劇場公開日 2003年11月1日

ポロック 2人だけのアトリエのレビュー・感想・評価

全1件を表示

3.0エド・ハリスが演じる破滅型画家ポロックの衝撃的な半生

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「アポロ13」の好演が記憶に残るエド・ハリスが制作・監督・主演した、アメリカ近代美術の抽象画を代表するジャクソン・ポロックの破滅型芸術家映画。硬質な映像がエド・ハリス監督の真面目な性格を反映させているが、創作に困憊し精神的に追い込まれる画家ポロックの内面の深さは余り感じない。監督と演技の両方を兼ねる負担が大きかったのではないだろうか。主演に専念したらもっといい演技が出来たと思われる。それでもアクション・ペインティングと呼ばれる独特な画法の創作過程は丁寧に表現されていて、ポロックの複雑な抽象表現主義絵画は見事に再現されている。演技の点では女優陣が素晴らしい。妻クラズナーのマーシャ・ゲイ・ハーデン、ポロックの才能を最初に認める画廊の主人グッケンハイムのエイミー・マディガン、そして愛人クリグマンのジェニファー・コネリーと充実している。特に前者二人が傑出していて、ハーデンはアカデミー助演女優賞に輝き、マディガンも「フィールド・オブ・ドリームス」の好演に劣らない良い演技を見せてくれる。脚本は過去と現在進行を絡ませているが、その意図が理解できなかった。ラストは、成功からスランプ、そしてアルコール依存症に浮気と、自滅していく画家の最期を象徴するような結末であった。

コメントする 2件)
共感した! 1件)
Gustav