劇場公開日 2012年11月3日

  • 予告編を見る

北のカナリアたちのレビュー・感想・評価

全46件中、41~46件目を表示

4.0ミステリー&ヒューマン

2012年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

萌える

湊かなえさんの作品の映画化と言うことで鑑賞してきました。20年前におきた事件で利尻の分校を出ていく事になった、はるが教え子の起こした事件によって利尻に戻る事から始まる。分校の生徒ひとりひとりに会い、謎がどんどん明らかにされていく。観客を引き寄せる事実と、大半が雪の中のシーンなのに木村さんの力か風景が美しい。特に利尻富士!それと全般に流れる子供たちの歌が心楽しくさせる。一人一人の演技も良くみんなチームだから、何があっても絶対信じあうという気持ちが伝わりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
未散

4.0凍て付く過去を溶かす唄

2012年11月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

かつての教え子が殺人を犯したという報せを受けた元教師の女。
それをきっかけに、離島の分校で起きた20年前の悲劇の真相が、
教師と生徒6人の視点を通して紐解かれてゆく……。
正確には違うが、いわゆる“羅生門”スタイルに近い語り口のミステリー。

まずは役者だけでも見応え十分。
吉永小百合は、40代を演じるのは流石にやや無理があると思うが(苦笑)、
暖かさと慈悲深さが滲み出る存在感が役にピタリとはまっている。
満島ひかり、宮崎あおい、松田龍平を始めとして、
単独でも主演を張れる若手実力派達もキッチリ良い演技。
子役も映画の雰囲気を崩さない演技だった。唄も抜群だしね。
あと、石橋蓮司や里見浩太朗といったベテランに混じって、
意外や福本清三が好演していたのが印象的。
(クリスマス会での表情、凄くステキだった)

厳格な自然風景も美しい。
荒々しい海と、穏やかに光射す海。こちらの芯まで冷え込むほどに吹き荒ぶ雪。
その中で、劇中の台詞そのままちっぽけに佇む人間たち。

深く深く降り積もった雪は、まるで主人公らの時間が
“あの事件”以来凍り付いたままである事を示すかのよう。
この物語の誰もが過去の自分を恥じ、雪に足を取られるかのように、
うまく身動きが取れないまま生きている。

その過去を溶かす、最後の暖かな唄声。
誰かが自分の事を心配してくれる。生きてて欲しいと言ってくれる。
それがどれだけの救いになるか。
人が前に進むには、人の優しさが必要なんよ。
打ちひしがれた者に、象牙の舟と銀の櫂を与える優しさが。

「俺は何を忘れてきたんだろうなあ」

忘れたくても忘れられない、謝りたくても謝れない、小さな頃の大きな後悔。
そんな記憶のひとつやふたつ、誰しも抱えているものじゃないかしら。
とうの昔に忘れた気でいたのに、時々ふっと顔を覗かせては心を苛む、そんな記憶。
これは、そんな後悔についての物語なのだと思う。

難点を言うなら、
随所の展開や設定がドラマチック過ぎて作り物っぽさが出てしまった点かな。
先生が来たその日に不倫相手の妻と口論になったり、
もうすぐ海外に発つ事になってたり。
一番違和感を感じたのは、仲村トオル演じる人物の設定。
突飛というか、この物語とは少し遊離してる気がした。
あと、森山未来の吃音の演技は少しやりすぎかな。

とはいえ、心暖まる秀作ミステリーです。
是非、劇場でご鑑賞を。

<2012/11/3鑑賞>

コメントする (0件)
共感した! 3件)
浮遊きびなご

3.5心がほっこりする映画

2012年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

湊かなえさんが好きなので観にいきました。

原作とはまた違った面白さがあり、これはこれで楽しめました。
特に重要人物となる森山未來の演技が良かったですね。

あんなに感情表現をうまく表せる俳優さんっていないと思います。

ラストは感動的で、涙が出ました。
少しストーリーが微妙かな?と思いましたが、ラストで払拭されました。

旧友との再会って、いいですね。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
牛 乳 し ほ り 。

4.5涙ポロポロ

2012年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

原作が湊かなえという点と、役者揃いなので見てみることに。
しんみりしたお話だけど、それぞれの人物の背景が徐々に分かっていき、最後まで見入った。
そして終わる頃には涙が止まらなくなっていた。
自分の琴線に触れまくりの映画で、久々の良作でした。
あまり事前情報を調べずに、各役者さんがどの子役の成長後かを知るのも楽しいと思う。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ただし

4.0終盤が良い。

2012年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

ある事がきっかけで、
クラスが強制終了してしまった先生と生徒。

20年間を要して人間として落ち着いた双方が再会。

”歌で結び付きを取り戻す”
感情ゆたかな終盤が良かった。

胸を打つ。

手堅い印象を抱くが、
支え合いの心強さが際立つ観賞後の余韻はあたたかい。

かつての先生と同級生に会いたくなる。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
AKIRA

5.0どんなに辛いときも、みんなで歌った「かなりあ」がきっと支えになるはずだと思えたのです。

2012年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 東映60周年に引っかけて、どうせ吉永小百合をよく見せるだけの企画だろうと、全く期待しないで試写会に参加しました。ところが、会場ではあちこちからすすり泣く声。吉永小百合の存在感を超越して、観客の誰もが原作の湊かなえが描き出す世界観にすっかりはまってしまい、深い感動を感じてしまったのです。今年一番の泣ける映画として特選しておきます。

 長い女優人生のなかでも、吉永小百合主演のサスペンスは珍しいと思います。本作は主人公の元教員川島はるが抱えていたこころの秘密を、まるでサスペンスドラマのように、現在と過去を行き来しながら、明かしていきます。
 舞台となるのは礼文島の岬の突端に立つ分校。目前にそびえる利尻島の利尻冨士を背景とした雄大な映像美は、それだけでこの物語をドラマアップしていました。はるが現役の教員だった頃の6人の生徒と触れあうシーンは、夏場の快活な風景に。そして、厳しい現実と立ち向かっていくことになる現在の映像は、厳寒期の荒涼とした雪景色に。この対比を見ていくと、これ一本が吉永小百合の女優人生を言い表しているような気がしました。

 夏場の過去のシーンは、『青い山脈』に代表される青春映画に主演したころの作品とイメージが重なり、ました。そして厳冬期に描かれる現在のシーンは、『夢千代日記』など、最近の人生の荒波を渡っていく彼女の主演作品を彷彿させてくれました。でも序盤は斜めに見てしまったのです。けれども、はるの教員時代と老境を迎えた現在の約20年もの段差を、違和感なく演じてしまう小百合の爽やかな変身ぶり!この人はまだまだ現役の大女優なんだ!熟々感心させられたのです。
  なので、世のサユリストの皆さまには、こころからお詫びしたいと思います。吉永小百合は、ミーハーに持ち上げられた存在だけでなく、その人気はしっかりした演技力とオーラに包まれていたことを、本作で再認識いたしました。

 物語は、東京の図書館を定年退職したはるのもとに、刑事が訪れるところから始まります。刑事は分校で6人の教え子のうちの1人・鈴木信人が殺人事件を起こし指名手配となったことを、はるに告げます。
 信人を信じたいはるは、確証を得るために北海道へと渡り、20年ぶりに教え子たちを訪ねて信人の身辺に起こった出来事を聞き出そうとします。その度ごとに、映像は20年前の出来事が再現されていくのでした。

 当初のはるの描かれ方は、20年前に教え子たちの身の上に降りかかった出来事の案内役のような役割であり、信人の冤罪が晴らされていく展開かなと思ったら、違っていきました。
 当時のことが明かされるごとに、次第に濃くなっていくのは、なぜはるが教師を辞めて、住民たちの白眼視に、追われるように島を立ち去ったかという謎です。
 それは、はるの夫が事故死ししたとき、何処かで別な男と密会していたのではないかという不倫疑惑でマックスに達します。

 さらに不思議なのは、教え子の誰もが、過去を振り返って、行夫が溺れ死んだ事故は、自分の責任だというのです。行夫の死は、はるだけでなく教え子のひとりひとりに、悔恨の傷跡を残していたのでした。けれども、教え子たちの証言が積み重なっていく中で、真相が見え始めて、それぞれの曇りは晴れていきます。
 教え子たちのその後の人生にも、波乱万丈で、ちゃんと毒や喪失感を埋め込んでいるところが、さすが湊かなえ原作だなと感じました。
 特に真奈美が親友の夫と不倫していることを告白するシーンは、衝撃的。そんな真奈美がはるの言葉に癒されてしまうのも、もしかしてはるが同類ゆえのものかと思えました。
 同窓生の20年ぶりの再会は、恋も生まれたりで多彩に。やがて6人の打ち明け話が進むことにより、はるが封印してきたこころの秘密が見え始めます。

 はるが疑われたのは、警察官だった阿部の存在。原作では郵送されてくる阿部からの手紙が一層ミステリアス役割を果たしているのでご一読を。
 ふたりが出会ったのは、自殺しようとした阿部をはるが思い留めさせたためでした。阿部は犯人を取り逃がしただけでなく、追い詰めた結果、犠牲者まで出てしまい深い責任感で、生きる気力を無くしていたのです。出会って以来、はるは阿部が死なないように、ずっと寄りそっていたのでした。そんなはるの何事にも献身的な性格が、阿部を支える感情が不倫なのか、人間愛なのか教え子たちの証言でもにわかにはっきりしません。
 結論は伏せます。ただはっきりしていることは、末期ガンに冒され余命幾ばくもない夫の行夫は、ふたりの親密さに気付いていたことです。そればかりか、自分の死後を阿部に託そうとまで考えていたのです。
 溺死する寸前に行夫が放ったラストメッセージには、グッときましたね。最愛の夫の最期にそばにいなかったはるにとって、教え子から聞き出した行夫の最後のメッセージには、ただただ泣き崩れるしかありませんでした。なんという行夫の抱擁力の大きさなんでしょう!

 ところで、原題は「二十年後の宿題」。何が宿題だったかというと、童謡「かなりあ」を課題曲として、授業でみんなで合唱することでした。教え子たちに歌の才能があることを気付いたはるは、赴任中ずっと教え子たちに合唱指導してきたのです。6人の歌声は素晴らしいハーモニーとなって、島の美しい風景とこだましあい、希望ある未来を描きだしていました。それは20年経っても変わらなかったのです。

 あいにく「かなりあ」の合唱は、はるが突然島を去ってしまったので、宿題のままで終わってしまいました。そのことを一番気にしていたのが、逃げていた信人でした。信人が捕まったとき、刑事の恩情で、思い出の分校に立寄ることになります。
 そこには、何とはると教え子たちが揃っていて、20年ぶりに宿題だった「かなりあ」をみんなで合唱するのです。感激して涙する信人には、思わずもらい泣きしてしまいました。
 ずっと信人は、カナリアは何を忘れたか気になっていたとはるに告げます。それは、希望なのよと、はるは答えます。夫の真意に気付いたはるにとっても、歌を忘れたカナリアの意味は感慨深いものがあったでしょう。
 それ以上に感動したのは、20年の歳月を超えて、歌でつながっている6人の教え子と恩師の絆の深さです。みんなこれからも様々な宿命を背負って生きていかなければならないでしょう。どんなに辛いときも、みんなで歌った「かなりあ」がきっと支えになるはずだと思えたのです。

 本作では、主演の吉永小百合の熱演だけでなく、脇役も味わいある演技を披露しています。妻に対する複雑な思いと末期ガン悲壮感を説得力ある演技で見せ付けた柴田恭兵が良かったです。そして出演場面は少ないものの、キイマンとなる阿部の今にも死にそうな悲壮感を仲村トオルがうまく表現していました。包容力に満ちたはるの父親堀田久を演じた里見浩太朗も良かったと思います。

 演出面では、教え子の20年後の配役と当時の子役の個性がちゃんと繋がっているところが素晴らしいです。
 そして、一番感動したのは、名カメラマン木村大作による圧倒的な映像美です。海面が照らされて、部分的に輝く、はると阿部の出会うシーンには、ハッとさせられました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
流山の小地蔵