鉄塔武蔵野線

劇場公開日:

解説

小学校最後の夏休み、送電線の鉄塔に発見したプレートの番号をたどる冒険に出かけた少年の成長を描いたノスタルジックなドラマ。監督は「東京の休日(1991)」の長尾直樹。第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した銀林みのるの同名小説を、長尾自身が脚色。撮影監督を「香港大夜総会 タッチ&マギー」の渡部眞が担当している。スーパー16ミリからのブローアップ。

1997年製作/115分/日本
配給:バップ配給(配給協力*ザナドゥー)
劇場公開日:1997年6月28日

ストーリー

東京・保谷市、2学期から、父と別居する母の実家がある長崎の学校へ通うことになっている小学校6年生の見晴は、東京での最後の夏休みをひとりで過ごしていた。ある日、見晴は近所にそびえ立つ送電線の鉄塔に“武蔵野線71”というプレートがついているのに気づく。幼い頃、父親に連れられて見に行った鉄塔に秘められたパワーがあると信じていた彼は、この発見に色めき立ち、2歳年下の友人・暁を誘って冒険に出かけることにした。ふたりは鉄塔の番号を逆にたどって一基ずつ踏破しながら、その真下にビールの王冠を埋めていく。しかし、やがて暁の自転車がパンクしてしまい、だんだん日も暮れてきて、ふたりは心細くなっていった。23号鉄塔に到着したところで、ふたりの前に大きな河川敷が立ちはだかる。それを見た暁は、冒険を断念して家に帰ってしまった。残された見晴はひとりになっても1号鉄塔を見てやろうと、親に嘘をついて野宿する。翌日、見晴は再び冒険へと出発するが、4号鉄塔の手前で鉄塔パトロール巡視員に捕まってしまった。こうして見晴の冒険は目的を達成できないまま終わり、小学校最後の夏休みも終わる。1年後、中学生になった見晴に父親の訃報が届いた。葬儀のために上京した彼は、供養もそこそこに冒険の続きを再開する。ところが、1号鉄塔は変電所の敷地内にあって、その下に行くことはできなかった。がっかりしながらラーメン屋に立ち寄った見晴は、そこで変電所に出入りしている造園業者に会い、チャンスとばかり午後の作業に出る彼らのトラックにこっそり忍び込む。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5日本版スタンバイミー

2014年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

幸せ

離婚で別居が決まった10歳(多分)の少年が
夏休みに鉄塔を最後から、一番を
目指して東京西部から埼玉辿る
日本版スタンバイミーのような話。

主人公を演じるはチビノリダーこと、
伊藤淳史、少し腕白さが顔に出ていて
ナイスキャスティングです。

端から見たり、大人からすると、
無意味で馬鹿馬鹿しい冒険なのだが
自分が小さい頃に経験したような事が
至る所に出てきて非常に感動です。
でも、昭和40年代生まれの地方な田舎
で生まれた腕白な少年時代を送った人には
わかるはずです。

自動車解体所や森の中、田んぼ、川は
至る所にあり、当然水道の水をがぶがぶと
飲んでいた昔。

下らないけど有り得ないような事を
信じて後先考えず行動する、そんな
少年の気持ちを上手く描いています。

いつからか、少年の頃の純真さを
忘れたのだろうか。
そんな事を思い出させてくれる
素晴らしい作品でした。
16ミリフィルム的な映像がまた
いい味出していました。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
としぱぱ
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

他のユーザーは「鉄塔武蔵野線」以外にこんな作品をCheck-inしています。