書を捨てよ町へ出ようのレビュー・感想・評価
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1970年にコカコーラ瓶の中で育ったトカゲは?
書を捨てよ町へ出よう
劇場公開日:1971年4月24日 137分
あの当時、大阪万博で好景気に沸き立ち、
学生運動も1972年あさま山荘事件で終焉を迎えた。
今日ではあの時代の鬱屈した時代に対する書を捨てよは、空虚な叫び声となり、
トカゲは大きく育ち瓶を割って出るどころか、
保育器にすっかり慣れて無機質な生物と化している。
書を捨てるのではなく、
スマホでブログを呟き。
町に出ることなくリモートやバーチャルで社会や世間と仮想に繋がって生息している。
これが映画公開から50年後の社会を寺山さんは予測できていたであろうか?
それにしても、
50年前は残酷なくらい埃っぽく不潔で、懐かしい空気だった。
^^
「演劇実験室「天井桟敷」」が全国各地で百数十回以上上演した同名ドキュメンタリー・ミュージカルの映画化
原作は寺山修司の同名エッセイ集。
寺山修司は16ミリ実験映画「トマトケチャップ皇帝」を作り、
この作品では製作・原作・脚本・監督の四役を担当している。
撮影は写真家で、映画撮影は初めての鋤田正義が当り、仙元誠三がこれを補佐している。
映画.comのあらすじが超優秀すぎる。
ある年齢層の人にとってはカリスマ作家の寺山修司、長編映画デビュー作。
「ヌーヴェルヴァーグ」運動(特にゴダール)の影響をもろに受けたようなコラージュをふんだんに使った手法や、観ていて酔うくらい手振れの酷いカメラワークとか、ほぼ棒読みの役者たちとか、そのくせ2時間越えの上映時間とか、今観るとかなり観るのが辛い。
正直ストーリーもよく分からなかったけど、この映画.comのあらすじを読んで、やっと物語の内容を理解したw
若者が一番元気だった時代に彼らのカリスマだった寺山修司の作品であり、ストーリーや映像というより若者の視点で観た変わりゆく「時代」の空気を切り取り、日本という国や映画を批評?してみせたた「実験映画」として価値はあると思うけど、その時代性みたいなものをリアルタイムで共有していないと全てを理解・共感するのは難しいかも?
疾走する青年の感情
銀幕から一人の男が観客に語りかける
次第に悩める青年の物語が始まる
実験的な映像やストーリーにのめり込んでいると何処からか「カット!」と言う声がしてハッとした
これは映画だったのだ、と。
2015年秋鑑賞
ひとことReview
「面白かったか?」と訊かれたら、「Yes!」とは言い切れない。だが昭和中期でのアヴァンギャルド手法という事を考えると、「貴重な映像体験」だと思う。
ラストの「あかりをつけてください」で、本当に劇場の照明が一時的についてた。寺山はこの時代から色々挑戦してきたんだな。
今ならスマホを捨て町に出よう?
みたのは田園とこれだけだが田園のほうが好きかな。どちらも実験的な演出手法を多く使い、自身の著作の言葉をあちこち差し込み、シンプルなストーリーとイメージ映像を混ぜ混ぜしてる。どちらも田舎出の童貞少年が主人公で、現状への不満を抱え、しがらみを抱え、アブノーマルな性的体験をしたりと共通項が多い。
今の人だと共感するのは難しいから???だらけになるかも。
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