太陽がいっぱいのレビュー・感想・評価
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パトリシア・ハイスミス
20数年前にリバイバル上映で鑑賞し、地中海とアラン・ドロンの美しさが印象的に残っていました。後に地中海に旅行で訪れた際にヨットがたくさんあって、映画で観ていた通りだと感動したのです。そして、お正月に帰省した際に改めて父と一緒に再鑑賞。
本作の魅力はやはり、地中海とアラン・ドロン、ニナ・ロータの音楽につきますね。ストーリーも分かりやすいですし。
ところが、本作の原作がパトリシア・ハイスミスであれば話は変わってきます。
町山さんによると、本作がゲイ作品だと一番初めに解説したのが淀川先生だったとのこと。だから、本作は所々に同性愛の隠喩があると。
パトリシア・ハイスミス原作『キャロル』は直喩なので分かりやすいですが、本作の隠喩は全然分かりませんでしたね。同性愛について、現代は直接的な表現が出来る社会にはなりましたが、当時は絶対に不可能だったと思います。
そんな風に本作を鑑賞すると、トムの大胆な行動の裏にはフィリップに対する大きな性衝動があったのではないかと、思いました。
トム・クルーズと異なり、アラン・ドロンには内面の影が…
何十年ぶりかの鑑賞だったが、
話の骨子としては、裕福な友人を殺害して
彼になりすましたものの、
思いがけない事態から犯罪がばれると言う、
単純なストーリーの記憶だった。
しかし、ヨット上の殺人が
展開の1/3にも達しない段階で起きることや、
第2の殺人が行われること等は
すっかりと忘れていた鑑賞の中、
男女二人が恋愛関係にある上での
別の男性が加わるクルージングの設定や、
なりすましの過程や殺害後の後始末等、
また、ロープがスクリューに絡まってままで
航海出来たのだろうか等々、
無理くりさを感じないこともなかったが、
最初の殺害後の細かいアクシデントと
その対応の連続など、
承知の結末までどう展開するのだったろう
かと興味深く鑑賞した。
さて、アラン・ドロンはトム・クルーズと
同じような二枚目俳優なのだろうが、
トム・クルーズと異なり、
アラン・ドロンは全ての作品に共通して、
内面の影を感じさせる特異な美男子俳優
だったと、今回の鑑賞で改めて感じた。
ところで、ニーノ・ロータには
フェリーニの「道」をはじめとして
「ロミオとジュリエット」「ゴッドファーザー」
等のたくさんの映画作品で、
美しいメロディを堪能させて頂いた。
しかし、彼は、
この映画のメロディは好きでは無いそうで、
御自身のベストアルバムにも
入れていない位だ。
一方、私が特に好きなのは、
むしろこの作品のメロディなのだが、
それでも他の映画作品同様に、
この作品のテーマソングでも途中挿入される
ガチャガチャフレーズが好きでは無く、
私にとっては困った映画音楽作家ではある。
アラン•ドロン
有名な作品、リメイク作品も多い。
大嫌いな男がいてその恋人が好きなので、
男を殺し擬装して男の財産を女にやり
女を手に入れる、計画。
裕福なトムとその恋人、そこへ主人公。
お邪魔虫以外の何者でもない。
恋人を下ろしてすぐに殺す。
死体を包んで巻いたワイヤーの端を確認しなかったが為に。
トムのハイブランドのジャケットを着ていると
立っているだけでモデルみたい。
レザーのバッグが高級感満載❣️
日本なら印鑑だが、サインの真似も大変。
どっちが安全だろう。
上手くごまかしていたようだけど、
トムの友人に見破られ‥‥、
観ている人皆、
バレるぞ、バレるぞ、と思って観ていたんだろうな。
アラン・ドロンの魅力がいっぱい‼️
「太陽がいっぱい」と「冒険者たち」、この2作の名作フランス映画でアランドロンの存在は、私の中で永遠のものとなりました‼️とにかくこの作品でのアランドロンは美しい‼️しかもこの映画でスターになるぞという野心がミエミエで、そのグリーンの瞳が妖しく輝いていた‼️それが金持ちの友人を殺して成り代わろうという役柄に見事にハマッていて、ゾクゾクさせられます‼️モーリス・ロネに食事のマナーで馬鹿にされ、炎天下の海でボートに取り残され、コンプレックスと恥辱と嫉妬と羨望にかられて、チラッとモーリス・ロネを見上げる暗くて傲慢な目‼️ラストの全てを成し遂げたつもりでみせる安堵した表情、名前を呼ばれて不安そうに顔を曇らせる、だが、ただの電話呼び出しらしいとわかって笑顔に戻る‼️やってることが邪悪なのに、なんとも子供っぽい無邪気な笑顔‼️もうホントにスターの中のスターですよね‼️このアラン・ドロンのトム・リプレーはもちろん、放蕩息子を嫌味に演じるモーリス・ロネのフィリップ、妖精的な魅力を醸し出すマルジュ役のマリー・ラフォーレらツボにハマったキャスティングが素晴らしいですね‼️そして、太陽きらめく海上での殺人、地中海の波に揺れるヨットが主人公の不安な心情を表現していたり、サインの偽造を練習したり、指紋をすり替えたりするシーンとか、ルネ・クレマン監督の映像テクニックは名作「禁じられた遊び」を凌駕しております‼️いつまでも耳に残るニーノ・ロータの甘美なテーマ曲も忘れられない‼️もう聴くだけで涙出てきちゃいますよね‼️そしてラストのどんでん返し‼️赤い糸ならぬロープが、スクリューに絡まっていたためにもたらされるこの衝撃は、何度見ても胸を締め付ける力強さを持っている‼️
アラン・ドロンの代表作
フランス語だからなのかどこかウェットな眼差しをしているからか石田純一ファッションwが板についているからか分からないが、主役のアラン・ドロンはもう一つアメリカの青年には見えない。だが、鏡の前でフィリップの彼女に愛を囁くイメージングをするシーンや、海で背中を焼かれるシーン、「悪いのはフィリップだ。」と罪を重ねていく時のセリフは、美しい肢体に黒い髪、クールブルーの瞳を持つ彼でなければ成立しなかった気がする。
脚本は、クレマン監督が大戦後の貧苦にあえぐフランスの若者達に代わって、戦後は世界一リッチになったアメリカやブルジョワ階級に対してちょっとした皮肉を込めている感じもした。
例えば、フィリップの友人フレディがトムを怪しんで尋ねた場面。
「何の仕事をしているんだ?」
トムは答える。
「何もしていない。君は?」
対するフレディ。
「本職はない。だが金はある。」
同じ年頃で同じように無職なのに、一方は遊んでいて当たり前で、他方は怪しまれる。生まれの格差が浮き彫りになりトムの妬みが膨らんでいくのがわかるのだ。
そしてお天道さまの下、晴れてゆっくりした矢先の、原作小説とは異なるきっぱりしたラストも上手いと思う。
犯罪は犯罪。
監督の良心だろうか。
初鑑賞だと思っていたが。。。
初鑑賞のつもりで、アランドロン、天下無双のイケメンだなあと思いながら、
見ていたら、ラストで、初見ではないことに気がついた。
それくらいのラストの衝撃だった。
おそらく30年以上前の学生時代に、レンタルビデオで観たと思う。
ラスト以外は全く覚えていない。
期待してはなかったが、予想以上にいい映画だった。
引き込まれたし、中弛みもなく、作りも良かったと思う。
ニーノロータの名曲
アランドロン扮するトムリプリーは、他人の金で遊んでいると言った。
ニーノロータの名曲が懐かしい。アランドロンが若いだけで中身は単なる遊び人でたかりのトムだ。ニーノロータがこの作品に関わった事を悔やんでいたと何かで見たがなるほどと言わざるを得ないな。
ニーノ・ロータの音楽があればそれで良い。
『凄い完全犯罪だ。』って『あれさえなければ』なんて思っていたが。初見がまだガキの頃だったんだね。また、親父が横で、実況ネタバレしてくれたおかげで、当時でも、大感動とは言えなかった。
都合良くアリバイができたり、DNA捜査はまだまだの時代だろうが、指紋の事(実際に指紋の事は映画に登場する)が曖昧な事と、お金が動くからには、民事捜査はこの程度で済むはずはない。
騙されるな女性もあまりに無神経。
また、死体を運び出す時にあんなに都合良く済むはずは無い。
『クライム・サスペンスの傑作だ』とか言う方はいるだろうが、火曜○スペン○劇場なみ。
帆船にもエンジンは付いているが、犯行当時はエンジンは使っていなかったはずだ。
とにかくドロンが究極のイケメンだということ&吹き替えがブルースウィリスに聞こえすぎた件
スターチャンネルの吹き替え(テレ東の2008版)で観ました。
この映画で知名度upしたドロンの代表作にして全世界に名を押し上げた映画。とにかく究極のイケメンでこういう美男はいないだろうと思いました。
1人の貧乏と1人のリッチの青年がフェリーで揉み合いの末リッチが殺されそこからなりすまして……
一方の吹き替えではドロンの声が先述(2008年版)の事でブルースウィリスに聞こえてたのでもっと若い人を起用すればと思いました
アラン・ドロンを、ただただ見つめる!
1960年。ルネ・クレマン監督作品。原作はパトリシア・ハイスミス。
アラン・ドロンの絶世の美青年伝説。
今日、数十年ぶりに観返したのですが、トム・リプリー(ドロン)は、
天性の詐欺師でした。
偽証工作の数々。嘘を嘘で塗り固めるけれど、土台それは付け焼き刃。
なぜ、フィリップの知り合いの多い場所から移り住まないのだろう?
それにしても当時の金持ちの暮らし。
まず働かない!遊んで飲んで騒いで!
綺麗な若い女を侍らせてる。
そして大型ヨット!!
ヨットは庶民や貧乏人には高嶺の花。(そう簡単にはオーナーになれない)
遊ぶ金!美人の恋人。ヨットで移動する自由。
リプリーにはフィリップが羨望の対象だった。
彼の入れ替わること・・・成りすますこと・・・彼になってしまうこと!!
ワクワクするほど魅力的だ。
フィリップ殺人は40分過ぎに行われる。
その後の70分は偽装工作。
まずパスポートを偽装する。
フィリップを名乗る。
マージュ(マリー・ラフォレ)にフィリップのいない理由を信じ込ませる。
フィリップの名前で手紙をタイプで打つ。
フィリップのサインを真似る・・・ここに時代を感じます。
(今なら、パスワード?)
リプリーが本当に手に入れたいものは、マージユだったのではないだろうか?
そして最後の最後に、1発逆転の手を打つ。
アラン・ドロン。
フォルムは完璧に近く美しいです。
ジャケット写真にもなっている上半身裸に白いパンツ。
胸は適度に筋肉が付き、
広い肩幅、コインのペンダント、長い手足、顔は完璧に近い。
あんなに好きだったアラン・ドロンが嫌なゲス男に映る・・・事実最低のゲス男だけど・・・
生まれ落ちた時に決まる運命。
持つ者と持たない者。
それは運命の悪戯。
美しい映像です。
白い帆を張るヨット。
ギリシャの港。
イタリアのホテル街の店並み。
美し過ぎる。
アラン・ドロンの着るシャツ(フィリップのものだけど・・)
スーツとシャツのカットの良さは、オートクチュール製作のような仕立てです。
完璧に着こなすドロン。
そして有名なニーノ・ロータのテーマ曲。
覚えやすくて、もの悲しい。
そしてラストの衝撃。
こんなショッキングなラストはそうそうない!!
【”太陽がいっぱいだ、最高の気分だ・・”貧しき青年が、金持ちの鼻もちならない青年に成りすます企てが破綻していく様を、ニーノ・ロータの哀愁漂うテーマソングに乗せてシニカルに描いた作品。】
ー 私事で恐縮であるが、今作を両親とTVで観たのは小学生高学年だったと記憶する。床に入るのはPM9:00という決まりが有ったが(その後の読書は10:00まで、許されていた。)時に、両親から誘われて、映画を観る機会が有った。
今作もその一作である。
正直に記すと、記憶としてはニーノ・ロータの哀愁を帯びたテーマソングと、ヨット上でのシーンと彼の有名なラストシーンのみが残っているのみであった。
両親は、何故にこの映画を小学生だった私に”観よう”・・”と言ってくれたのか、30年振りに鑑賞し、何となく分かった気がする・・。-
<Caution ! 以下、今更ながらであるが、内容に少し触れています。>
・今作の原作「The Talented Mr.RipLey」を執筆したパトリシア・ハイスミスは、30代に嵌った作家である。
90年代後半に、彼女の作品が一気に翻訳出版された際は、嬉しかった。
今では死語かもしれないが”イヤミス”の先駆者である。
特に短編集の切れ味には唸らされたモノである。
・実に久方ぶりに今作を鑑賞すると、主人公のトム・リプリー(アラン・ドロン)が富豪の息子フィリップに徐々に殺意を抱いていく様が微妙なテイストで描かれている事が分かる。
併せて、フィリップの恋人、マルジュに対する想いも・・。
・面白かったのは、彼が立てた金持ちの鼻もちならない青年フィリップの成りすまし計画を実行する様である。
フィリップの筆跡をドラフターを使いながら、何度も透かし紙に書き、確認するシーン。
パスポート写真を偽造するシーン。
<リプリーが、フレディを殺害するシーンやその後の展開などは、現在のサスペンス映画と比較すると、粗さが目立つ。
だが、その粗さをニーノ・ロータの哀愁を帯びたテーマソングと、リプリーがラスト、ほんの束の間抱いた満足感、達成感をリクライニングチェアーに全身を委ね、陽光を全身に浴びながら口にした
”太陽がいっぱいだ、最高の気分だ・・”
と言う言葉が帳消しにする作品でもあるのである。
勿論、アラン・ドロンの美しさも含めて・・。>
いまいち
この映画を印象深くしているのはラストシーンだ。主人公のトム・リプリーが最高の気分で日光浴をしていて、何も知らずに電話の呼び出しに立ち上がって、ニコニコしながら歩き始める、同時にあの哀愁を帯びた音楽が流れるシーンだ。これから捕まってしまうのを想像して、二人を殺した犯罪者なのにかわいそうだと思ってしまう。ニーノ・ロータの音楽の効果は抜群である。もしこの音楽がなかったら、これほどの名作になっていただろうか?あと、主演が超イケメンのアラン・ドロンということもあると思うが。
ただ、一般の評価より私の評価は低い。いちばんの理由は主人公に共感できないからだ。虐げられていたとはいえフィリップ・グリンリーフを殺すほどの理由があっただろうか?百歩譲ってその殺人を理解できたとしても、二人目の殺人は回避できただろう。あと、フィリップになりすまして大金を手に入れ、最後にはフィリップの婚約者まで手に入れるに至っては呆れてしまう(まあ、この部分がなければ作品は成り立たなくなるが)。本当に彼女を好きだったのか、遺産を相続する彼女が金づるになるので一緒になろうとしていただけなのかはわからないが。
あと、船上で殺した後(この殺人もやや唐突な感じ)、死体を布に包み海へ投げ捨てたが、なぜか長い紐が気になっていた。スクリューに絡みつかないかと。そのため、いつもは感の悪い私であったが、結局最後のオチもそれはど衝撃的ではなかった。
いずれにしても、私は登場人物に魅力を感じないとダメなので、その点についてはこの映画のアラン・ドロンは「冒険者たち」のアラン・ドロンの魅力には遠く及ばない。
アラン・ドロンの妖気。
危険な美青年の典型且つ究極と言えるアラン・ドロンの妖気。
サスペンスとして一級。
オチが強烈(ネタバレ回避)。
再見したくなったのは「リプリー」より「キャッチミーイフユーキャン」。
ディカプリオはこういう役を演りたいのだろうなあ。
人間のクズ
なんでこんなにファンが多いの?
なんでこんなに高評価?
ただのジャニーズ系アイドル映画ではありませんか。
演技も下手だし。
むかし観たときはその美貌にうっとりとなったアランドロン、
ところが
今回 数十年ぶりに鑑賞してがっかりだった。こんな最低野郎の人間のクズだったとはね。ダニですよ、やれやれ。
世の荒波に揉まれ、さんざん嫌な思いと辛酸に耐えてこの年齢になると
25才のアランドロンの あのどうにもならない腐った性癖が僕には我慢できません。
それでもせめてどこかに屈折した男の弱さとか内面の陰りを醸してくれれば、役者としては大したものだと思えるところを、演技力ゼロ。ただの街のチンピラで終演。
マジ切れしました。
一生ブタ箱から出ないでほしいです。
(苦笑)
永遠の名作
小さいころ、テレビで見て強烈に印象に残ってる映画、アランドロンが同じ人間とは思えないほどかっこいいし、人類史上一番のと言ってもいいくらいの美青年!今とは違うアナログの時代だからこそ成しえた犯罪が主軸ですが、ファッションや俳優陣スタイル、所作、表情、セリフ、みんなかっこいい、そして内容もさることながらヨーロッパの美しい街並みや風景も見どころ、そしてなんといっても途中とラストに流れる物悲しいニーノ・ロータのトランペット、珠玉です!必見の名作であることには違いない!
今観ても面白い
60年前の作品とは思えない。今観ても
十分引き込まれる。アラン・ドロン演じる
トムが金持ちのフィリップの真似をして鏡に
キスするシーンが艶かしい。またトムがフィリップの婚約者を誘惑するシーンも然り。
さすがに天下の2枚目アラン・ドロン。
ラストシーンではフィリップの「俺は
これで終わらないぞ」という彼の執念を
感じた。
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