ユートピア(2003)

劇場公開日:

解説

予知能力という悪夢に苛まれる男の過酷な運命を描いたサイコサスペンス。監督は「イフ・オンリー」の女流監督マリア・リポル。主演は「10億分の1の男」「carmen.カルメン」のレオナルド・スバラグリア。

2003年製作/101分/スペイン・フランス合作
原題:Utopia
配給:ワイズポリシー=アーティストフィルム
劇場公開日:2004年10月30日

ストーリー

マドリッドに暮らす青年アドリアン(レオナルド・スバラグリア)は、悪夢に苛まれていた。予知能力が生み出す凄惨な映像が現れては、彼につきまとって離れないのだった。たまりかねたアドリアンは、父親代わりのサムエル(エクトル・アルテリオ)のアドヴァイスに従って、警察に出向く。そして、夢で見た爆破予告を告げるが、フランス人刑事のエルヴェ(チェッキー・カリョ)は、アドリアンの話をまともに聞こうとはしない。そんなとき、エルヴェのデスクに飾られた一枚の写真を目にしたアドリアンの表情が一変する。夢で見た、爆破に巻き込まれて命を落とす母子は、なんとエルヴェの妻子だった。ちょうど、オフィスの窓から眼下に広がる駐車場を眺めているエルヴェに向かって、彼の妻子が手を振ったとき、一台の車が爆破する…。それから6年後、あらゆる人との出会いを避けるように生きてきたアドリアンの前に、かつての仲間であるホルヘ(フェレ・マルティネス)が現れ、サムエルが心臓発作で倒れたことを告げる。いまだに悪夢に苦悩するアドリアンは、意を決してサムエルの住むサラマンカに向かう。かつて孤児だったアドリアンは、予知が原因で世間に馴染めずにいたが、少年時代にサムエルによって予知能力のある人々が集まるグループ≪ユートピア≫に迎え入れられ、その能力を伸ばしていた。けれど、大勢の人間が死んでいくのを、ただ見つめるだけしかできない自分の無力感に絶望しているアドリアンに、久しぶりに再会したサムエルはこう諭すのだった。「お前の予知能力を悪夢に変えてはいかん」。アドリアンは予知夢で見た、南米で死にゆく子供を抱いたひとりの女性の姿を、脳裏から消すことができなかった。サムエルは、その女性アンヘラを探し出せと言う。スペインのブルジョワのひとり娘アンヘラ(ナイワ・ニムリ)は、南米でボランティア活動をしていた際に拉致され、現在は、ボリビア国境で暗躍するカルト的ゲリラ集団≪ジャガー≫の一員として、彼らと行動をともにしていたのだった。その頃、6年前の爆破事件によって視力を失ったエルヴェは、アンヘラの実母から娘を救出するよう、依頼を受けていた。エルヴェは今、パートナーのユリエ(エマ・ビララサウ)とともに、拉致被害者の奪還と、彼らのマインドコントロールを解く仕事をしていたのだった。やがてアドリアンは、アンヘラがゲリラ集団とともに、資金稼ぎの麻薬密売のためスペインに戻ってきたことを知る。

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