劇場公開日 2011年5月14日

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「夜はぐっすり眠れること請け合い」ジュリエットからの手紙 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5夜はぐっすり眠れること請け合い

2011年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

この映画の取り柄は明るさだ。美味そうな食べ物に、たっぷり陽を浴びたヴェローナの街並み、クルマで訪れる村々の緑がいい。先日観た「キッズ・オールライト」に通じるものがある。
古い手紙が発見される経緯は安易だが、「ブラック・スワン」などの芸術性を求めた作品より、こうした夢のある明るい作品のほうが好きだ。観てよかったと思う。
ソフィの婚約者ヴィクターは仕事熱心というよりも食べ物に目がない。ある意味、好感が持てるのだが、やはりソフィとの相性がイマイチという雰囲気が出ている。手紙の主クレアが現れることによって、ソフィアの人生に変化が起きることを充分に予感させる。
クレアが初恋の相手を探す小旅行が楽しい。イタリアの爺さんたちの色気のある台詞にいちいち感心させられる。イタリアの男はスケベなんかじゃない。女性を放っておかないのだ。
クレア役のヴァネッサ・レッドグレイヴの生き生きとした目がいい。可愛ささえ漂う。このぐらいの年代の役者さんはさすがに上手い。おまけに久しぶりのフランコ・ネロまで登場して盛り上がる(実はこのふたり実生活でも夫婦)。
この作品、クレアの初恋の相手を探すロードムービーの形を装っておきながら、実はソフィの新たな門出を描いた安心して観られる恋愛ドラマなのである。ちょっぴり泣けてハッピーで、夜はぐっすり眠れること請け合い。

マスター@だんだん