ノーカントリーのレビュー・感想・評価
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死は突然にやってくる…。
北野武作品を彷彿とさせました。
静寂のなかから、突発的な死が訪れる。暴力的表現がより一層強調される。
殺し屋シガーを演じるハビエルバルデムは本当に死神のようだ。一方、なんとかして生き延びようとする、血気盛んなルウェリンモス。この二人の静と動の対比が、死の恐怖を引き立たせている。
「死」は日常に溢れていて、いつどこで訪れてくるのかわからない。それがただただひたすら怖い。
すごい緊張感
「こんなに面白かったとは!」、それが一番の感想です
とにかく緊張感がすごい!
ハビエル・バルデム演じるシガーに追われるのはターミネーターに追われるのも同じでした
ジョシュ・ブローリンには、あんなヤバいやつに追われてるのだからサッサとお金を諦めたら良いのにとしか思えませんでした
髪型だけでも普通じゃないとわかるハビエル・バルデムの目、あれがホントこわかったです
登場のシーン、なかなか忘れられそうにありません
トミー・リー・ジョーンズがしっかり締めくくってくれると思ってたらあのラスト、でもあんなラストが余韻を続かせてくれて良かったと思います
やられた
開始から即、殺人鬼シガーのヤバさが見事に描写されていて、インパクト大。対する主人公(だと思っていた)も元軍人のやり手でお互い一歩も引かない逃走劇に終始緊張感が走る。劇中ほぼBGMがなく、淡々と行動が描かれてるので追い詰められそうになるシーンは、特に静かで緊迫感と恐怖感で吐きそうになるほど。
淡々としている割にその他の登場人物もキャラが立っていて飽きない。クスっとなるシーンもある。
そして劇後半からはまさかの展開になり、やられた!となった。
シガーの追跡捜査(発信機バレ以降)の具体的な方法や最後の事故シーンの意味、通りすがりの少年から上着を買うシーンを対比させた意図など不明点もある。
また、物語も特に解決した様子もなく、スパッと終わってしまう。だがしかし、消化不良は感じず、なぜか余韻に浸れる。非常に魅力的な雰囲気のある映画だった。
解説や他の人のレビューを見て理解を深めたい。
ハードル上げたせい
アカデミー作品賞他多数受賞とあり、結構期待してしまった。
ハードル上げたせいか、最後まで観て、うーむ、と。
や、決してつまらなかったわけではない。
むしろ引き込まれ、あっという間の2時間。
でも…酸素ボンベを持ってるのに移動が速い(笑)シガーの残虐性に唖然としてしまった。
その年によって違うのかもしれないけど、爽やかな気持ちになれなくても、せめてシガーを追い詰めてスカッとする作品がよかったな、と。
なかなか日本人には理解し難い作品なのかも。
大変マニアックな映画
映画通にはぜひ見てもらいたい映画だが一般的な映画ファンにも是非。難解ではあるが大変見やすい映画となっている。一見矛盾しているが見て頂けたら分かるし見る価値はある。イエーツの詩の一編が物語のヒントのようだが、イエーツを含めヴィトゲンシュタイン、プルーストがベースに有るときは理解するのに時間が掛かってしまう。キャスティングの序列がヒントであろう。
子供の頃は理解できなかったなぁ
保安官が「最近の犯罪は理解できない」的なことを言っていたが、昔も同じような犯罪はあった。
変わったのは自分。思わず笑ってしまうようなこともなくなり、ついていけなくなったから引退したんだと思う。
それにしてもシガーはわけわからんほどの異常者だけども
理不尽と不条理の国
超バイオレントなお伽話みたい。または血まみれの落語のような。
なんだかよくわかないけど、なんだか引き込まれる。
血と暴力の映画なのに、トーンは乾いててライト。
腑には落ちないけど、世間の理不尽さを象徴してるようなハビエル・バルデムの謎の男には妙に説得力があり、あの顔で持ってるようなとこがある。
つまり、一種のアイドル映画のような…(ごくり)。
サイコパス映画の金字塔。
まさにサイコパス好きの為の映画です。
最後まで飽きることなくスリルを楽しむことができます。
これまでに自分が勝手に持っていた映画ってこうあるべきだよね、という価値観を壊してくれる映画です。
そして全員演技上手すぎる。日本の役者には出来ない演技です。
あっさり淡々とコーヒー片手に静寂を楽しむ傑作
最後の場面にあやかって、コーヒー片手にゆっくり見る作品だなと思いました。あまりにも登場人物の起承転結があっさりとしていたり、淡々と田舎である舞台と登場人物が映し出されるシーン、そして何より全体通してあまり盛り上がりに欠けるなどから苦手な人は苦手な映画だなと思いました。個人的にこういう静かな映画が好きなので結構楽しめました。まだ学生の自分には早かったかもしれないけど、色々考えさせられました。人生を見つめ直すにはまだまだなんですけどね(笑)。コーエン兄弟ですが、コメディ色の強い映画監督のイメージがありましたが、ガラッと印象が変わりました。コーエン兄弟なんでも行けますね。最近だとノマドランドに近い感じですが、ノーカントリーの方が僕は全然面白かったです。タイトルもグッときますね。余談ですが、当時オスカーを2分してたポール・トーマス・アンダーソンのゼア・ウィル・ビー・ブラッドと言い、本作と言い、結構暗めで渋く、静かなのに暴力的な映画が多かったのもちょっと面白いです。確かにノーカントリーが作品賞、監督賞の受賞で納得かなっていう印象でした。
ほとんどすべての人に過酷な国
アメリカは、ひろい。ほんとに、何もかも大きくて、このあたりの風景は荒涼としてこの距離感スケールにめまいがする。おかしなボンベ付きの武器を手に全く自分の思考回路外のことは意に介さないシガー、なぜこのような男が雇われ仕事をしていたのかも不思議。
一人一人のキャラがよく設定されていて面白いし、何はなくとも古き良きアメリカみたいなものがある世代までは共有されててベトナム戦争ぐらいまでは繋がりがあったといえるのか。ベトナム戦争の経験を共有できる人らは、その後の人生の明暗などを人心として感じることができそこに関わりが生まれる(国境を突破できたり)しベトナム戦争以降の戦争体験は負の遺産として兵士たちの人生にのしかかる。
最後の、シガーが怪我をして少年からシャツを買い口止め料を渡し何事もなかったように立ち去るシーン、少年はシャツはタダで良いと真っ当にするも100ドル?対価としては大きな
紙幣をうけとり買収成立。年老いた老人に厳しくようしゃない国、丁寧な言葉を話さなくなった今の国で10歳そこそこの子どもも人心も善意もなく育っていき、シガーは野放しだ。年寄り、現役ではないもの、ただ単に歳を取ったものや、傷を負い犯罪や戦争や悪意の犠牲になり役に立たないものにとってばかりではなく、No country for everyoneだなと思い、そして今2020年代、もはや、no world for everyone じゃない?
スクリーンで見たかったけど配信で拝見しました。音楽での抒情なし、効果音がとても神経に触る、ドキドキ感や絶望感を与えてくれた。
原題
コーエン兄弟の傑作サスペンス。ハンティング中に麻薬取引に出くわした男。死体横たわる現場で200万$ゲットするが、ヤッベェおかっぱ悪党とBOSSのおじさんに追われて、さぁ大変というお話。しれっと終わってしまい、あれっ!なんか終わってしまったぞ。と、思って何度もリピート。それでもわからんので、考察を読んでみたら、原題『No Country for Old man』に隠された意味が。やっと腑に落ちた。
こんな殺伐とした国なんて・・・やっぱり地球人は理解できない。
「私は宇宙人ジョーンズ。シェリフをしながらこの惑星を調査している」と、最近のトミー・リー・ジョーンズでは見せなかった宇宙人らしさが出ていた。もっとも、宇宙人とバレちゃいけないのでこんなセリフはないのですが、危険に晒されているモス(ジョシュ・ブローリン)の妻カーラ(ケリー・マクドナルド)に対してわけのわからない牛話をするなんてのは宇宙人そのものだ。
最近、今更集めてもコンプリートできるわけじゃないのに、ミニカーがオマケについてる缶コーヒーのB○SSを飲むようになったのですが、甘くて死にそうです。まぁ、1週間前に淹れたコーヒーよりはマシですが・・・などと考えているうちに、コーヒーやミルクを飲むシーンはあっても酒を飲むシーンがなかったので、本当はノーカントリーじゃなくてノーサントリーにしたかったのじゃないか?と疑念がよぎってしまう。終盤は「肩に弾が当たった」という台詞が象徴するように肩透かしを喰らったように感じる方も多いと想像できるし、慌ててカンヌに間に合わせたかったんじゃないかと思わせるほどの展開。でも、ノーエントリーのままじゃいけないし・・・
老人には住みにくい国だという原題の意味。時代はいつの頃なのか?と映画に集中していると、「1958年製造のコインが22年旅をして・・・」と算数の計算をさせられる。老人には暗算は厳しいんじゃよ!!と、嘆きつつも、酸素ボンベを持ったハビエル・バルデムの冷酷な殺し屋ぶりに神経がピリピリさせられる。家に押し入る時には容赦ナシ!シリンダーごと圧縮空気でぶっ飛ばすのだ。「何しりんだー?!」などと叫ぶ暇もなく被害者はどんどん増えてゆく・・・
恐怖と緊張感の連続がありながらも、コーエン作品らしく意味のない台詞にクスリと笑わせられる。また、妙なこだわり・・・新しい白のソックスが好きなモスや靴下を叩きつけるように脱ぐシガー。パイプが多いテントを買って武器にするんじゃないかと思わせて、鞄を引っ張るためだけだったり。人の服を買うところは対になっていたけど、とにかく登場人物の行動が興味深いのです。そして、洒落た音楽は一切排除して、効果音にも異常なこだわりがあったように思える(たとえば、冷蔵庫を開けて、ジーっと電気音がするとか)。
とにかく殺しがいっぱい。シガーは精神異常というよりも、人の命の重さだけがわかっていないのでしょう。それは自分に対してもそうであり、受けた傷が大きくても、ターミネーターのように自分で治療してしまうくらいなのです。一方、偶然200万ドルという大金を手にしたモスには、水を飲ませてやるという仏心によって不幸が始まった。米国が戦争の道を突き進んだために凶悪犯が増えた必然に比して、ちょっとした善の心によって凄惨な殺し合いに巻き込まれるという、なんとも皮肉な描き方!小市民な者としてはモスの気持ちが十分に伝わってきましたけど・・・やっぱり終盤が・・・
【2008年5月映画館にて】
命の無駄遣い
命の無駄遣い、それは
ギャングも戦争も一緒か?
サイコパスが次々と非情に人を殺していく様は
悪魔の所業としか…
なにせ気持ち悪くて怖かった
BOSSのおじさんがいたからまだ画面、時々救われたけど
気の休まらない娯楽映画どしたわ、、、
平和な日本で生まれ育つと
麻薬にも銃にも退役軍人にもギャングにも馴染みがないので
やはり洋画の世界観、憧れないけどねぇ
終わってから気が付いたんだけど
あれほど恐ろしい不気味なサイコパスは
それでも恋するバルセロナのあの色男と同一人物
なのね…………ショックだわ、、、
犯罪と人間の本質についての一考察
観たの忘れて何度か目の鑑賞
背骨の苦痛を我慢しながら、犯罪心理学の本をたまたま読んでいた。
デフォルメされた犯人像だけど、殺人犯の特徴を見事に再現している。
最初は気付かないが、犯人が被害者を支配しようとする、例外なく、そんなところが手に取るようにわかる。
そして、破天荒のようで、計画的で緻密な行動。
実はわからないようで、わかる犯人像、近場で考えたら豪雨の中でサンダルで徘徊する奴ですよ。
被害者も、どちらかと言えば、訳あり、巻き添え食う人も無防備です、他山の石としなくては。
何度か目だと、セリフの妙味や間合いの素晴らしさが群を抜く。
展開も全て知るのに最後まで目が離せない。
多分犯人は、じわじわと天罰を受けながら死んでいくのだ‼️
でないと、もし、神様がいるなら、神様を赦してやらないから。
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