BIUTIFUL ビューティフル

劇場公開日:

BIUTIFUL ビューティフル

解説

スペイン、バルセロナに暮らすウスバルは、2人の愛する子どもと情緒不安定でドラッグに頼る妻を養うため、麻薬取引や移民の不法労働の手配など、違法な仕事にも手を出してきた。そんなある日、自身が末期ガンにおかされていることを知ったウスバルは、家族にその事実を隠し通そうとするが……。「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。ハビエル・バルデムが第83回米アカデミー主演男優賞にノミネートされた人間ドラマ。

2010年製作/148分/PG12/スペイン・メキシコ合作
原題:Biutiful
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2011年6月25日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 アカデミー賞(2011年)

ノミネート

主演男優賞 ハビエル・バルデム
外国語映画賞  

第68回 ゴールデングローブ賞(2011年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第63回 カンヌ国際映画祭(2010年)

受賞

コンペティション部門
男優賞 ハビエル・バルデム

出品

コンペティション部門
出品作品 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
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(C)2009 MENAGE ATROZ S. de R.L. de C.V., MOD PRODUCCIONES, S.L. and IKIRU FILMS S.L

映画レビュー

3.0バルデムさん,渋い。

2023年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

もう少しはっきりとキャラ立ちさせてくれると観やすかったと思う。
ちょっとした能力があるのはわかったけど
だから今の彼がある、っていうふうにはつながりが見えずらかった。

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けはえ

4.5誰も言わないので言います

2021年8月25日
スマートフォンから投稿

悲しい

幸せ

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新今宮進

4.5【ハビエル・バルデム演じる霊媒師ウスバルの哀切な姿が忘れがたい作品。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が”21グラム””バベル”を経て、ステップアップした作品でもある。】

2019年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 スペイン・バルセロナが舞台である。
 が、今作では観光都市の側面は一切描かれない。

 厳しい日々を送る人々の姿が、暗いトーンで描かれる。

 主役は、妻と別れ幼い子供二人と暮らすウスバル。(ハビエル・バルデム)定職につけず、社会の底辺の生活を送る日々。
 だが、身体の不調を覚えた彼に告げられた非情な宣告。

 ウスバルは宣告を受け、薬物に走ってしまった妻マランブラ(マリセル・アルバレス:アルゼンチンの舞台女優さんで、今作が映画初出演。退廃的な雰囲気を身に纏う姿が魅力的であった。残念ながら、今作以降映画には出演していない・・)と残された時間の中でもう一度、家族の絆を取り戻そうとするが・・。
 ウスバルが出稼ぎの中国人たちのために、良かれと思って行った事が、悲劇を招いてしまう。

 劇中、明らかには描かれないが、ウスバルは彷徨える死者の魂と交信することができる霊媒師という設定が効いている。
 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督はその設定を前面に出さずに哀しき物語を描きだし、観客に”あるメッセージ”を発信する。

<厳しい状況の中で、残された時間の中で”生きる”という意味を見る側に鋭く問いかけてくる作品。決して楽しくはないが、見応えがあった作品である。>

<2011年9月8日 劇場にて鑑賞>

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共感した! 4件)
NOBU

5.0それでも、懸命に生きた男のたどり着くところ

2019年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

黒澤監督『生きる』にインスパイアされ、オマージュをささげた場面を挟む本作。
 『生きる』は、志村氏の鬼気迫る演技と、構成が見事で、唯一無二の作品になったが、
 本作は、プロローグとエピローグが特に秀逸であるものの、基本的にひたすら時系列で進んでいく。
 主演のバルデム氏は、様々な表情を見せる。慈愛に満ちた温かさ・愛おしさ。怒り。嘆き。後悔。懺悔。すがりつき、哀願し、彷徨い。~~、空ろな眼。賞受賞も納得。
 周りを囲む役者も見事。一人として替えがきかない。
 ”死体”としても演技させているよ。驚愕。
 これでもか、と次から次に起こる出来事に振り回され、その展開でも”生きる”ということを考えさせられる。これだけ盛り込んでいるのに、脚本がぶれない。
 時系列的に進んでいく物語の中で、さりげなく背景にこれから起こる予言のようなシーンが挟まれていく。
 決して、”美しい”とは言えない映像が、なぜか忘れられぬものになる。
 時折挟まれる音楽も、この映画を印象付ける。
 それらが見事に融合して、同じテーマを扱い、死にゆく男を描いているが、まったく別の、唯一無二の映画となった。

何をしても、努力しても、歯車がうまくかみ合わぬギシギシという音が聞こえてきそうな暮らし。
 やっていることは犯罪なのだが、必死に生きる術を行っているだけ。
 せめて、まともな生活ができる人に育てようと、子どもにマナーを、教育を身に着けさせようと心を配る姿が何度も描かれる。のに、娘に教えことができる綴りが「biutiful」なのが、胸をえぐる。
 福祉については正面切って描かれていないが、ああ、彼らにとっては何の手助けにもならぬのだろうという雰囲気がひしひしと伝わってくる。

そんな状況に身を置くウスバルの生き様をひたすら追っており、同時に社会の闇の部分もあぶりだす。

その中で際立つ”家族”という存在。
 血のつながりがあっても当てにならない家族。
 ”愛人”にかき回される家族。
 そして、血のつながり以外のところでの助け合い。けれど、それとて、なんともろいことよ。
 メンターは心の支えにはなるが、家賃は払ってくれない。
 信頼できる人に託せたとしても、親族がどう動くか。

「梟は死ぬとき毛玉を吐くという」映画の中で3回出てくる。
 死んだ息子の言葉を知りたがる父親。
 父から子へ。子から父へ。
 ラスト、ウスバルの表情がいつまでも心に残る。

傑作です。

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とみいじょん
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