劇場公開日 1971年3月12日

「非の打ち所なし。」水俣 患者さんとその世界 胃袋さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0非の打ち所なし。

2022年7月2日
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今の自分が観ると、他のドキュメンタリーでもよく出ていらっしゃる=有名な患者さん達とそのご家族の方達なので、逆に「その方達はこういう闘争を経ていらっしゃったのか」という、なんとも胸の痛い思いがした。
公開当時の影響力を考えるとすごかっただろうなあ、と溜め息が出る。
奇病と呼ばれ、病に罹った上に、患者が差別され続ける状況は想像を絶するし、裁判で一定の判決を得るまでが、余りにも長過ぎる。
石牟礼道子さんの書いたものにも出てくるが、ご家族が口にする「部落」という言葉にも、日本の公害問題の複雑さ、差別の構造化、多重化も垣間見える。
ドキュメンタリー映画の価値という観点で、この映画は間違いなく名作だと思う。

胃袋