劇場公開日 2009年4月4日

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「七光り不要のリヴ」ストレンジャーズ 戦慄の訪問者 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0七光り不要のリヴ

2020年7月11日
PCから投稿

むかしエアロスミスのクレイジーのプロモーションビデオがヘビーに放映されていて、なんども見た。
アリシアシルバーストーンとリヴタイラーが出てくる。
女ふたりが逃避行する──みたいな、みじかいロードムービーになっている。

学校を抜け出す。コンパーチブルで郊外へドライブ。たいがいな店員がいるgroceryで盗みをはたらく。そのお礼にボックスでスラッティな写真を撮る。ストリッパーをやる。男の子を拾う。トラクターが畑にCrazyの地上字を書く。

アリシアシルバーストーンもリヴタイラーも、勢いの盛りだった。
若い女と、その気まぐれと、たぶんにスティーヴン親父の趣味が絵にあらわれていたと思う。

アリシアシルバーストーンはクルーレスで知名度をあげた。アイドル人気もあった。いたずらっぽい猫顔は、日本でも人気が高かったと思う。

リヴタイラーはアルマゲドンでの認知度が高い──のではなかろうか。日本で超異常ヒットしたが未見だった。
──かつての厨二な視聴動向が、そのままになっていて、いつか見ようとは思っている。厨二とは、古い日本語でいう「あまのじゃく」のことだ。

長らく見かけなかったシルバーストーンをヨルゴスランティモスの鹿殺しで見た。
クレジットを確認していなかったので、とてもびっくりした。
なんでランティモスにアリシアシルバーストーンが・・・。
変わらない顔立ち。たっぷりした体つき。いきなりコリンファレルの指をなめる。
いい。

一方リヴタイラーといえば、個人的にはこの映画である。
underrated。しばしば過小評価のホラー映画としてこの映画が紹介されている。

Keddie murdersという、アメリカを震撼させた現実の事件がある。
その有り様は、多くのホラー/スリラー/サスペンス映画で使われた。

平和なベットタウン。
平均的な一家。
夜唐突にやってくる。
お面を被っている。
目的がわからない。
殺戮をはじめる。

近年ではジョーダンピール監督のアスにもKeddie murdersの空気感がある。
かんがみれば、相当数のホラーが、部分にせよこの方法を用いている。
そのKeddie murdersを、再現した映画だった。

じゅうぶんに怖いし、underratedと言われたら、そうかもしれない──とは思うが、パスカルロジェとか対比してしまうと、もっといけそうな感じはあった。純粋な怖さとなると欧州人にはかなわない。
監督はZoe Kazan主演でThe Monster (2016)というのを撮っている。アイデアを凝らしているが画が暗くて材料が生きてこなかった。

2020年の現在、シルバーストーンとタイラーは42(または3)の同年齢となっていた。とうぜんmilfであって今クレイジーをやってくれたほうが個人的にはくる。

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津次郎