デッドマン・ウォーキングのレビュー・感想・評価
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中立系でした
廃止論者の原作なのに廃止論、継続論どちらにも与しない中立的な作品でした。
原作もそうなのか、制作側がそのようにしたのか不明ですが、淡々とした描写は好感が持てます。
裏返せば、「考えさせられる作品」ではないです。つまり廃止論の人も継続論の人もこの作品に影響を受けて考え方が変わることはないだろうから。
その意味では「カポーティ」の方が廃止論に肩入れでした。
それにしても、二人とも超絶演技力でした。
赦しと愛
世界中の死刑囚が救いを求め憎しみから解き放たれて逝けるのならば本望か、それで誰が救われるのか、清々しく思われるシスターの表情、最後に懺悔の如く徹底した悪を貫かないマシューだが、真実が描かれる映像に心が清らかになろうが同情の余地はない。
死刑廃止論の立場を中心に描かれながらも加害者家族にも寄り添い、被害者家族側と死刑賛成派の意見も取り入れて、どちらかに偏ることはなく僧侶と死刑囚二人が対する静かな時間が死を迎える迄。
残酷な殺人犯でありながら小狡い小悪党でしかない惨めな男を演じたショーン・ペン、全てを受け入れ心を開いた最後の姿でさえ薄情で狡賢い一面を想像してしまう、そんな役柄を演じるショーン・ペンが大好物な自分。
ショーン・ペンの知名度
アメリカでは演技派として既に地位を確立していたショーン・ペンだが、
日本では、この作品でショーン・ペンを知ったという人も多いのでは?
この作品でアカデミー主演男優賞にもノミネートされて、
日本でも知名度が上がった作品。
結構重いテーマだが、結構観やすい作り。
でも、やはりラストの「デッドマン・ウォーキング」
のシーンは観るのは辛いです・・・(T_T)
シスターの愛の深さに感動
死刑囚とシスターが出会う。
正直、死刑になっても仕方ないだろうと思ってしまう男だけれど、シスターは寄りそい、話を聞くのだ。
家族の気持ち、周りの人の支えや反発、いろいろなものを受け止めながら、スピリチュアルカウンセラーとして最後まで見届ける。
このシスターの懐の深さ、大きな愛のおかげで、最後に彼は人としての心を取り戻していく。
死刑という制度がいいか悪いかはそれぞれの意見があるだろう。けれど、この映画を見た人は、人の尊厳について思いを寄せることになるだろうと思った。
死刑制度の意味と価値
個人評価:3.7
シスターの中立さが、違和感と時には苛立ちを覚える。被害者、加害者を平等に扱う。あぁ、それが神の立ち位置なのか。死を前にして神と向き合う事はできたが、本当に主人公は、罪や被害者と向き合ったのだろうか。全ては神の元へ旅立つ自分自身の為なのではないだろうか。自身が真実と向き合う事と、赦しとは別の問題ではないだろうか。無宗教の私には色んな感情が湧き起こる。
さてティム・ロビンスの狙い、テーマはどの部分だろうか。結末から見れば、主人公は死の直前になり、初めて罪と向き合い、神への道を意識出来る様になった。これは終身刑では辿り着かなかった域だろう。また一方、被害者家族は犯人の死によって、ようやく憎しみから解放され、穏やかな生活を取り戻す事ができた。これも終身刑では得られない感情かもしれない。この部分のみスポイルすると、死刑制度の肯定と価値を表した作品だと感じる。
いずれにせよ、とても宗教的だが、死刑囚を誇張なく、とてもリアルに捉えた脚本だと感じた。
ショーン・ペン!
何度見てもショーン・ペンが素晴らしい!
死が刻一刻と迫る死刑囚を見事に演じきってると素人ながらに思う。
親になって久しぶりに観たけど、
マシューは憎い。
それは親になる前よりもリアルな感情で憎かった。
マシューと言う人間自体は
愚かで幼くてどうしようもない馬鹿に
代わりはないけど、
それでも被害者遺族が言うような動物ではなく、
彼も人間であると言う事に複雑な気持ちになった。
やはり自分被害者遺族になると、
死刑にしてほしいとは思うと思う。
だけど、コイツはクズだからと切り捨てるだけではなく1人の人間の死を受け止めないといけないのではないのだろうか?と考えさせられた。
死刑執行前の家族の集まりは、
あんなの見せるのはずっこいわ。と思いました。
とても良いシーンでした。
難しい問題・・
加害者をいくら死刑にしても、被害者の家族の悲しみ・苦しみが消えることはない。死刑制度の有無については難しい問題。そもそも日本では、加害者の死刑がいつ執行されるのか分からないし、被害者の遺族が死刑に立ち会うこともない。これを問題提起したシリアスな映画としては見た方がいい映画・・
最後に真実の愛を知る。
被害者遺族の哀しみ、加害者遺族の哀しみ、その間にいるシスターと、それぞれの心情がうまく表現されていた。
日に日に、悔い改める死刑囚がシスターの優しさに真実の愛を知る。
最後に心打たれる場面に涙しました。
久々に心に響き、考えさせられた作品でした。
演技どうこうではなく、メッセージ性の強い作品。 普段見ることのない...
演技どうこうではなく、メッセージ性の強い作品。
普段見ることのない、死刑に対する視点は考えさせられるものがある。死刑制度について考える時に観たい作品。
娯楽作品ではない。心して見よ!
ティム・ロビンス監督作品。
ただ淡々と事実が映し出されていく、"映画"ではなく"実存する事件簿"を見ているようだった。
メディアでは需要の多さがため、ハッピーエンドだけを好んで伝え
我々受容者は自分の生活や時間を豊かにするためにそれを享受する。
そして、奇跡を身近に感じ、画面の中の世界に酔いしれている。
「それだけでいいのだろうか?
奇跡を信じるのは実は危険なことなんだよ。」
そんなことをドスンッと伝えられた気がしました。
「ショーシャンクの空に」で多くの人に奇跡を体現した彼だからこそ作れた作品。
親に進められてみた
死刑囚にあそこまで優しく、暖かく接する必要があるの?というのを最初に感じた。
しかし映画をみていく中で二人の関係に引き込まれていく感じがある。
マシューが「アイアムサム」のサムだったことに驚いた。
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