント・イーストウッドの順で美味しいところがあるかな。
とにかく、イーライ・ウォラックがいないと、この映画、かなり魅力が減だったかも。
どんどん尺が
長くなる、砲撃シーンや最後の決闘シーンが長ったらしい。でもドル三部作の中でやっと、俺ジナルなものが濃厚に出てきた。南北戦争の意外な程長い描写、所々で出て来る不具者。“卑劣漢”と出るが意外と人間味があり信心深い。銃のカスタム化とか爆薬設置とか細部のこだわりも凄かった。
二枚目、敵役、三枚目をおちょくった様な演出でラストも爽快! しかしポンチョはどこから?
戦争物か❓
クリント•イーストウッド、
相変わらずのイケメン、カッコいい❣️
モリコーネの音楽、やはり素敵で場面ごとに
あわせた細かい工夫がされている。
長い時間なのに飽きないのもこのせいか。
本作、イーストウッド、ちょっとよこしまな
賞金稼ぎ、ずるくないか⁉️
死刑になるテュコと持ちつ持たれつ、なんて
生易しくない❗️
隙あらば殺されかねないのに、なぜか同行。
ああ、そうか、話にならないものね。
南北戦争の時代らしく
後半戦争物みたいだった。
他の作品でもあまり観ない
(ノルマンディー上陸シーンのは凄惨だったが)
そこらじゅうに死体がゴロゴロ転がっている中
を歩いていくシーン、なかなかだった。
銃と大砲だけが武器の戦争、肉弾戦。
兵士は志願兵ばかりだったのか。
イーストウッドたちは高見の見物だった。
しかし、エライこともやってのけた。
リー•バン•クリーフは、
悪玉でエゲツない賞金稼ぎで、
いつのまにか北軍の上官になって
またいつのまにか金貨狙いにやって来る
出来過ぎの展開。ま、いいか。
この人の右手中指の先が無い。
事故だろうか。
テュコ、どうなったのだろうか。
心配してないけど。
あの墓場も実在するのだろうか。
『ひまわり🌻』みたいに戦争の悲惨さを
物語る。
どうしてこんなに面白いんだろう?!
1968年7月14日、この日「続夕陽のガンマン」と「サムライ」を観なかったら、私は50年以上映画ファンであり続ける事はなかったかも知れない。自分史の中でそういう位置を占めているのだ。
4月10日(水) 新宿ピカデリーで「続夕陽のガンマン 地獄の決斗」(4K)を。
英題は「The good,The bad,and The ugly」
The good(ブロンディ)はクリント・イーストウッド、The bad(エンジェル・アイズ)はリー・バン・クリーフ、The ugly(テュコ)はイーライ・ウォラックである。
まず、この映画を面白くしているのはイーライ・ウォラックの存在である。悪党なのに憎めない、笑わせてくれる愛すべき(?)キャラクターを演じている。
1968年にこの映画を観た時の字幕は高瀬鎮夫氏である。氏は、当時多くの映画字幕を担当していて、コロンビア映画は大田国夫、ヨーロッパ映画は清水俊二、残りのアメリカ映画は高瀬鎮夫というのが当時の私のイメージであった(実際、現在とは公開本数が違うとはいえ、全盛期には公開映画の7割を高瀬氏が担当したと言われている)。
氏の字幕は意訳が多いのだが、本作で氏が付けた字幕がThe ugly=イジけた野郎、である。善玉、悪玉、卑劣漢などのありきたりの訳でないのが良かったね。(今回の字幕は善玉、悪玉、卑劣漢だった)
ちなみにThe good=ちょっとイイ男、The bad=グッと悪い男、であった。
映画の冒頭でテュコを襲った3人組の一人が生き残って、映画の中盤でテュコを発見して入浴中に襲って来るが、圧倒的優位な態勢なのに能書き垂れ過ぎてテュコに射殺される。敵を倒したテュコ曰く「ムダに喋っているヒマがあったら撃て」ゴルゴ13か、お前は。
銃器店で銃を選ぶ時も、複数の銃を分解してバレルとシリンダーの最良の組合わせを選ぶこだわりをみせる(銃はレミントン・ネービーリボルバー)。そして試射、テュコは射撃の腕前も凄い所を見せる。こういった所を丁寧に描いているから上映時間が長くなるのだ。
テュコは橋を爆破に行く前に銃に弾込めをしている。(これがラストの決斗の伏線になっている)
再三、南軍、北軍の負傷した兵士の姿が捉えられる。橋を爆破する事によって橋を巡って戦闘していた両軍を撤退させて死傷者をこれ以上出さないと言う大義のもと(オッペンハイマーみたい)にブロンディとテュコは橋を爆破する。(本当は金貨の隠し場所に近づくためなんだけど)
この橋の爆破シーン、カメラを回す前に爆薬のスイッチを押して爆破してしまい、スペイン軍が急遽橋を架け直してから撮影したと言うのを後で知った。
橋を爆破した後、二人は朝まで塹壕でじっとしている。ブロンディはテュコを蹴り起こす(これもラストの伏線の一つだ)。
川を超えた所で重症の南軍兵士に出会い、ブロンディは葉巻を吸わせてやると兵士は事切れる。ブロンディは自分のコートを掛けてやり、変わりにそこにあるポンチョを持ち帰る。(これがクリントのポンチョスタイルの原点となる)
クリント・イーストウッドは、西部劇の時にいつも同じホルスター(ガンベルト)を使っている。「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」と同じホルスターを「続夕陽のガンマン」でも使っている。(確か「シノーラ」でも使っていた)
だが、本当はこれはおかしいのだ。何故なら前2作では使っている銃が(多分)コルト・ピースメーカーだが、「続夕陽のガンマン」ではレミントン・アーミーリボルバーなので、バレル(銃身)の長さも違うためホルスターは違って当然なのである(早撃ち出来ないよ)。また、銃の種類が違ってもグリップは同じ銀の蛇が蜷局を巻いた物を使っている。閑話休題。
いよいよサッドヒルの墓場に埋められた金貨の行方をめぐるラストの西部劇史上初のトライアングルの地獄の決斗である。
エンニオ・モリコーネの音楽も冴える。
3人の顔のアップ、いや、眼だけのアップ、銃に近づく手の、指のアップ。指は銃に近づく、止まる、戻る、また近づく。
遂に銃は抜かれ、火を吹く…。
ラストにもう一度各自のアップに字幕が重なる。The ugly=イジけた野郎、The bad=バカを見た男、The good=グンとイイ男、であった。(あ、高瀬鎮夫版です。今回は善玉、悪玉、卑劣漢でした。つまんねえ訳だ)
何本もマカロニウエスタンを観たが、この作品の右に出るものはない。タランティーノが気に入る訳だ。
人間には2種類いる。映画を作る奴とそれを観る奴だ。
おまけ
この映画を気に入った方には、ドキュメンタリー映画「サッドヒルを掘り返せ」を観る事をお勧めする。サッドヒルにクリント・イーストウッドが登場するシーンは胸アツである。
《ドル3部作》第3弾!三つ巴の決斗! 製作費もスケールもアップ!3時間の超大作 超有名・超ユニークなテーマ曲!
《ドル3部作》の第3弾は、三つ巴の決斗!
イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフの二人に加えて、三人目の男イーライ・ウォラックが大活躍!
大金を巡り戦う、いい人 VS 悪い奴 VS 汚ねえ奴!
三人のテロップ「The Good」「The Bad」「The Ugly」がそれぞれ出るたびに、
英語版を観てるのに、脳内変換されて、山田康夫、納谷悟朗、大塚周夫の「いい人」「悪い奴」「汚ねえ奴」という声が聞こえてくる!
しかも、原語版では、各テロップではセリフが無いのに!!
超有名・超ユニークなエンニオ・モリコーネのテーマ曲!
製作費もスケールもアップ!
3時間の超大作!
南軍・北軍兵士を演じる数千人のエキストラに、「戦場にかける橋」を超える200メートルの木造橋の大爆破!
しかも、ミスで2回も爆破、撮影。
南北戦争の無意味さと狂気を嘆く将軍、別れ際に兄に罵られたことを隠しイーストウッドに嘘をつくウォラックに泣かされ、広大な墓場のオープンセットを走りまわる、ウォラックを捉えた名シーンに興奮。
マカロニ・ウエスタン最大の超大作で最高傑作です!
映画館で観たが、、筋も共感できず。古い録音を大音量にすると割れて不快
大金をめぐって3人の男が、競う。
結局 金が目的なので、感情移入できない。
筋も無理が有る。
南北戦争時代の米国が舞台で、その雰囲気が少し分かったのはよかった。
TV放映用の編集短縮版の方が好きです!
TVで何回も鑑賞して、大好きな映画ですが、初めて映画館で、178分のオリジナル版を鑑賞しました。個人的には、余り必要のないシーンが多いと感じられました。
勿論、ラストの3人の決闘シーンは、素晴らしい作品です!
脚本ダメ、ダラダラ長すぎ
ドル3部作の3作目でタイトルに“続”と付きますが、2作目『夕陽のガンマン』とは繋がってません。
西部劇と聞いて思い浮かべる、ほぼ全てのモノが詰まってます。
西部劇にフェチズムを持つ人が作った映画のようにも感じます。
拍車の付いたウエスタンブーツ、リボルバー、西部劇な銃さばき、早撃ち、ウエスタン扉、などなど。
最初は、カッコイイ!!と観てたけど、脚本がダメ、面白くない。
途中からダレてきて、ウトウトしながら観ました(笑)
3時間と長すぎだし(笑)
ガッカリ作(笑)
マカロニウェスタン、最初は何でコイツらの暑苦しい超ドアップの顔を(しかもヤローの)を見にゃならんのかと思ったが。今ではそこがいい。癖になる。
2024(令6)再上映のマカロニウェスタン、「夕陽のガンマン」 「荒野の用心棒」に次いで3本目の鑑賞。
今回1本目の「夕陽のガンマン」見たときは、何が悲しくて、わしゃあコイツらの暑苦し顔を大画面いっぱいのドアップで見にゃならんのじゃ、と思ったが、今ではコイツらの暑苦しいドアップが出てくると、「これこれ、これぞマカロニウェスタン」 とワクワクしてくる。しかも今回はハエもぶんぶん飛び回っていて不衛生感アップでますます良い。
最後の決闘場面が最高だ。相手の出方をうかがい銃を抜くタイミングをはかる。
先に抜けば自分が狙わなかった相手に殺られそうだし、先に抜かなければ誰かが自分を先に撃ってしまうかもしれない。また誰が先に抜こうが3人相討ちにもなりそうだ。もう一体どうしたらいいんだ。3すくみのジリジリした時間が流れる。
僕は、クリント・イーストウッドはさすがに生き残るだろうとは思っていたが、もしかしたら3人相討ちも有りうるとも思っていたから緊張して見ていた。
結果、前日にティコの拳銃の弾を抜といたブロンディの作戦が功を奏し、ブロンディとティコが生き残って大金を手にする。。同じことを卑劣漢ティコがやったら、卑怯な手を使ったとか、ずる賢い野郎だとか言われるが、善玉ブロンディが使えば頭脳の勝利、作戦勝ちと見られる。ティコとブロンディ、日頃の行いの違いである。
卑劣漢ティコが、主役の善玉ブロンディと同じぐらいの大活躍。最後に卑劣漢ティコが、善玉ブロンディを非難して叫ぶセリフが笑えた。
ティコの言うとおりで、なんだかんだ言って3人とも金の亡者で、50歩100歩であると思った。
西部劇らしからぬ大作!
ドル3部作の3本目となる今作、見たことないかもと思ってたのですが、ラストでテュコが墓場を走りまわるシーンが記憶に残ってたので、テレビで部分的には見たことあったようです。
前2作と違い、大作に仕上がっておりエキストラも大勢でお金かけてるなあと思いました(笑)
卑劣漢とか悪玉、善玉って画面説明出るのがなんか不思議な感じがしました。
普通そんな説明でないでしょ、見てればわかるはずなので。
というか善玉のはずのイーストウッド演じるブロンディって懸賞金掛けられた男と組んで捕まえては逃がし、捕まえては逃がしで、懸賞金を何度ももらう懸賞金詐欺やってるやん!
ということで3人とも悪人だが、ブロンディだけは無駄な殺しはしないし、何と言ってもイーストウッドが演じてるのでついついブロンディに肩入れして見てしまいます。
「夕陽のガンマン」でモーティマー大佐を渋く演じたリー・バン・クリーフですが、今作は名前はエンジェルだが容赦なく人を撃ち殺す残忍性を持ち合わせた役となり、悪玉になってしまいました。
そして卑劣漢のテュコが今作の中心的人物で状況を見極めてコロコロ態度を変え、金の亡者みたいな役を演じてます。が卑劣ではあるが極悪人という感じでもなくいい味出してます。
今作の特徴としては南北戦争をストーリーに大きく絡ませているところです。
ラストの北軍と南軍の戦い、橋の爆破のシーンなど、いつのまにか西部劇から戦争映画になってる!?て感じです。何を見せられてるんだ?という疑問が一瞬頭をよぎりました。
レオーネ監督はなんのためにそういった戦闘シーンを挿入したのだろうか?
もちろん西部劇テイストの見せ場もあります。砲弾が飛び交う中でのエンジェル一味5人と一時的に手を組んでいるブロンディ、テュコの対決シーンや、ラストのトライアングルでの決闘シーンは見応えたっぷりでした。
でも、その前のテュコが一人で墓場を走って走って探し回るシーンが強烈でした。
人間って欲望を満たすためならエネルギーが無限にあふれ出てくるかのような、テュコの喜びを爆発させて疾走する姿。
あのシーンだけは大昔に見たはずの私の記憶に残ってたくらいですから。
それとは対照的な南軍と北軍の何のために戦っているのかわからないような戦い。
個人の欲望とは無縁の戦いで多くの人が負傷し死んでいく。
どうせ死ぬなら己の欲望のために戦って死んだほうがましではないのか?とでも言いたげなレオーネ監督の演出。
人によって受け取り方は様々かなとは思いますが、先のことを考えて橋を残す両軍に対して、今を生き抜くためにはあの橋を爆破して南軍を撤退させるしかないと考えたブロンディがテュコを連れて橋脚にダイナマイトを仕掛け爆破するシーン。なんだか爽快でした。
そしてラストで死なずに済んでかつ分け前までもらえたのに、感謝などせずブロンディに悪態をわめき散らすテュコの姿に人間の滑稽さ愚かさを感じるとともに、怒りや欲望が人間にエネルギーを与える原動力なのだという人間賛歌のようなものも感じました。
なかなか奥が深いですこの西部劇。
なので☆半分おまけです。
どこが善玉やねん
2024年劇場鑑賞77本目。
卑劣漢、悪玉、善玉と三人が紹介されますが、善玉って出る前に既に金目当てに賞金首でもない3人殺して、詐欺まで働いとんねん!
悪玉と卑劣漢はその名の通りの役割を果たしますが、善玉であるイーストウッドはその後も金目当てにしか動かず、やらなくていい意地悪までしたりして恨みも買っていきます。橋のエピソードだけ善人ぽいけど卑劣漢も同じ行動しているからそれまでの悪行取り戻せず、最後に「どこが善玉だ!」とメタ的なツッコミに「だよね」としか思えませんでした。後なっがい。
劇場で観ていなければ評価が違ってしまうのも無理からぬ….?
まずは今回、同じ「新宿ピカデリー」という名を冠した劇場での、初公開の1967年から60年近く半世紀以上ぶりという記念すべき再公開は感無量である。
しかも、今回は前回と同じユナイト=英語バージョンでありながら、4Kレストアされて限りなくイタリア・オリジナル全長版に準じて復元されたバージョンでの上映がついに叶ったわけである。
スクリーン・サイズから言えば、国内でのこれまでで最大サイズでの上映じゃないだろうか?、という点で感涙物でもあった。(2番スクリーン)
西部劇に、血生臭い決闘、ガンファイトだけでは無い、剥き出しの金銭欲とそれに比しての人の命の安さ、それらとは対照的に思える(ブラック)ユーモアなど、人間の性(さが)をこれでもかとばかりに盛り込んだストーリーを持ち込み、これほどのスケールの長時間大作を作るなどという発想は本家のアメリカ人には決して生まれ出なかった事だろう。
その、ややも屈折した強烈な一方的(ひとりよがり?)アメリカ愛となってしまったこの“ラブコール”に、当時のアメリカ人にはとても理解することが出来ず、応じかねてむしろ拒絶反応を起こしてしまったのであろうといえる顛末(公開当時)。
この映画のストーリーを最も簡単に表現するのであれば、「3人の登場人物が馬鹿し合い騙し合い終いに“黄金”の奪い合いに発展して行く」事に過ぎない。
従って、この映画の見どころはそのようなところ(だけ)には無かろうと。
前二作と比して、南北戦争を背景に壮大なスケールで、テクニスコープの画角を最大限に生かし切っているとも言えるワイドスクリーンに映し出される映像表現、情景は芸術的とも感じられる事。
これだけのスケール感の西部劇というだけでも凄いのに、そのストーリーが歴史的題材や、感動的、人道的ドラマなどといったありがちな題材ではない異色作であるとと言える点など、モリコーネ氏の特異なテーマ曲や哀愁溢れるメロディと共に、個人的には長年こよなく愛すべき作品でもあります。
レオーネ監督の手法でよく(意味ないアップなどと)言われる極端な顔のアップには滲み出るアブラ汗や、たかる虫にも目もくれずの“目は口ほどにモノを言い”の如き登場人物のギラつく両眼が交互に映し出され、人間の欲望、情念を炙り出すが如き手法など、これらの監督の意図するとこをその受け取り手である鑑賞者が適正に理解するには、劇場のスクリーンでなければ相当困難であるという事を痛感させられます。
ただ単純に“オリジナル全長版”での鑑賞が目的であるのなら、その昔入手したイタリア初期発売版DVDで幾度も果たしている。
目的の殆どは「大画面での鑑賞」という事に尽きるだろう。
全く夢のような事である。
かつて昭和の時代の放送形式と受像機で、初放送から何度も放送されてきた作品だが、このフォーマットのスタンダードだとスコープサイズの1/3〜1/2近く左右が切り取られたような印象だった。
更に、我が国劇場公開の短縮米国版から更なる編集カットが加えられたのを、辻褄が合うよう吹き替え版に施されての放送である。
主に‘80年代のビデオ・ソフト化〜レンタル時代も後半に受像機も横長化された事で、この辺りの事情は改善されたものの、他の多くの作品も含めて「オリジナル全長版」での鑑賞は困難を極めた事は変わらずだった
こうした事情限って考えた場合、前述のようなストーリーラインとまつわるアクションとそのオチという部分は押さえて割り切ってしまうのであれば、それはそれで良かったようにも思える。
これにはベテラン声優陣が素晴らしかったという事もあげられる。
逆に、劇場スクリーンでの鑑賞を前提して構成されたこの全長版を、今日の家庭受像機やタブレット、スマホでの鑑賞では観るに耐えず、両者(製作者と鑑賞者)のどちらにとっても不幸な結果を招くに過ぎずと思える。
特に、見せ場である筈の最後の墓の中央の円形の広場での三つ巴決闘シーンなんかも、イタリアのコロッセオか?、古代ギリシャの円形劇場か?と思わせる演出だが、遠景でスクリーン一杯に映し出される三者の様子は、左右ちょん切られた画面では意味分からず、小型画面では小さ過ぎで何だか分からず、どちらにせよ、いたずらにただ長々と繰り広げられる退屈なシーンと受け取られるという結果に成りかねず。
個人的には、機会があるうちに劇場スクリーンで鑑賞される事を、是非お勧めしておきます。
あと、ちょっと気づいた点として、タイトルロールの主演3人の表記が、今バージョンではイーストウッドin で主演、バン・クリーフ助演、後出し別格でウォラックのみたいな順で登場して来ますが、イタリア・オリジナルでは版は背景画面と連動してその順番通りに3人の名はイーストウッド、ウォラック、バン・クリーフin と続いて登場しています。
題名も、これはけっこう知られていますけど、オリジナルでは、「いい奴、汚ねえ奴、悪い奴」と、英語版と並びは違っており、3つ目の前にandも入らず、並列表記です。
それから、イーストウッドの扮装が終盤にきて「荒野の用心棒」状態となります。
舞台的にも“南北戦争”時代であり、時系列としては今作が1番目との解釈になるという事なんでしょうね。
参考までに。
トリオ
今回は西部劇だけではなく、南北戦争の描写とか悪事をしてきたトゥーコが兄に逢い関係が上手くいかなかった時のブロンディーの優しい寄り添い方。この二人の人間っぽいドラマが最初から最後まであった。
ユーモアセンス溢れる脚本は面白い。
男達の駆け引きとパワーバランスも丁寧に
描かれている。
『お前は善玉なんかじゃねえ!』『神様はマヌケが嫌い』とか教会から出て来たトゥーコに葉巻を
あげるシーンが印象的。
墓場で男三人の決闘シーン。
男達の憎々しい表情と演技が5分間も続く。
善玉、悪玉、卑劣
モリコーネの『トリオ』も名曲。オープンニングでも聴けた。The Good,the bad,the Ugly
クライマックスのピストルシーンは
痺れた。最後はクリント・イーストウッド
が締める。格好いいスターだよね。
人間には2種類あります。
大画面、大音響で観れる人と観れない人。
是非映画館で堪能して欲しい。
南北戦争の戦場
で自由に動けるのが不思議だったが面白かった。
汚い奴、悪い奴、いい奴の字幕が面白い。
午後ロードなので短くなっているから、20万ドルがどうして埋まっていたかはよくわからなかった。
最後にいい奴がポンチョを得る理由が分かる。
これは戦争は無益だということをいっているのかな?
ハゲタカは北軍だし。
軍隊には徴兵ではなく志願なのかな?戦場でも一般人がいられるようだし。
しかし、原題はガンマンの文字も夕陽ない。イタリア語だし「二つのぼろ布」?
午後ロード 録画視聴
最後の決闘がアツい
監督のセルジオ・レオーネをはじめ主要メンツが同じと言うだけで、「夕陽のガンマン」とは全く関係ない本作。
南北戦争の時代の話で、金貨を求める3人のガンマンの物語。
これまたOPからすっごい格好良いです。
十分こちらも面白いのですが、改めて見るに明らかに長すぎですね。
もうちょっとコンパクトに収められなかったのかなと思いました。
こんな風にちょっとダレを感じつつも、最後の決闘ではちゃんと締めてくるんですね。
決闘はその音楽も相まって凄いアツいんですよ。
こんな感じで途中少し横道に逸れながらも、最後はしっかりと纏めたウェスタンでした。
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