劇場公開日 2005年6月11日

「よくある日本映画。だけど」帰郷(2004) Spiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5よくある日本映画。だけど

2024年1月26日
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鑑賞方法:TV地上波

若い頃の西島秀俊が主演ということでなんとなく見始めたが、内容はよくある日本映画。
映画にもかかわらず(というか映画だから許されるのか)ヤマもオチもいまいち盛り上がらずふんわり終わる系のドラマ。
ぶっちゃけ日本映画のほとんどがこういうインパクトのない映画だから映画館に出向いてまで見たいと思うことがほぼ無いのだが、録画して家でなんとなく見るにはあまり身構えずに見られてちょうどいい。

こういう映画はスマホ片手になんとなく見て、無事全部見終えたらなんとなくノルマ達成のようなどうでもいい目でしか見られないものがほとんどなのだが、本作は意外と気になって最後まで見たいと思ってしまった。

初対面のオジサンと小学生の女の子が少しずつ絆を築いていくという内容もいいのだが、本作の観光で行くには何もなさそうだけどなんとなく散歩したい街並みに入り込んだような映像は、旅番組やバラエティ番組なんかでもあまり取り上げられないだろうこういう日本映画の特権だったりする。
恐らくだがハルオとミユキはこのあとも結婚せず疎遠になっていくんだろうと思うのだが、この結局ハルオとチハルの絆が生まれた小さな冒険はなんの意味も無かったのかよ!と言いたくなるような虚無感は妙な生々しさがあって逆にいい。むしろテレビドラマのように最後にロマンチックな奇跡なんか描かれたら、それこそなんの特徴もない安っぽいドラマになってしまう。

人に勧められる映画かと言われるとまずオススメなんかしない作品(西島ファンの場合を除く)だが、個人的には見てよかったと思える作品だった。

余談だが、こういうぼんやりとした映画は平成の綺麗とも汚いとも言いづらい画質が雰囲気と合っていていいと思う。

Spi