劇場公開日 2013年6月21日

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「レビューは当てにならないと思う人へ」アフター・アース うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5レビューは当てにならないと思う人へ

2021年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

少なくとも、私にはこの作品楽しめました。

確かに、ここのレビューを参考に、「次に何を見ようか」なんて考えたりしますが、往々にしてレビューは当てにならないもの。

「なに?この作品がこんな低評価?」とか「評価高いから見たけど、クソ映画じゃん!!」なんてこともよくある話で。

この作品は以下の要素で評価が低いようです。
・ウィル・スミスとジェイデン・スミス本当の親子共演を実現した七光りキャスティング
・迷走するナイト・シャマラン監督作品いつも最後に裏切られるオチ
・人類の居なくなった地球の設定がしょぼい

まず、親子の情とか、絆なんかを表現するのに、本当の親子をキャスティングするという冒険をしていますが、レビュー的には評価が低いのでこれは失敗だといえるでしょう。もっと上手い子役をキャスティングすべきだったのかもしれません。しかし、ウィル・スミスの抑えた演技はこれまでにない試みで、光るものがありました。ジェイデン君も本当のお父さんが相手ということで、役柄をフルに活用できます。むしろこれ以外のキャスティングは考えられないと言っても過言ではありません。

次に、冒険の舞台が人類のいなくなった後の地球だということ。これは本作の大きな話題で、SFとして「どうなってるんだろう?」と、好奇心がそそられるのでアリなのかなと思います。「アバター」のパンドラ並みに奇想天外な舞台設定であれば、もっとそそられたのかもしれませんが、この映画の本題からすると、こんなものでいいのかなとも思えます。

親子の絆とか、恐怖を克服する人類の進化みたいなことにテーマをしぼってストーリーを展開したいのなら、必然的にこの舞台(人類のいなくなった地球)になってしまうでしょう。
この設定がなければ、映画自体に興味を持つ人がいなかったでしょう。

そして、シャマラン監督作品ということですが、今までさんざんこの人に裏切られてきて、「いい加減にしろ!」と言いたい気持ちはよくわかります。
ただ、いまだに「シックスセンス」の見事な嘘にとりつかれているファンは、それを期待して裏切られたという感情をぶつけてしまうのもどうかと思います。
そういう意味では、この映画にいわゆる「シャマラン落ち」みたいなものはありません。そこから脱却した作品と言えるでしょう。

むしろ「親子共演」で、「シャマラン監督作品」で、「未来の地球が舞台」という、贅沢な造りの映画が出来上がったことに快哉を叫びたいくらいです。

興行的には失敗しましたが、私はこの映画好きです。上にあげた3つの要素に魅力を感じない人にはきっと面白くないクソ映画だと思います。

2014.7.11

うそつきカモメ