卑怯者

劇場公開日:

解説

「落ちた偶像」のグラハム・グリーンの処女作小説が原作、「赤い百合」のミュリエルとシドニー・ボックス夫妻が製作、脚色に当った一九四七年作品。卑怯な男が困苦にたえて立派な男となるプロセスを描いたもので、監督は「赤い百合」のバーナード・ノウルズ、撮影は「マレー・ゲリラ戦」のジェフリー・アンスワース。「封鎖作戦」のクリフトン・パーカーが音楽を作曲した。主演は「扉の蔭の秘密」のマイケル・レッドグレーヴ、「舞姫夫人」のジーン・ケント、「封鎖作戦」のリチャード・アッテンボロー、「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のジョーン・グリーンウッドで、以下「オリヴァ・ツイスト」のフランシス・L・サリヴァン、「バラントレイ卿」のフェリックス・エイルマー、ロナルド・シャイナー、ベイジル・シドニーなどが出演する。英国版は109分。

1947年製作/88分/イギリス
原題:The Man within
配給:BCFC=NCC
劇場公開日:1954年4月6日

ストーリー

十九世紀初頭、密輸船の一隻“幸運”号では船長が死んでリチャード・カーリオン(マイケル・レッドグレーヴ)が後を継ぎ、在学中の船長の息子フランシス(リチャード・アッテンボロー)の後見人となった。フランシスは剛気な父に似ぬ臆病者であった。船はフランスでブランディを積込んで帰路についたが、或る日、ブランディの樽が足りなくなっているのが発見され、更にフランシスの持物のなかから多額の金が発見された。フランシスは、誰かが持物のなかに入れたに違いないと誓言したが、証拠がないために、カーリオンの命令で処罰された。フランシスはこれを怨んで匿名の密告状を税関に送った。“幸運”号はイギリスの海岸についたところを税関吏に急襲され、恐ろしくなったフランシスは森の中に逃げこんだ。密告者がフランシスであると直感したカーリオンは彼のあとを追ったが、フランシスは、密輸の裁判の証人となることを条件に税関吏の娘エリザベス(ジョーン・グリーンウッド)にかくまわれた。フランシスは法廷で証言したが、傍聴人の中にいるカーリオンを教えろといわれても恐ろしくて彼を指さすことができなかった。その夜検事の愛人ルシーといるフランシスのところへカーリオンが現れ、卑怯者とののしって去っていった。フランシスがルシーの手をふりきって、今は愛するエリザベスの小屋へ行くと、エリザベスに暴行を加えようとした男を射ったカーリオンが立っていた。ルシーの密告で官憲が小屋にかけつけ、カーリオンとフランシスは捕えられた。フランシスはカーリオンが密輸の首領であることを証言せよと拷問にかけられたが、縛られているカーリオンを目の前にして彼の勇気は漸く目ざめた。フランシスの強い態度にうたれたカーリオンは、自ら自分の名をつげ、フランシスの無実を証明した。カーリオンは絞首台へ送られたが、勇気ある男となったフランシスはエリザベスと共に新しい生活に入った。

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