劇場公開日 2009年3月7日

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ジェネラル・ルージュの凱旋 : 映画評論・批評

2009年2月24日更新

2009年3月7日よりTOHOシネマズ有楽座ほかにてロードショー

社会問題化している救急医療問題を反映しつつ、肩のこらない作品に

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血を見るのが苦手な心療内科医・田口公子は、ほんわかしたマイペース派。口の悪い厚生労働省の役人・白鳥圭輔は、上から目線のシニカルな毒舌家。性格も考え方も行動も対極にいるようなふたりが、東城大学付属病院内のねじれた人間関係を読みとき、事件を解決していく医療サスペンスだ。「チーム・バチスタの栄光」に続き、今回の田口×白鳥チームは、“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”と呼ばれる救命救急センター長・速水晃一の収賄疑惑と、院内でおきた医療メーカー支店長自殺の真相を追求していく。

中村義洋監督は手堅い演出とバランス感覚で、日本でも社会問題化している救急医療問題を反映しつつ、肩のこらない作品に仕上げている。骨折して子供病棟に入院した白鳥が元気な子供たちに翻弄されるなど、演じる阿部寛のキャラクターを生かした笑いの要素が大きくなった。意表をつく展開でおもしろいキャラクターが速水で、指揮をとる救急シーンや手術シーンはなかなかリアル。ドクターヘリ導入など救急医療について持論を展開するシーンは、シリーズの原作者で現役医師でもある海堂尊らしいところ。演じる堺雅人は旬の俳優の勢いでこの話題作を自分のものにしてしまった。田口役の竹内結子と阿部寛の主演コンビもこなれてきた感じで、前作よりもずっと呼吸が合っている。

おかむら良

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