セント・オブ・ウーマン 夢の香りのレビュー・感想・評価
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人物描写と心情の変化の描き方が秀逸
フランクは盲目の退役軍人で、退役後ですら家庭内に軍人としての振る舞いを持ち込んでくる偏屈な男。しかもデリカシーが無いのもあり兄の一家にも煙たがられている。しかし感覚は鋭く人並み外れている。そして純粋な心を持っている。このように人物描写がよくできている。
フランクが自殺を思いとどまったのは、チャールズにタンゴのダンスとフェラーリの運転だけは自慢できると褒められたからだった。だが要するに盲人として過ごす人生に対して深刻に思い悩むのが、チャールズの発言で馬鹿馬鹿しくなったのだろう。2人がここまでの関係を構築できたのは、互いに純粋な心を持つ点が共通していたからだ。人生を諦めていたフランクが、最終的には自殺を思いとどまるようになる心情の変化の描き方も秀逸だった。フランク役のアル・パチーノの熱演も良かった。
「夢の香り」である所以
この映画で忘れてはならないのが、主題の「セントオブウーマン」(直訳で女性の香り)に続く「夢の香り」というサブタイトルだ。女性の香り、それはつまり男性にとっての夢の香りという意味であろうか?
現代人の意識からすればコンプライアンスに抵触しそうな卑猥な表現などと感じる人もいるかもしれない。しかし、この映画を観た人ならば誰もが想像し思いを馳せるだろう。その夢の香りに。
この物語の概要は感謝祭の休暇に名門校の苦学生チャーリーと盲目の元陸軍中佐フランクが共にニューヨークを旅し心を通わせていくというもの。チャーリーを演じる若き日のクリスオドネルの清々しさとフランクを演じる円熟期のアルパチーノの圧巻の演技は既に映画ファンの知るところだが、それだけではないのがこの映画の魅力。
劇中、フランクは毒舌と下品な言い回しで粗暴を装っているがそれとは裏腹に研ぎ澄まされた洞察力と鋭い嗅覚で幾度となくチャーリーをハッとさせる。
魅力的な会話で女性客室乗務員の心を掴み、偶然居合わせた若く美しい女性にタンゴを実演で指南し、知的で魅力溢れる女性教論から畏敬の念を抱かれる。そしてその女性達全てが夢の香りを纏っておりフランクは瞬時にその香りが何であるかをを言い当てることができるのだ!これこそ女性好きの真骨頂。
客室乗務員が身だしなみとして身につけた気品あるコロン。タンゴを踊る若く美しい女性から放たれるオグリビーの石鹸、知的な女性教諭からほのかに香る岸辺の花という名の香水。決してスクリーンから香りは漂ってはこないが観衆達の鼻はくすぐられる。
苦学生と退役軍人が心通わせる物語で、なぜタイトルがセントオブウーマン、夢の香りなのか。この映画を観終えた人ならば、なるほどそうゆうことか、と、頷けるのではないだろうか。
パチーノベスト映画
無理だけど、映画館で観賞してほしい。アル・パチーノを心ゆくまで愉しめる作品。「小説家を見つけたら」と似通った内容。
見えるってどういう事だろう。人の強さや価値とは何だろう。善意とは?悪意とは?…そんな感想等はお構いなしに、パチーノが私達を作品世界に没入させてくれます...素敵なダンスを踊るように。何度でも楽しめる作品。
不快なシーンが目白押しのBromance
U-NEXTで観ました。
本作は1992年に制作され、ゴールデングローブ賞を受賞した名作だそうですが、現代の目線でみると盲目の中佐役でアカデミー賞を受賞した、アル・パチーノの暴言、セクハラ、パワハラ、奇行が余りにも際立っていて、彼の良い面が霞んでしまい、とてもじゃないですが、共感できませんでした。
ただ感謝祭の際、チャーリーを侮辱された時の激昂や、クライマックスのチャーリーを称えるシーンは心を動かされました。
ただ本作は150分超の長編で、蛇足が余りに過ぎます。
正直言って中盤はスキップしてしまってもいいと思います(苦笑)
ラストシーンはド定番。何番煎じだよと思いました。
名作名作言われていても実際に観るとガッカリする事もあります。本作は正にそれです。
「不思議の国の数学者」から来ました
タイトルの映画を観て批評を読んだら、「本作の焼き直し」という批評が散見されました。
偶々契約しているネット配信で鑑賞できたのでみました。
キャスト、脚本については他の方のレビューをご覧下さい。
最後の演説シーン。昔の映画「スミス都へ行く」を思い出しました。
アメリカの持つ理想主義を垣間見ました。
「不思議…」はまた別の面白さがあり、
一概に「不思議…」はモノマネとは言い切れませんでした。
名作
やっぱ名作と言われるだけあるわ〜。
観応えバッチリ。
笑いありスリルあり涙あり。
名言もあり。
フェラーリのシーン。
命が縮みそう汗
大佐はとにかく声が大きい。
良いこともそうでないことも、大声。
正しいことも、そうでないかもしれないことも。
やることなすこと命令口調で横暴に感じるが、優しさも持ち合わせていて、チャーリーの悩みにきちんと寄り添うところがよかった。
チャーリー役の子、「サークル・オブ・フレンズ」でもそうだが、「良い人」の典型という感じ。
学校での裁判?のシーン。
戦争の厳しい現実を突きつける言葉にも泣けた。
最後の小さい子達とのシーンも良かった。
何度も観たくなるお気に入りがまた増えた。
ハッ!
名作といわれているので、配信で観ました。ストーリーは勿論、素晴らしい。誰もが評する最後の演説は筆舌もの。しかし、やはりアル・アチーノのキレッキレの演技。目が不自由な方の目つきや動きはそのものにしか見えなかった。
さすがアルパチーノ
アルパチーノ演じる退役軍人の男性のキャラが強烈。ハッ!
実際こんな人が近くにいたらうるさくてしょうがないけど、映画の中のキャラは際立ってて面白かった。
特に最後が好き。
だけど見ている間、お金の出所が気になってたし、ちょっと心配になった。
人生は瞬間の連続
介護者と被介護者の独特な関係性にリアリティを感じる。たとえ出会って数日のヘルパーでも、今この瞬間隣にいてくれる人の存在が、何よりもかけがえのないものになり得る。
アル•パチーノの名演は言わずもがな。孤独な老人、正統派紳士、狂気の病人、高潔な軍人、家族を思いやる父(祖父)と感情の移り変わりが見事。
最後の演説は、スレードが自分自身に言い聞かせているようで胸を打たれた。信念を持ち貫くことで人生は豊かになるのだと。
心に染みるヒューマンストーリー
盲目の孤独でちょっと頑固な退役軍人フランク(アル・パチーノ)と心優しい苦学生チャーリー(クリス・オドネル)の演技ならび、繋がりストーリーが心に染みて最後のチャーリーを擁護するフランクの演説は感動もの。。盲目だが、女性の香水で人柄等理解したり、タンゴダンスを卒無く踊る姿のアル・パチーノの主演男優賞は納得。。
フィリップ・シーモア・ホフマンに注目
アカデミー主演男優賞を受賞したアルパチーノの演技がやはり素晴らしい。盲目となり、もはや過去の栄光以外に何もない、生きている価値もないと絶望し自ら最期を迎えようと計画する退役軍人。"I'm in the dark "という絶望の叫びが耳から離れない。
そして、アルパチーノもさることながら、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が目を引いた。金持ちの親の元で甘やかされた御曹司感、仲間を裏切りたくないけど親には逆らえないジレンマの狭間で揺れ動く心情をすごくよく演じていたと思う。
あとはとにかくアルパチーノ演じるフランクがNYの街を我が物顔にひたすら散財しながら豪遊するところは観ていて痛快。
時世とは合わないが…
アルパチーノの演技は確かに主演男優賞だなと思いました。
2022年に見るとセクハラ厭世ジジイだけど笑
最初のシーンから、タンゴのシーン、フェラーリと自殺未遂までは良かった。
だけど学校に行ってスピーチは少々くさくて、くどかったかも。
作品としての星は3つだけどアルパチーノの5つ星な演技は一度は鑑賞する価値ありです。
ジョン・ウェインが生きていたら、彼の方が適役
何が不満なんだ?
ベトナムを始めとして散々好き勝手な事やって来たアメリカ軍人が、一晩の娼婦にふられて『やけ』を起こす。ってだけの話だ。
(女性の香りを嗅ぎ分けるってエロいジジイの話だと思うが。ちょっとイケメンなら良いのか?)
一方、少年は友人のイタズラをリークするかしないか?を決断するって話だ。
さぁー何が言いたいのか?
演出はベタな演出で、脚本も何一つ盛り上がりがない。起承転結はもはや存在しない。
さて、
元々、アメリカンニューシネマに出ていた俳優は、売れない演者って経緯がある。彼は元々そう言った俳優って理解しておこう。 だから、
僕は金を出せるなら『ジョン・ウェイン』の方が適役だと感じた。役柄もジョン・ウェインのよく演ずる『軍人』だからだ。台詞もベタで良い訳だから。踊りはカットを多用すれば良いし、アクションはスタントを使えば良い。主役が彼である必要性がない。ジョン・ウェイン見たいなダイコンでも演じる事の出来る演出なのだから。
さぁー、『ラ・ビオレテラー街の灯』がバックで流れて、ブルックリンの街をスポーツカーで飛ばすか。『ワンス・アボナタイム・・・』と『街の○』に対するリスペクトなのだろう。
ジョンソン大統領とベトナム戦争の話をして、人を裏切らないと主張するのは、アメリカのベトナム戦争に対しての『言い訳』を主張しているに過ぎない。
こんなモラトリアムで、しかも障害者気取りの頑固な退役軍人は、良い意味でも悪い意味でも、いる訳がない。頑固な退役軍人は沢山いただろうが。
いたずらに関しては、リークされても仕方ない『いたずら』だと思うし、いたずらした側も『リークされる』のを、確信していると感じたが。早い話『警察を呼べよ』と言いたい。
こんな学校があったから、傲慢なアメリカができたのだろうし、こんな学校があるから、今でもアメリカは『自由と民主主義』の国ではない。
僕はこの映画を女性に対する差別映画だと感じる。それを何一つ躊躇いもなく語っている。エリートを作る学校は今でも男子校だと思うし、男女共学になっても同じだ。
女性諸君!こんな映画に騙されるな!
イケメンでも年老いた男は、ただのジジイだ!『男はつらいよ』なんて言葉に騙されるな。
原題とストーリの距離間を楽しむ
原題はロマンチックでB級恋愛ものを思わせるが、内容は骨太。女性の香りを言い当てる中佐の嗅覚は鋭く素敵だ。
まるで目が見えるように、タンゴを踊り、ハンドルを握るアル・パシーノの演技はさすが。数分間も瞬きしていない、これだけでも立派と思う。圧巻のラスト近くの演説シーンは心に残る、忖度や気遣いまるけの日本の官僚たちを思い、溜飲を下げたのは学生たちだけでもないはず。そんなこんなで、彼自身が生を選び、表情が和らぐラストは良いねえ。
タンゴの女性はなんと若き日の「フィオナ」。なるほど、この時分から魅力的な美貌とスタイルだったんだな。
若者と、孤独な老人の出会いっていう奇跡
クリス・オドネルの若さ、フランクが評したように絶滅危惧種の淡水魚のもつようなオーラが素晴らしいと思う。そういう若く清廉な若者が、死を願うばかりの孤独な毒舌退役軍人と出会う。
女性を崇拝し、女性の香りを網羅してるかのようなフランクが、美しい女性と出会って踊ることになる。フィギュアスケートなんかで有名なポル・ウナ・カベサのタンゴのシーンはさすがに素敵。そして何より、フランクのスピーチ。チャーリーがどんな想いであれを聞いたのだろう。彼は一人で乗り切るつもりだったのにと思うと胸が熱くなった。
タンゴとフェラーリ
「フーハー!」というボンバヘッドみたいなアルパチーノの合いの手がええ。香りを嗅ぐだけでどうのこうのというのは本筋にあんまし関係ないが目は見えなくても油断ならない感じは演出できてる、ただ女たらしという設定の割には下品ではないねんな不思議と。あの挑発的な兄弟家族との食卓シーンくらいではないか。
これ日本で、こんだけシニア男性が疎まれている現代でやると面白いと思うんですが、ベトナム復員兵の設定だけどうにも社会的記号の再現難しいですね。元代議士とか閣僚?あるいは国内証券マン、バブル期のトップセールスマンOBが誰にも通用せずドヤる、みたいな風になるかな。
アカデミー主演男優賞を受賞したアル・パチーノの盲目の演技が光る。 ...
アカデミー主演男優賞を受賞したアル・パチーノの盲目の演技が光る。
タンゴのダンスシーンが素敵だった。
ラストのアル・パチーノのスピーチは心に響きます。
アル・パチーノだけではなく自分に真っすぐに生きる青年チャーリーも素敵で、そんな真剣な2人のやり取りがよかった。
生きるということ、生きるのに大切なこと、メッセージ性が強く素晴らしい作品でした。
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