劇場公開日 1971年3月12日

水俣 患者さんとその世界のレビュー・感想・評価

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5.0非の打ち所なし。

2022年7月2日
Androidアプリから投稿

今の自分が観ると、他のドキュメンタリーでもよく出ていらっしゃる=有名な患者さん達とそのご家族の方達なので、逆に「その方達はこういう闘争を経ていらっしゃったのか」という、なんとも胸の痛い思いがした。
公開当時の影響力を考えるとすごかっただろうなあ、と溜め息が出る。
奇病と呼ばれ、病に罹った上に、患者が差別され続ける状況は想像を絶するし、裁判で一定の判決を得るまでが、余りにも長過ぎる。
石牟礼道子さんの書いたものにも出てくるが、ご家族が口にする「部落」という言葉にも、日本の公害問題の複雑さ、差別の構造化、多重化も垣間見える。
ドキュメンタリー映画の価値という観点で、この映画は間違いなく名作だと思う。

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胃袋

5.0すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表...

2021年12月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表情がいい。実は皆生き生きしてる。母の不安については、福島の母子を思い出す。男の子の笑顔があまりに可愛かった。言葉が外国語のように聞こえる。
ラスト近くの騒乱シーンがすごい。
片端という言葉が飛び交う時代

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えみり

4.0MINAMATA鑑賞後に観ました

2021年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

MINAMATAがユージン・スミスを通した水俣病(とそれを取り巻く人々)を描いた作品である一方、こちらは水俣病発症後の症状や実際に患者=被害者となってしまった家族に対し、ピンポイントでスポットを当てている作品。

なお、水俣病自体については わかってるでしょ? という体で語られるので、事前知識は必要だった。

個人的に衝撃的だった内容を思いつく限り。
①水俣病であるという認定を受けるために申請書を出すも、何度も却下にされる。何度も出してみてはと声かけする支援者に対し「これ以上手間をかけさせるのも申し訳ない」と言う家族。
②株主総会でのリアルチッソ株式会社の面々の表情。MINAMATAでは國村隼演じる社長が多少同情と悔恨の表情を見せるも、リアルは完全に我関だった…
③ある日畑作をしてる時に突然脚が出なくなる、手の痺れを感じる→常時杖歩行が必要な状態に。
④重度の小児麻痺より重い水俣病の重度患者の症状。
⑤それでも我が子を愛しく思う母と父。

かなり方言が強く、頑張って聞こうとしてもわからない言葉がいくつか。字幕もないので、推測で内容を飲み込むしかない(多分敢えてだと思うが)。
100%ドキュメンタリー作品なので評価のつけようがありませんが「公害とはこんなに恐ろしいものなんだぞ」ということを知る非常に貴重な資料だと思います。

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BONNA

4.0胎児性水俣病

2021年9月14日
iPhoneアプリから投稿

胎児性水俣病を患った息子を持つ父親の”幸せかもしれん、なーんにも知らないのだから”と言うセリフに胸が締め付けられる。

胎児性水俣病の最重症患者、見えてるのか聞こえてるのかさえ測定不能、生みの母親にも近寄らず恐らく認識していないのだろう。何のために生まれ、生きているのか。

水俣病の起因となったチッソの排水垂れ流しは、まさに悪魔の所業。

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Oyster Boy

5.0ドキュメンタリー映画

2019年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 昭和45年、18年もの間“奇病”とされてきた水俣病が初めてチッソ工業相手に訴訟を起こし、メチル水銀が原因であると認められた。映像は被害者となった家族や認定患者本人に迫る。

 まずは猫が狂う映像・・・これがまた水俣病とはどんなものかを端的に表現していた。患者にばかり焦点を当てると、間違われてしまうという小児マヒの症状に似ていたりするからだ。そして被害者家族や支援者たちの大きな抗議運動。当時もドキュメンタリーフィルムを見た記憶があるのだが、公害が社会問題化していた時代を生々しく思い出してしまう。

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kossy