ネル

劇場公開日:

解説

現代社会と隔絶された環境で育った女性と、彼女を取り巻く人々の姿を通して、真の人間らしさとは何かを描いたヒューマン・ドラマ。女優ジョディ・フォスターが『ヴィクトリア』(V/旧ビデオ題・禍いの家の花嫁)に続いて製作・主演した1編で、彼女が設立した映画製作会社エッグ・ピクチャーズの第1作。作品の核となるヒロインの“ネル語”を、脚本家と共に作り上げる(英語の子音を変化させて極端にデフォルメしている)など、本作に賭ける彼女の意気込みが伝わる。マーク・ハンドレーの舞台劇『構語不全(イディオグロシア)』の戯曲を基に、彼と「永遠の愛に生きて」のウィリアム・ニコルソンが脚色。監督には「瞳が忘れない ブリンク」のマイケル・アプテッドが当たった。製作はフォスターと「ディフェンスレス 密会」のレニー・ミセル。素晴らしい自然の風景を収めた撮影は「ラスト・オブ・モヒカン」のダンテ・スピノッティ、音楽は「クイズ・ショウ」のマーク・アイシャムで、パッツィ・クラインの挿入曲『Crazy』が効果的に使われている。美術は「クイズ・ショウ」のジョン・ハットマンが担当。共演は「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン、「侍女の物語」のナターシャ・リチャードソンら。

1994年製作/アメリカ
原題:Nell
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1995年5月13日

ストーリー

波光きらめく湖を深い緑が包む、神秘的なまでに美しいノースキャロライナ州のブルーリッジ山脈。ここに文明や人との交流を避けた母の元で十数年間育てられた野性の娘ネルがいた。地元の開業医ジェリー(リーアム・ニーソン)は、母の死によってたった1人となったネル(ジョディ・フォスター)を発見して驚く。ネルはけだるく歌うように、彼女以外は理解できない言葉を発していた。ジェリーはネルにあくまで人間として接し、彼女の心の動きと言葉を理解しようとする。一方、大学の精神科医ポーラ(ナターシャ・リチャードソン)は、彼女を近代科学の研究材料に恰好の素材として判断してネルを研究施設に送り込もうとする。2人の意見は真っ向から対立し、裁判所に判断が委ねられた結果、ネルの様子を3ヶ月間観察した後、その扱いを決めると言い渡される。かくして彼らはネルの住居のそばに移り住み、観察を始めた。絶えず彼女から離れずに心を開いて接するジェリーとネルの間に、やがてコミュニケーションが生まれ、彼女の世界を開く鍵が見つかる。ネルの言葉の基本には、脳卒中による言語障害を持つ母親の発する言葉があったのだ。ジェリーはポップコーンのうまさ、音楽、街の雑踏、そして男と女の違いなどを教え、ネルの母親が植えつけた文明社会の恐ろしさを拭い去ろうとする。ポーラもまたいつしかネルと打ち解け、彼女の前で張り詰めた緊張を解き放った。ネルとの交流を通して心の安らぎを得た2人は、ネルを中心とした絆で結ばれる。だが、やがて森で暮らしていた野性の女のことが街で話題となり、マスコミが押し寄せてしまう。ジェリーとポーラはネルの自由な生き方を守るため仕方なく大学の病院に収容するが、環境の激変がネルを恐怖させ、2人までをも拒否してしまう。このままでは3ヶ月間の成長の軌跡が無駄になると、ジェリーはネルを抱きかかえて病院を飛び出す。今では互いの愛情を隠す必要のなくなったジェリーとポーラは、ネルを連れて裁判所の法廷に立った。自分の処遇が論じられている時にもネルは心を開かない。このままでは研究施設に送られてしまうことになり、ジェリーはそれでいいのかと激しく彼女に問う。ネルは初めてしっかりと、一人で生きていくことを宣言した。5年後。今は夫婦となったジェリーとポーラが娘のルーシーを連れて、誕生日を迎えたネルを訪ねる。人々に囲まれて囲まれて幸せそうなネル。だが、ルーシーと戯れる彼女の頬を涙が伝った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第52回 ゴールデングローブ賞(1995年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) ジョディ・フォスター
最優秀作曲賞 マーク・アイシャム
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映画レビュー

1.0439位/441 2020.05.02現在

2021年5月2日
iPhoneアプリから投稿

中学生の頃、、、
今から30年近く前に観た記憶
正直内容はほぼ覚えてない
覚えてるのは2つ!
1つは、自分は
映画を観て寝るなんてことは
ありえないけど
この映画は、軽く寝た記憶がある。
そのくらい、中学生の自分には
理解するのが難しい作品だった
今観たら違うんだろうけど
また観ようとは思わない
覚えてる2つ目は、、

以下、
超個人的主観による駄文のため
盛大にスルーしてください

(RG風)
ネルのあるある言いたい♫
ネルのあるある早く言いたい♬
ネルのあるある今から言うよ♪
中学生ネルつまんなくて
寝るって言いがち♩

これは友達に
何回も言った記憶だけはある
でも、当時中学生で
周りにそこまで映画好きもいなく
そもそもネルって映画を
みんなが知らないから
ダジャレを言っても
みんなの反応は
はぁ???
でした、、、、

初回鑑賞年齢→15歳くらい
(2021年時点40歳)
初回鑑賞場所→自宅VHS
鑑賞回数→1回
記憶度→3%

マイ映画ランキング
2021年時点
全映画中→439位
洋画部門→356位
ジョディーフォスター部門6位

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がんたく

4.0リーアム兄さん

2021年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 湖に映える夕日とネルのコントラスト、闇の湖とネルの泳ぎ、どこを取っても絵になる。狼少年の物語のような設定ではあるが、ジェリーとポーラのとる態度は違っていた。野生児の神秘と自然の美しさが狂おしいまでにマッチしている・・・これだけでも撮った価値があるのだろう。

 無理に正しい英語を教え込むわけでもなく、何とか彼女の発する言葉を理解しようとするジェリー(リーアム)が印象的です。幼児語がどのように発展するかという過程を見せ付けられたような気もするし、他言語を理解する基本をも教えられた。個人的に感じたのは、ジョディのネル語は野生児の言葉というより『E.T.』の言葉のような錯覚さえおこしましたよ。そして、最後まで「チカビー」の意味がわからなかった。。。

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kossy
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