トレーニング デイのレビュー・感想・評価
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あり得ない結末
デンゼルワシントン、現在は誰もが認める大俳優だが、この映画で初のアカデミー賞主演男優賞!!
麻薬取締課の間違いなく極悪警官なのに、根っこは良い奴だと思わせるあの雰囲気や演技力。タイトルの影響もあるが、まんまと騙されてしまった。
紆余曲折ありながらもHAPPY ENDになることを最後まで疑わずにいた。映画とは思えないとんだ結末に、あれ?これ実話だっけ?と勘違いしてしまう。
脚本家も腐ったアメリカの実像を映画化することで改めて浮き彫りにしたかったのでは?本物のギャングを使うことで、リアルな恐さが伝わってきた。また白人至上主義の国から自分達を守るために、黒人もギャングも身内にはとことん優しく団結力も強いのだとも思った。
それにしてもデンゼルワシントンは、黒人=悪者の役をよく引き受けたなぁと思う。なぜなのか、本音を聞いてみたい。
相棒は白人=正義。この構図からもアメリカという国家の現実と傲慢さがだだ漏れている気がしてならない。
低予算なのに、心揺さぶる作品が作れるのは凄い。脚本、監督、俳優、そしてギャングに拍手を送りたい。
「正しさ」の難しさが作品の「先行きの読めなさ」につながる。
◯作品全体
序盤で感じる「研修にしてはあまりにも濃すぎないか?」みたいな違和感とか、真意が見えないハリスの振る舞いが、しっかり作品後半に活きてくるのが面白かった。
特にホイトに対するハリスの振る舞いは横暴に見えるときもあれば現場の実情にあった行動に見えるときもあって、正義心あふれるハリスが正しいのか、ギャングの懐に入り込んでいるハリスが正しいのか、確信が持てないまま物語が展開されている「先行きの読めなさ」が良かった。
麻薬捜査官としての正しさに焦点を当てつつ、ホイトとハリスの価値観を映す前半から、ホイトがハリスに捨て駒にされて復讐する後半。それぞれ物語の中心にあるものが違うにも関わらず、きちんと繋がりがあるストーリーライン。ハリスの妻子がいる設定とかも活かして、少ない設定に加えて短い物語内の時間で骨太な作品になっていた。
◯その他
・悪いデンゼル・ワシントンを見る映画でもある。デンゼル・ワシントンの不気味っぷりに頼みすぎてる感じはしなくもない。
・ところどころでハリスの正義心が鬱陶しく感じてホイトに好感があるシーンがあったりしたのも作品の術中だったな、と思う。後半まではどちらが正しい、みたいな決めつけをしないバランス感覚が本作の一番好きな要素かもしれない。
デンゼル・ワシントンが悪徳刑事?! またまたご冗談を。
2001年劇場公開時鑑賞。
デンゼル・ワシントンだもの、最後はいい人役に間違いないよねー。
という思い込みを逆手にとって進んでいく具合が絶妙。やっぱりデンゼル・ワシントンはすごいなあ。そしてそれに負けてないイーサン・ホークも。
火花散る競演ってこんなのですかね
王道パターンの逆を行ったストーリーは意外でした。
何といってもオスカー受賞と候補の二人のガチンコ演技の迫力が最大の見どころです。
その演技を生んだ演出も素晴らしいんでしょうね。
数年ぶり二度目の視聴ですが、一度目の感想を元にレビューしました。
・序盤は、上司のパワハラを思い出して憂鬱になった。
・中盤は、上司がまさかの敵役になるという展開に(良い意味で)ひどく驚いた。(ここだけで★3.5の評価です。)
・終盤は安易かつツッコミどころ満載で拍子抜けした。(なぜ愛人をあんなに危険な地域に住まわせておくのか? なぜ自動車を自走出来なくなる程にぶつけなければいけないのか? 等々。)
それは、彼と観客の正義が試される衝撃の24時間。
比較的低予算ながら緻密な描写と役者の演技で、飽きることなく楽しめました。
この作品の監督、このくらいの規模でこれくらいのシンプルな設定であれば、個人的にはハマると思ってます。イコライザー(1の方ね)とか、サウスポーとか。タイトな作品作りを得意としてそうな印象で、大作には向かない感じ。キングアーサーとかティアーズオブザ・サンとか、マグニフィセントセブンとか、イコライザー2とかは何か味が薄いって言うんですかね、全然印象に残らなかったです。
それにしても、デンゼル・ワシントン活き活きしてました。僕もたまには羊を守るために狼になれるよう頑張りたいと思います。
カタツムリの小咄が意味わかんなくて、オーディオコメンタリー付きのD...
カタツムリの小咄が意味わかんなくて、オーディオコメンタリー付きのDVDを再生してみたが、やっぱりわからなかった。
それよりも監督がデンゼルワシントン善人キャラ思い込み説を推していたのが気になった。
観客が実は心のどこかでデンゼル悪党じゃないよと思ってるのを積極的に意図して脚本書いてるようだった。後半に入っても観客はまだ悪党なワケないって思ってる。
トレーニングだから試してるんじゃないか的なことと思う人もいるかもしれないけど、最後の最後まで悪。下ネタ言うは嵌めるわ裏切るわ殺そうとするわでいいとこなし。サミュエルLジャクソンがやりそうな役をデンゼルワシントンが。イーサンホークが新人。
一番良いなと思った場面は、ギャングの裸マッチョどもに銃奪われてバスルームで殺されそうになったときに、財布で身内を助けていた事がわかって、義理返し的に見逃してもらうシーン。地獄のマインドコントロールをされる一日で、唯一アロンゾの言うことを聞かないで自分の意思で行動したことなんだよね、女の子助けたの。ギャングがファミリーを非常に大切にするというのもあって納得いった。
きっと清濁併せ呑み巨悪を挙げるタイプだろうと思われたアロンゾだった...
きっと清濁併せ呑み巨悪を挙げるタイプだろうと思われたアロンゾだったが見事に裏切られた。ジェイクの立場に立って観ることになったがどこまで許容すべきかの葛藤が見事に描かれていたように思う。
バスタブで銃を突きつけられリアルな死を覚悟するまで何か裏があるのかとまだ期待していた。
作中ずっと、そんなおままごとのような正義感で麻薬捜査なんかできるわけがねえ、と言われ続けているようであり麻薬社会のリアリティと正義の葛藤は見応えありました。
数え役満
汚職・殺人・不倫・パワハラ・恐喝などなど
数え役満みたいな悪徳警官。
言ってることは筋が通ってるだけにタチが悪いし
そういうどうしようもない”悪さ”みたいなものを十二分に表現できた演技だったと思う。
この映画について語ろうとするとデンゼル・ワシントンのことしか出てこないってくらい。
麻薬捜査官の裏事情に新米警官ジェイクがどう対応していくか?
アロンゾが「麻薬捜査官が麻薬ができないと疑われる要素になる」というようなことを言った事については、たしかにその通りだろうな、と、裏社会を取り締まる側の事情なんて知らないながらも、大阪のマル暴刑事のニュース映像を思い出しながら考えていた。敵に勝つにはまず敵を知らなければならないと。という感じに、映画の冒頭ではクールで裏社会に染まりながらも麻薬と戦っていくダークヒーロー的なベテラン刑事なんだなとアロンゾを見ながら映画を見ていった。
アロンゾの言葉で他に印象に残るのは、「問題は何が事実かではなく、何を証明できるか。」と言うような言葉も、使われた背景を度外視すれば、納得が行く。
以上、アロンゾの言葉で印象に残った二つの言葉(というよりもニュアンスを書き出しただけだが)であるが、私がこの映画で一挙手一投足を注目していたのはアロンゾだった。それだけ俳優の縁起が光ってキャラも立っていたのだろう。対して主人公ジェイクには共感はしつつもそこまで注目はできなかった。その理由はアロンゾに信念があるのに対して、ジェイクは正義側ではあるが、その正義は新米的立場や設定上難しいかもしれないが、彼に自分を貫く正義というよりは、被害者意識と社会ルール遵守精神、復讐心というような受身的意識以上の信念ある正義感を見れなかったからだろう。
今回、前もって内容の行末をリサーチせず映画を見終わったので、ラストの終わり方は驚愕はしないまでも意外感はあった。しかし、それを改めて考えてみると、リアリティのある終わり方は胸糞悪かったり、爽快感がなかったりするんだろうなとも考え直した。爽快感のあったり、泣ける映画はエンターテインメントとしてはよくできているが、リアリティを追求すれば、物語の終わりはバッドエンドやハッピーエンドというようなラベルの範疇に収まらないだろう。今作がどっちにも入らなかったと言っているわけではないが。
最後に、見終わった後にWikipediaで調べてみると、作中のロスのストリートギャングの縄張りは実際の縄張りで行っているとのことで、、なるほど、リアルに仕上がるわけだなと考えた。
アロンゾ役のデンゼル・ワシントンは今作品でアカデミー主演男優賞を獲ったようだ。
絶対に関わりたくない先輩だ(笑)
でもジェイクがいたおかげで悪徳刑事が減った(笑) 初めて観た時はデンゼルの怖いこと怖いこと・・扱いづらい性格というか・・全てジェイクを鍛えるためかと思ったら何かあったらハメるためだったとか・・。 昼間女子高生を助けてよかったねジェイク、本当によかった・・それだけで立派なことだけど、あとのバスタブの場面でこの話に繋がるのはよかった♪ それと奥さん綺麗だねジェイク(笑)
LAの悪徳デカの変異種
よくあるベテラン刑事と新人のバディものとは似て非なるサイコ風ミステリー。下品で気難しいベテラン刑事、どうもいつものデンゼルとは勝手が違うので違和感が漂い始める、それでも新人を鍛えようとする鬼軍曹風なのかと気を取りなおして見続けるのは演じているのがデンゼルだから、彼に限って悪い奴の訳がないと思いたがっている自分がいる。
だんだんこれはおかしいと気づき始めるのだが確信に変わるのはほぼ終盤、舞台はLA、「LAコンフィデンシャル」の昔から悪徳警官の聖地のようなところ、郷に入れば郷に従えではないが現代版の悪徳デカのDNAも単純な善悪では量りきれない複雑怪奇な変異を遂げていました。
荒唐無稽、傍若無人ではなく居るかもしれないと思わせるところが脚本とデンゼルの上手いところなのでしょう。まんまと一杯食わされましたが凄い映画でした。
デンゼルのファンとしてはこの役柄はあんまりの気もしますが新境地を拓いたという意味ではアカデミー賞も納得です。イーサン・ホークはノミネートどまりでしたが信念と現実の間で揺れる葛藤の演技は秀逸でした、この二人なくしては成立しない映画といっても良いでしょう。
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