劇場公開日 2014年3月1日

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「リンダ・ラヴレースの半生は同情的ではあるが…」ラヴレース 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5リンダ・ラヴレースの半生は同情的ではあるが…

2017年2月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

萌える

1970年代、ポルノ映画「ディープ・スロート」に主演して一世風靡し、セックス革命の体現者と言われたポルノ女優、リンダ・ラヴレースの半生を描いた伝記ドラマ。

「ディープ・スロート」もリンダ・ラヴレースの事も全く知らず。
リンダの事は映画で描かれるからいいとして、「ディープ・スロート」についてまず調べてみた。

喉の奥に性感帯がある女を主役にした話で、ポルノ映画としては社会現象になるほどの大ヒット。
累計興行収入は(真意のほどがあるらしいが)、6億ドル。これは「タイタニック」と同等。スゲェ…。
尚、タイトルの意味は、フ○ラチオの事だとか。それもある意味スゲェ…。

さて、映画の方は、70年代のポルノ業界を描いた「ブギーナイツ」のようなもっとポップな感じと思いきや、意外と真面目。
厳格なカトリックの家庭に縛られうんざりしていたリンダは、自由奔放なチャックと出会い、解放される。
彼との関係で性の悦びに目覚めたリンダは、やがてポルノ女優として人気者になる。
ジャンルはどうあれ、普通の女の子が華やかな座へ。
アメリカン・ドリームもしくはサクセス・ストーリー的ではあるが、これはあくまで“光”の部分。
中盤からは、その“光”と表裏一体の“陰”の部分が描かれていく。

運命的に出会い結婚したチャックだったが、とんでもない最低の男。
DV、借金。
ポルノ映画出演も夫によって無理矢理に。
金や仕事を得る為だったら妻を他の男に抱かせ、時には銃で脅し…。
あの時もこの時も、華やかなその裏では、人知れず夫に苦しめられていた。
両親に助けを求めるが、ポルノ女優となった娘を拒絶。夫の元に帰れとまで言う。
リンダの苦悩はさらに深まる…。

リンダの半生は悲劇のヒロインのメロドラマ的。
しかし、どうも周りに流されがちで、はっきりとした意思が見えない。
夫に反発し、もうポルノには出ないとは言うものの、その断固とした決断力・行動力を感じられないのだ。
勿論リンダ・ラヴレースという一人の女性の波乱の人生には同情するが、あくまで映画の描き方の問題。
望まずしてポルノ女優となったリンダの不運を描きたかったのか、彼女の半生をただ紹介したかっただけなのか、反ポルノや反DVのメッセージを伝えたかったのか、何かこう、惹かれるものに欠けた。

作品に欠けたものを補ってくれたのが、言うまでもなく、リンダを演じたアマンダ・セイフライド。
人気女優の彼女がポルノ女優を演じるなんて下手すりゃ黒歴史になりかねないが、キュートな魅力と共に、ヌードや際どいシーンも披露。
伝記映画なので彼女のセクシーシーンが思いの外少なかったのは正直残念な所だが、本作の良き点はほとんどアマンダへ。
また、夫役のピーター・サースガードのダメっぷりも見事。その悲哀、時には彼こそ本作の真の主役ではないかと思えた。
しっかし、リンダの母親役がシャロン・ストーンとは気付かなかった!どっかのオバサンかと思った。

見てて思った事はやはり、「ディープ・スロート」がどんなものか一度見てみたい。

近大