ガスパール 君と過ごした季節

劇場公開日:

解説

童心を忘れない愉快な中年男二人組をめぐるハートフル・コメディ。監督は『モンド』(95、東京国際映画祭女性映画週間で上映)などのトニー・ガトリブ。音楽は「シェルブールの雨傘」などの巨匠ミシェル・ルグラン、録音は「ヌーヴェルヴァーグ」などの名手フランソワ・ミュジーがそれぞれ担当。出演は「おっぱいとお月さま」などのジェラール・ダルモン、「ベティー・ブルー」などのヴァンサン・ランドン、「赤い風車」「殺意の夏」などのベテラン老女優シュザンヌ・フロン、「パリのランデブー」のベネディクト・ルドワイヤンほか。

1990年製作/93分/フランス
原題:Gaspard et Robinson
配給:にっかつ
劇場公開日:1996年3月23日

ストーリー

南仏、プロヴァンス。中年男のガスパール(ジェラール・ダルモン)とロバンソン(ヴァンサン・ランドン)は無二の親友同志。失業者の二人は海辺で廃屋を改造した軽食堂を開くのが夢。ある日ロバンソンは、海辺に“姥捨て”されてしまったジャンヌ(シュザンヌ・フロン)という老女と会い、家に連れてくる。彼は幼い頃母親に捨てられた過去があり、哀れなものを放っておけない性分だった。一方、妻に捨てられて以来、家族の絆を拒否していたガスパールだったが、ロバンソンの哀願に負けて、同居を許す。さて二人の仕事は、昼は廃屋の修繕、夜は泥棒稼業。二人は昔錠前屋だったのだ。3人の生活にも慣れていよいよ開店の日も迫った矢先、またトラブルが。ロバンソンが幼い娘を連れた未亡人ローズ(ベネディクト・ルドワイヤン)に一目ぼれしてしまったのだ。おせっかい焼きのロバンソンに怒るガスパールだったが、ふとしたはずみで、ローズはガスパールに思いを寄せた様子。だが、ロバンソンのことを思うガスパールは、二人の幸福のために海辺を後にするのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5今年一番のお気に入り映画!

2009年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

ほんわかしたやさしい雰囲気が漂うフランス映画。
今年一番のお気に入り作品発見です!

主人公は奥さんに逃げられ“家族”不信に陥っているガスパールと
幼いころに親に捨てられた経験から困ってる人を見過ごせないロバンソン。

失業中の中年2人は食堂を開くため
海辺で見つけた廃屋をせっせと改装しながらの共同生活を送っています。

子供のようにふざけ合い、ケンカし合い、助け合いながら
廃材を集めてきては地道に修理を続けていく2人。

誰にも邪魔されない自由気ままな生活。
お金はなくてもこれはこれでなんだかとても楽しそうです^^。

そんなある日、
ふとしたきっかけから2人の生活には新たな仲間が加わります。

ただ純粋に目の前の困っている人に無条件で人に手を差し伸べるロバンソンと
お金がなく自分たちの生活もままならない現状を考える現実主義者のガスパール。

2人は事あるごとに対立しますが、最終的にはいつもガスパールが折れ
徐々に共同生活の形態が変化していくことに…。

そしていつしか徐々に形成されていく寄せ集めの擬似家族。
ロバンソン。ガスパール。それぞれの“家族”への思い。

下した決断は…(涙)

とにかくこの作品。映し出される画(え)がキレイです。
それほど古い作品ではないのに往年の名画のような淡い色合い。

晴れた日の海、逆光の浜辺、夕暮れの道、薄曇りの街並み、淡い色合いの室内…。
場面のどこを取ってもポストカードにして飾れる感じ。
他にも桟橋、焚き火、凧揚げ、海水浴、好きな場面を挙げればキリがないほど。

さらに使ってる小道具もイイ味出してる古道具がたくさん。

庭にたくさん集めてある使い込まれた不揃いな椅子たちもイイ。
2人の乗っている不恰好なおんぼろトラック欲しいです。

この辺は雑貨好きな人は必見。さすがフランスです。

終始流れるやさしい空気。忘れかけていた人と人との繋がり。

こないだレビューを書いた邦画「転々」にも通じるところがあり
これもまた個人的な今の境遇にタイムリーに心に響きました。

何の予備知識もなく偶然手に取った作品でしたが
多くの人におすすめしたい心温まる良作だと思います。

※他サイトより転載(投稿日時:2008/09/14)

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