ノーカントリーのレビュー・感想・評価
全144件中、141~144件目を表示
アカデミー賞的作品。最後はスッキリしません。
2008年アカデミー賞主要4部門(作品賞、監督賞、助演男優賞(ハビエル・バルデム)、脚色賞)受賞作。ネタバレ注意。
摩訶不思議な、難解な作品。いきなり最初に、ハビエル・バルデム演じるアントン・シガーが、トミー・リー・ジョーンズ演じるエド・トム・ベル保安官に逮捕されるシーンがありますが、何故に逮捕されたのが不明。余りにも唐突なので、いきなり結末が出てきて、そこから過去の回想シーンにでもなるのかと思ったけど、そうでもありません。
最後は、トミー・リー・ジョーンズが出てくるシーンで終わるんですが、何とも唐突なカットアウトされた感じです。話が解決されないので、物凄く、すっきりしない感じがするのは私だけではないはず。でも、こう言う難解な感じの作品って、結構アカデミー賞を取ったりするんだよねぇ。
ハビエル・バルデムの、あの特徴的髪型に注目。ある意味、”オタク”風の髪型です。撮影中は、あの一種独特の髪型を続けていたので、それが一番辛かったとインタビューで語っていました。
はっきりとは語られていませんが、物語の時代は現代ではなく、20年ほど前の1980年代だったりしています。その物語の冒頭、「最近の犯罪は、判らない」とベル保安官は語っているシーンがあります。いま、全く理解不能な犯罪が繰り返されていますが、その頃で既に、犯罪は理解不能な段階に達していたんですね。
物語は、物凄くゆったりしたリズムで進みます。その割には、結構あっさりと人が死んだりします。また、アントン・シガーの不気味さもあり、スッキリする映画ではありません。物凄く、物語に富んでいるわけでもありません。本当に”観賞用”の映画と言う感じです。
血と砂
冷静に,冷酷に,執拗に獲物を追う殺し屋アントン・シガー,
ハンター魂を発揮して追跡をかわす男ルウェリン・モス,
悪徳警官じゃない事が救いの保安官エド・トム・ベル。
鬼気迫る演技を見せたハビエル・バルデムだけを突出させずに,
三人の男が揃って記憶に残る脚本が素晴らしい!
音楽で感情を煽らない全編が息詰る緊張に満ちて,
先が読めない展開,
編集で飾り立てないシンプルな構成と,
見せ過ぎない抜群の演出力で画面に引き込ませ,
エンドクレジットが始まると,
すぐに再鑑賞したくなりました。
サスペンスとしてはもちろん,
西部劇,
ハードボイルドとして観ても見応え。
秀作
思ったよりコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」の原作に近い。それでもシガーを映像化するとやはり目立ってしまう。それに伴いベルの印象が薄まって、基本的には原作と同じ終わり方がやや唐突に感じられてしまうかもしれない。モスの悪あがきぶりはいい。映画として面白いのはシガーとモスはもちろんのこと、シガーとベル、ベルとモスを同じ画面に入れる場面があるところ。痛い場面を淡々と描くのもいい。
獲っちゃいましたか…。
いやあ、獲っちゃいましたか“第80回アカデミー賞最優秀作品賞”。重い、暗い、救いが無い…。アメリカは確実に病んでますな~。
吾輩は、この映画の監督であるコーエン兄弟(ジョエル&イーサン)の作品、そんなに好きではありません。しかも『はあ?何じゃそりゃあ~?ええ?それって結局どういうことやねん??』と言うのが、この映画を観終った後の第一声でしたので、“オスカー最有力!”って声を聞いても、『はあ?何でコレが…』てのが、正直な感想でございました。とにかく映画全体が観ていて重い!救いが無いくらいに重い!観終った後に『良かった』とか『凄い』って言う風に思えない(むしろ圧倒的に“不快感”が残ってました)し、ストーリーもラスト結局のところは何でああなるのか?あのシーンにはどういう意味があるのか?ってのが残ったまま(少なくとも吾輩はそう感じました)終わってしまうので、非常に消化不良でございました。然るにこの映画がオスカーを獲ってしまうだなんて…、『アカデミー賞は、映画界の良心』だと思っている吾輩にとっては、死体や殺人シーンがゴロゴロ出てくるこの映画が、オスカーを獲ってしまうなんぞ、理解し難いことでございました。
ただ、この映画がオスカーを受賞したということは『アメリカは、相当病んでいる』ということの証明に他ならないと思います。映画の冒頭、トミー・リー・ジョーンズ演じる古き良き時代を知るベル保安官のモノローグで『今の時代の犯罪は理解できない…』と語られるのですが、この映画の時代背景は1980年代なのです。この時代でさえ“病んでいた”アメリカは、それから20年近くが経過した現在、間違いなくそれ以上、深刻に“病んで”しまっています。この映画を通して、コーエン兄弟はそう言ったことを訴えたかったのだろうと思いますし、それをアメリカという国が受け入れた。その結果が、今回のオスカー受賞に繋がったんじゃないでしょうか?
ところで、“助演男優賞”を受賞したハビエル・バルデムですが、いやあ恐かったですね~おかっぱ頭の殺し屋!想像してみて下さいバナナマンの日村が、酸素ボンベ持って無言で人を殺していく姿を…。ね?強烈なインパクトでしょ?今晩、夢に出てきそうだ…(^^;。
あ!間違っても初めてのデートに、この映画は選ばないで下さいね!
全144件中、141~144件目を表示