ナサリン

劇場公開日:

解説

ベニート・ペレス・ガルドスの原作を基に、メキシコのスラム街の中で信念を貫く一人の神父の姿を描いたルイス・ブニュエル監督の59年度カンヌ映画祭特別審査員賞受賞作。脚本はブニュエルとフリオ・アレハンドロの共同、撮影はガブリエル・フィゲロアが担当。出演はフランシスコ・ラバル、マルガ・ロペスほか。

1958年製作/メキシコ
原題:Nazarin
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1991年4月20日

ストーリー

メキシコのスラムの一角。汚濁の中にあってなお理想を失なわぬ一人の神父、ナサリン(フランシスコ・ラバル)の姿があった。彼は殺人を犯した娼婦アンダラ(リタ・マセード)を救おうと神の教えを説くが、アンダラはナサリンのアパートに火をつけ、娼婦との関係を噂されたナサリンは神父の資格を剥奪され、巡礼の旅にでる。その旅の途上で彼は男に裏切られ、今はアンダラと共に暮らしている娘、ベアトリス(マルガ・ロペス)と出会い、彼女の甥の病気を直したことで、ナサリンはベアトリスとアンダラから聖人と慕われ、こうして3人は旅を続けることになる。次に向かった疫病の蔓延する村で3人は献身的に看護を行なうが、結局無駄に終わった。が、そうしたナサリンの姿に接するうちいつしかアンダラとベアトリスは自らの生き方を変え、立ち直ろうとする決意を固める。しかし3人の旅に見えたかと思えた光明も束の間、アンダラは殺人罪についての密告によって逮捕され、ベアトリスは昔の男のもとに戻り、そしてナサリンは教会預りの身となる。

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