劇場公開日 2011年9月17日

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「真剣な戦争映画は切なく熱い」世界侵略 ロサンゼルス決戦 gsacraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5真剣な戦争映画は切なく熱い

2011年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

興奮

最近ちょこちょこと作られるエイリアン侵略もの、予告ではLAが人類最後の砦らしいということで、アメリカ万歳のお馬鹿映画を期待して劇場に行きました。

これがよい意味で期待を外した快作。真面目な戦争映画でした。

戦争をテーマにした作品でも好きなものは何本もありますが(ナバロンの要塞、史上最大の作戦、最近ではTears of the Sunなど)、惹かれるポイントは、“生き死の極限状態の中、逃げる・あきらめるという決断もやむを得ないところで、大きな目的を達成するための選択を敢えて行う”人間の意思の力を再認識させてくれるところです。

本作は異星人の侵略ものですが、この肝の部分をきっちり描いてくれているのがまず好印象。

また、この手の作品によく出てくるトラブルメーカーがいないのもイライラせずに見られて心地よかったです。ひたすら自己中心で、「俺を助けろ!」とか喚き立てるキャラ、定番のように出てきますが、本作はこれがいない。

おかげで作品全体のシリアスさに全身どっぷりと浸かることが出来ました。

無常に散る命の切なさ、それを噛み締めつつ前に進もうとする強さにすっかり熱くさせられました。ドキュメンタリータッチのカメラワークもあり臨場感も充分。

お勧めですよ。

gsacra