ポロック 2人だけのアトリエ

劇場公開日:

解説

実在した天才画家ジャクソン・ポロックの半生と、彼を支え続けた女性リー・クラズナーを描く伝記映画。監督・製作・主演は「めぐりあう時間たち」などの俳優、エド・ハリス。これが監督デビューとなる。テーマ曲はトム・ウェイツ。共演は「ガウディアフタヌーン」のマーシャ・ゲイ・ハーデン、「イヴの秘かな憂欝」のエイミー・マディガン、「ハルク」のジェニファー・コネリー、「ハードキャッシュ」のヴァル・キルマーほか。2001年アカデミー賞助演女優賞、ニューヨーク批評家協会賞助演女優賞、トロント批評家協会賞主演男優賞受賞。

2000年製作/123分/アメリカ
原題:Pollock
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:2003年11月1日

ストーリー

1941年、29歳のポロック(エド・ハリス)のもとに、同じ展覧会に出品している女性画家リー・クラズナー(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が突然訪れ、二人はやがて結ばれる。業界につながりの多いリーは、ポロックをデ・クーニング(ヴァル・キルマー)らの前衛的なグループに紹介。そして富豪の娘である画商、ペギー・グッゲンハイム(エイミー・マディガン)がポロックと契約し、彼の名は注目され始める。45年の秋、ポロックとリーは正式に結婚。ロングアイランドの農家に引っ越し、自然に囲まれた静かな生活を始める。だが次第に経済的な問題が拡大。そんな47年、ポロックはドリップ・ペインティングという独自の手法を編み出し、瞬く間にアート界のスターになった。だがやがてスランプに陥り、アルコールに溺れ、筆を取ることも稀になる。ついには若いファッションモデル、ルース・クリグマン(ジェニファー・コネリー)と愛人関係を結び、リーはヴェネチアへと旅立っていく。そして56年8月11日、ポロックはルースと彼女の友人を乗せて飲酒運転。大事故で即死するのだった。

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映画レビュー

3.0エド・ハリスが演じる破滅型画家ポロックの衝撃的な半生

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「アポロ13」の好演が記憶に残るエド・ハリスが制作・監督・主演した、アメリカ近代美術の抽象画を代表するジャクソン・ポロックの破滅型芸術家映画。硬質な映像がエド・ハリス監督の真面目な性格を反映させているが、創作に困憊し精神的に追い込まれる画家ポロックの内面の深さは余り感じない。監督と演技の両方を兼ねる負担が大きかったのではないだろうか。主演に専念したらもっといい演技が出来たと思われる。それでもアクション・ペインティングと呼ばれる独特な画法の創作過程は丁寧に表現されていて、ポロックの複雑な抽象表現主義絵画は見事に再現されている。演技の点では女優陣が素晴らしい。妻クラズナーのマーシャ・ゲイ・ハーデン、ポロックの才能を最初に認める画廊の主人グッケンハイムのエイミー・マディガン、そして愛人クリグマンのジェニファー・コネリーと充実している。特に前者二人が傑出していて、ハーデンはアカデミー助演女優賞に輝き、マディガンも「フィールド・オブ・ドリームス」の好演に劣らない良い演技を見せてくれる。脚本は過去と現在進行を絡ませているが、その意図が理解できなかった。ラストは、成功からスランプ、そしてアルコール依存症に浮気と、自滅していく画家の最期を象徴するような結末であった。

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Gustav
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