ニッポン国・古屋敷村

劇場公開日:

解説

77年の「牧野物語 養蚕編-映画のための映画-」以来、沈黙していた小川プロの作品である。蔵王山系中の村、古屋敷。かつて18軒あった家々は、ここ10年の間に減少し、現在はわずか8軒。若者は皆、町で働き、日中は年寄だけの村だ。その中で今も、生々しく語られる昭和の凶作と戦争--。この映画は、昭和55年、古屋敷の冷気と稲の解明から始まり、村に生きる人々の暮らしを描いていく。監督は小川紳介、撮影は田村正毅が担当。

1982年製作/210分/日本
配給:その他
劇場公開日:1982年11月1日

スタッフ・キャスト

監督
撮影
たむらまさき
音楽
関一郎
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映画レビュー

4.5ドキュメンタリー映画史に残る傑作

2024年4月17日
PCから投稿

1980年代に入っても日本でこのような作品が撮られてしまったこと自体が、奇跡のようなもの。後に『1000年刻みの日時計 牧野村物語』につながる、地元との長く深い関係をもとに着実に目撃する・記録する、という姿勢はここでも見事に生かされている。世界のドキュメンタリー映画史でも稀な成果で、米・欧で小川紳介は伝説的な存在。

これを「日本を貶めている」と曲解する年寄りは、映画なんか見なくていいのでは。

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milou

0.5卑怯者の映画

2020年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

観ていて大変不愉快になった
製作者、監督の視線は村人を蔑視している
礼儀のある言葉遣い、友好的なインタビュー態度、感謝の言葉はあるが、蔑視の視線が透けて見えるのだ
山奥での生活の苦労への共感も、愛情もないのだ
監督達が、かって三里塚闘争の辺田村に入り込んで村人を利用して焚き付けて撮った「三里塚 辺田部落」の手法と同じだ

引き出そうとするのは、この山奥の村人からの戦争批判や国家批判の言葉だ
そのためのシロミナミの解明であり、炭焼きの事、養蚕の事を取り上げているに過ぎない
延々と続けて村人の生活に観客を引き込んだ上で監督達はようやく後半になって本当の目的に取りかかる

村人の懐に入り込んで、焚き付けて自分達の思想信条に見合う戦争批判の言葉を引き出そうと言葉巧みに誘導していくのだ
アッツ島で全滅した兵隊のなかにいた子供に日本国政府から下された高額の戦時国債が戦後無効になったことを自嘲する老婆の姿は、監督側のしてやったりと小躍りしているのが伝わってくる

日本国とは表記しない、ニッポン国なのは何故か?
日本国を認めない、だからニッポン国なのだ

何故、この山形県古屋敷村なのか?
いずれ消えゆく村だからだ

監督は日本をこの村のように消滅させたいのだ
ラストシーンは村を歩く老婆を写す
その視線には愛情はない、遠からず死に行くものだとの突き放した視線だ
そしてシロミナミが村にやってきて稜線を隠していくのだ

こんな映画を撮るのは卑怯者のすることだ
こんなものが日本映画オールタイムベストにラインナップされていること自体が許せないことだ
胸糞が悪い

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あき240