スター・トレック : インタビュー

J・J・エイブラムスに大抜擢され、見事大役を果たしたクリス・パイン＆ゾーイ・サルダナ。USSエンタープライズ、そしてハリウッドの未来を背負う若手スター2人が本作への出演が決まったときの思い出や、撮影時の苦労などを振り返ってくれた。（取材・文：編集部）

クリス・パイン＆ゾーイ・サルダナ　インタビュー
「これが僕が生活のためにしてることなのかって思ったよ（笑）」（パイン）
「実際にこの役を演じるとわかったら恐怖感がこみ上げてきたわね」（サルダナ）

──この新しい「スター・トレック」にキャスティングされる前から、「スター・トレック」シリーズは見てましたか？

パイン（以下P）「僕は小さい時から見てるよ。祖母がウィリアム・シャトナーのファンで、地元の局が放送していた「スター・トレック」を見てたのを覚えてるよ。でも、大ファンってわけじゃなかったな」

サルダナ（以下S）「母と祖母が『スター・トレック』のファンだったので知ってはいました。私からすると『スター・トレック』は、もう少し上の世代の番組だと思っていて、どちらかと言うと私は『スター・ウォーズ』世代なの。でも、5年くらい前に見てから『スター・トレック』のファンになったのよ」

──キャスティングされたときの周りの反応は？

P「毎回仕事が決まると家族は喜んでくれるけど、今回はすごく興奮してたね。僕も飛び跳ねて喜んで、友達みんなに電話をして、無駄使いをしてしまったんだけど、その後に実感が湧いてきて怖くなったよ」

S「私もクリスと同じような感じだったわね。ウフーラは絶対演じたい役だったから決まって嬉しかったんだけど、いざ自分のところにその役がやってくると、恐怖感がこみ上げてきたわね。私の母親は、小さめの衣装を着ていながらも威厳あるキャラクターを保っているウフーラにずっと魅了されていたので、今回私がウフーラを演じることになって特に喜んでくれたわ」

──監督からはどんなアドバイスがありましたか？

P「とにかくJ・Jからは『僕たちの仕事は、オリジナルを尊重しながら、まったく新しい『スター・トレック』を創造することだ』と言われていた。僕らは、彼からリ・イマジネーションとして『スター・トレック』に新しい息吹を吹き込む任務を与えられたんだ」

──USSエンタープライズのブリッジなどセットでの撮影はいかがでしたか？

P「この作品ほどの規模になると、世界の最高峰のスタッフが揃っているんだ。衣装デザインからプロデザインもすごい人たちばかりが集まって世界を作り上げていて、60年代のレトロフューチャーだったものを、すごく新しくて革新的なセットにしている。

特にブリッジは天井から何から何まで本当に見事で、セットにある手すりのパイプ1つにも、USSエンタープライズって文字が彫ってあるほどディテールがすごくてね。ブリッジのゾーイの持ち場に行くと、色々な装置が動くようになっているんだけど、そこまで良くできてるのに、動かしすぎるとレバーが取れちゃうこともあって、こっそり戻したりしてね。長い一日の撮影のなかで、変な髪形の耳が尖った人たちといると、ちょっとしたことでも可笑しかったよ」

──パインさんは、グリーンスクリーンを使った撮影は初めてだったかと思いますが、モンスターと対峙するシーンで、グリーンスクリーンを使った撮影はいかがでしたか？

P「いや、実際にそこにモンスターがいたんだよ（笑）。実際はロサンゼルスのセットで撮影をしたんだけど、気温が30度以上の暑い中でウールのコートとブーツを着て、大汗をかきながら、そりゃ大変だったんだ」

S「デビッド・ボウイみたいな格好でね」

P「そこでJ・Jが『そこで、モンスター！』『爪が迫ってくる！』『怖がって！』『もっと怖がって！』『もっと息を荒く！』って指示をくれながら、演技をしたんだ。その時に、これが僕が生活のためにしてることなのかって思ったよ（笑）。何日もやっていると、ちょっと滑稽に思うこともあるけれど、頭を使うことじゃなかった。子供ころの初めて怖い思いしたときを思い出しながら演じたけど、なんだか不思議な感覚だったな」