パレード(2010)

劇場公開日:

パレード(2010)

解説

第15回山本周五郎賞を受賞した吉田修一の青春群像劇を、「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督が映画化。主演は藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、小出恵介、林遣都。都会の片隅でルームシェアをする、健康オタクの会社員・直輝、自称イラストレーターの未来、恋愛依存症の琴美、大学生の良介の4人のもとに、男娼をしている謎の少年・サトルが転がり込んでくる。時を同じくして、町では女性連続暴行事件が多発していた。

2010年製作/118分/G/日本
配給:ショウゲート
劇場公開日:2010年2月20日

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(C)2010映画「パレード」製作委員会

映画レビュー

3.5吉田修一vs朝井リョウ その1

2024年4月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「パレード」と「何者」は、なんか雰囲気が似てるな、と思ったのがそもそもの始まり。
どちらも原作を読んだことはないし、「パレード」を観たときは「何者」は未見だったわけで、完全にイメージの問題なのだが。
若者の空気感を「外から観察する」吉田修一と「内から暴く」朝井リョウ、どっちが心にヒットするのか?という純粋な好奇心が目覚め、両方観てからレビューを書こうと思い立った。

ファッションはTPOが大事、と言うけれどその究極形態が「パレード」の5人なんじゃないだろうか。
みんなあの部屋の中で、あの空間にフィットする自分を身にまとう。お気楽な大学生を、恋人を待ち続ける女を、酒乱の芸術家を、堅実な社会人を、根無し草の少年を。
そこに個人の葛藤や闇は許されない。

私は常日頃から、「みんなモブを求めているよな」と思う。生まれてから出会う全ての人を、イチイチ掘り下げていたら身が持たないからだ。
自分が主人公の世界で、繋がりの濃い人たちは「家族」「恋人」「親友」にカテゴライズされ、「親族」「同僚」「知人」になると重要度が下がり、「通りすがり」くらいになると個性は必要とされなくなる。
「通りすがり」レベルの人は無個性で喋らない「モブキャラ」でいてくれないと困るのだ。
だから、モブキャラが目立った行動をすると不愉快になるし、モブキャラに「ポテサラくらい作れ」と言われるとショックが大きい。
こんな事言うようなヤバい人、という「構え」をとる余裕も与えられず、いきなり理不尽な攻撃を受けるからだ。主役がモブに脅かされる、下克上が起こってしまうのである。

「パレード」の5人は親友ほどの友達でもなく、恋愛の対象でもなく、ましてや家族でもない。かといって通りすがりと言うには多くの日常を共有しすぎているし、依存している部分もある微妙な距離感だ。
その距離感を保つために必要なのが、「マルチバース」と直樹が表現する、多面的な人格の使い分け。
あの部屋でのキャラクターは不可侵であり、そこから逸脱することは「良い悪い」に関わらず「ご法度」なのである。

新参者のサトルが、部屋の面々をバカにしたような話を別の友達にするシーンがある。サトルはぬるい距離感で繋がる「仲間」を持たず、孤独だけれどタフに生きてきた。
そのサトルをもってしても「あの部屋はなんだか心地良い」と、独特のぬるくて真実味のない仮面の生活にからめとられていく様は、傍観者として「パレード」を観ている私には恐ろしいことに思えた。

その極めつけがエンディングのシーンに現れていると思う。この部屋を抜け出すきっかけは、皆それぞれ持っているハズだ。なのに、そのきっかけには乗らない。
延々と続くパレードから抜け出さないように、お互いを見張るような目線。
それを「怖い」と思う気持ちは、やっぱり5人のことをあからさまに「違う世界」の事象として見る、吉田修一の目線なのだろう。

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つとみ

3.5新宿の外れの匂いがします

2022年12月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

淡々と取り留めないストーリーが流れる作品と思って観ていたら…凄い爆弾が隠されていました。
とても雰囲気のある作品でした。面白かったです。

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tuna

4.0こ、怖かった…

2022年12月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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さな

2.0何故あらすじを覚えていなかったのか?

2022年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

見始めてすぐ、BGMを聞いて大昔機内で観たことを思い出した。通り魔事件の犯人も覚えている。しかし色んなこと(貫地谷しほりの恋の行方とか、隣人の職業とか、サトルのバックグラウンドとか)が気になって結局最後まで観てしまった。見終えて何故この映画が記憶に残っていないのかが分かった。感情移入出来る登場人物が1人もいないから、なのだろう。いる(面白いと思ったことはない)。主要の登場人物は全て気持ち悪いが、特に林遣都の気色悪さ派際立っている。

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Yohi
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