劇場公開日 2010年7月10日

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「誰もが楽しめる最高の映画。「おもちゃの宿命」に向き合う」トイ・ストーリー3 おばけやさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰もが楽しめる最高の映画。「おもちゃの宿命」に向き合う

2019年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

幸せ

人生ベスト10に入る映画。

映画のもつメッセージ性、ひとつひとつのシーンの繋がれた方と興味の持続、個々のおもちゃたちの魅力的な動き、子どもたちの怪獣的描写、そしておもちゃを大切に扱うこども描き方...

どこをとっても大きなスキはなく、非常に魅力的な映画だった。

ラストのクライマックスのシーンでの、おもちゃたちの表情は、
人間の本気の演技よりも胸を打つものがあった。

「おもちゃの宿命」というテーマを、真正面から描き、ダークな部分もしっかりと見せつつ、
誰もが望む、明るく暖かいところに着地するという完ぺきな脚本。

子どもだまし感や欺瞞感も一切なし。見ている方も「あぁ、そうだよね~~~。それしか、無いよね。」というケリのつけ方。

おもちゃたちの目線で、おもちゃたちの人生や宿命をかなりリアルに描いているはずなのに
人間が見てもとっても琴線に触れるというか、含蓄あるテーマになっているのが不思議。

普通、擬人化ものであっても、その作品の面白さというのは、結局のところ、「バトルの面白さ」だったり「家族のすばらしさ」だったりして、その擬人化前の対象のアイデンティティが、しっかりと生き続けていることは少ない。

トイストーリー3のすごさは、まさに「おもちゃの物語」になっているところ。おもちゃのたどる宿命を真正面から描きつつも、
なぜか人間側の心も動かす、そんな強く説得力のあるメッセージを持っているところだろう。

「成長」と「別れ」は必ず起こりうるもの。だからこそ、今の生活やモノを大切にしたい、そう自然と思える映画。

おばけや