戦う翼

劇場公開日:

解説

アメリカ作家ジョン・ハーシーの「戦争を愛する者」を「女になる季節」のハワード・コッホが脚色し「俺の墓標は立てるな」のフィリップ・リーコックが監督した戦争映画。撮影はボブ・ヒューク、音楽はリチャード・アディンセル。出演者は「突撃隊」のスティーヴ・マックィーン、「史上最大の作戦」のロバート・ワグナー、シャーリー・アン・フィールドなど。製作はアーサー・ホーンブロウ・ジュニア。黒白、スタンダードサイズ。1963年作品。

1963年製作/アメリカ
原題:The War Lover
配給:コロムビア
劇場公開日:1963年5月1日

ストーリー

第2次世界大戦の2年目、1942年の冬のある朝。ここは英国にあるアメリカ第8空軍基地。早朝たたき起された隊員たちは、作戦要領の説明に耳を傾けていた。この日の目標は北ドイツのキール軍港だ。バズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)を機長とする“女体”号にとっては、8回目の出撃だった。25回目の出撃が終れば帰国できるのだ。リクソンの部下、副操縦士のリンチ中尉は健全な常識を備えた将校だが、リクソンは歪んだ人生の持主だった。彼は殺戮と破壊の戦争に生き甲斐を感じていた。エンジンが唸り、一機また一機、大空へ飛び立った。編隊は目標上空にさしかかったが、一面の密雲に覆われていた。雲の上からの爆撃は正確を欠く。エメット大佐は帰投を命じた。が、リクソンはこれを無視、編隊を雲の下へはらせた。高度8千5百、目標上空、爆弾室開扉、投下!爆風に機が震動した。その夜、将校クラブでリクソンとボーランドは、ダフネ(シャーリー・アン・フィールド)という女を知った。その時、一人の兵隊が飛び込んで来た。爆撃は正確、基地は破壊されていた。いよいよ“女体”号最後の出撃の日が来た。目標はドイツ本土のライプチヒ石油工場。Bー17爆撃機の大編隊は目標へ飛んだ。途中うんかの如き敵戦闘機が迎撃して来た。指令官エメット機は爆破し、リクソンが全編隊の指揮をとることになった。が、リクソン機もまた被弾、大破した。負傷者と戦死者を乗せ、リクソンは必死の操縦を続け、海峡に達した。機は1分間に50フィートの高度を失いつつあった。しかも未投下の爆弾が一個ひっかかったままだ。着水すれば機もろ共吹っ飛ぶことは明らかだった。高度は5百フィート、ドーヴァーの白い崖を越すことができるか…。だが、リクソンはあくまで帰投するという。過去の自信が彼を半狂乱に追い込んでいた。緊急信号を送り、救助船の出動を求めた。救助艇が眼下に見えて来た。隊員たちは次々に飛び降りていった。リクソンは自動操縦装置に切り替えると、最後にボーランドを突き落し、再び操縦棹を握った。が、機首は上がらず震動はますます激しくなっていった。白い崖が眼前いっぱいに迫った。次の瞬間、機は絶壁に衝突しぐれんの炎と化して粉々に砕け散ったのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0メロドラマ

2021年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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odeonza

3.0マックィーン、飛躍

2021年1月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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近大

4.0戦争映画ファン、特にメンフィスベルや頭上の敵機を観て感激した人なら本作はマストだろう 絶対観るべきだ

2020年11月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

第二次大戦欧州戦線
アメリカ第八空軍の活躍を描く
つまりメンフィスベルや頭上の敵機と同じくイギリスからドイツ本国への重爆撃機B-17による長距離渡洋空襲をする爆撃隊の物語だ

時期はおそらく1942年11月頃からのお話
メンフィスベルと同じく25回出撃で帰国できるという話が根底にある
この時期の損耗率は10%に上ったというから、数字の上では10 回出撃すれば必ず撃墜される計算になる
だから25回出撃というのは普通の2倍半の幸運がないと生きて帰れないということだ

殆ど実機で撮影されている
特撮はほんの少しだけだ
基地上空を建物の屋根スレスレを重低音のエンジン音を轟かせ超低空でかすめて飛ぶシーン
それどころか胴体着陸するシーンまで実機で撮影しているのだから迫力が違うのだ
何十機もの爆撃編隊も実機によるものだろう
さすがにドイツ空軍の戦闘機Bfー109の迎撃シーンは記録映像かも知れない
全く特撮のしょぼさはないのだ

戦争映画ファン、特にメンフィスベルや頭上の敵機を観て感激した人なら本作はマストだろう
絶対観るべきだ

お話はメンフィスベルの原型と言うべきもの
原題はウォーラバー
もちろん死に急ぐかのような主人公のことだ
爆撃機操縦の才能だけに初めて生きがいを得て、全能感に満ちた人物だ
その主人公はスティーヴ・マックィーンが演じる
だから彼がウォーラバーだ

そしてその彼の愛機の副操縦手のボーと英国女性ダフィーの恋愛物語がサイドストーリーで進む
つまりウォー&ラバーでもあるのだ

この二人の物語はラストシーンでも終わりではない
一体どのような結末をむかえるのだろうか?
それを観客たる私たちに考えさせる終わり方で余韻が残る

本作は1962年公開、
スティーヴ・マックィーンの次回作は1963年の大脱走になる
大脱走でのヒルツ大尉のキャラ造形は本作のバズのキャラをそのまま引き継いだものだ
つまりスティーヴ・マックィーンのスーパースターへの大ブレイクは本作の主演の成果が大きいと思う
スティーヴ・マックィーンの一匹狼的な魅力が満ちている

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あき240

3.0戦争が生きがいの男

2018年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

第二次世界大戦の初期、イギリスに駐留する米軍の爆撃機部隊がいた。
戦争大好きでスリルを求める大尉(スティーブ・マックィーン)は困り者だったが腕がいいので大目に見られていた。
副操縦士の中尉(ロバート・ワグナー)は大尉の強烈な個性に飲み込まれていたのだが・・・。
スティーブ・マックィーンにピッタリの役どころ。

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