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解説

スランプの映画監督と不思議な言動の女の出会いと共感を描く恋愛ドラマ。「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が、岩井俊二と藤谷文子を主演に描く実写ドラマ。原作は、藤谷文子自身による短編小説『逃避夢』。

2000年製作/128分/日本
配給:徳間書店
劇場公開日:2000年12月7日

ストーリー

描くべきテーマを見失ったカントクは、東京を離れ故郷・山口県宇部市をさまよう日々を送っていた。そんな時、線路で彼女と出会う。風変わりな出で立ちで“明日は私の誕生日なの“と言い続ける彼女は、どこか病んでいるようだった。やがて、二人の間に奇妙な連帯意識が芽生えていき…。

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映画レビュー

4.0線路のような丁度いい距離感を探す2人

2021年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『ヱヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明監督の実写映画の中で、本作は一番尖っていて、本人のパーソナリティが最も色濃く反映された作品だろう。主人公が映画監督(岩井俊二が演じている)で、創作に行き詰まりを感じているという設定で、ロケ地が庵野監督の故郷だ。線路に対する想いも直接吐露している。線路は二つでひとつ、でも永遠に平行線をたどって交わることはない、しかしそういう距離感が心地よい。本作のカントクと女性の関係も、まさにその距離感を間違えることで争ったり憎みあったりしてしまうもので、丁度いい距離感を探す物語と言えるかもしれない。
舞台となっている山口県宇部市の風景は、どことなくエヴァっぽさを感じさせる。やたら電柱を映したり、廃墟のビルが良い味を出していたり、自動開閉する奇妙な屋根など、どこか懐かしさをおぼえる人工物にあふれている。庵野監督がそういうものを選んで撮影しているのだろうが。
そして、実写映画には生身の人間が映っているというのに、どこか非現実的な印象になるのが興味深い。反対に、庵野監督のアニメ作品は人間の生々しさが全面に出るのに。実写でもアニメでも、庵野監督は虚構と現実の堺を目指してしまう作家なんだろう。

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杉本穂高

3.5芸術作品

2024年1月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

小説『逃避夢』の原作者である藤谷さん本人が主役を演じた。
岩井俊二さんは役者として登場する。
庵野監督が、やりたいように我儘に制作しただけあり奇抜で独特な映画。

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Don-chan(Daisuke.Y)

3.0とにかく

2023年8月31日
スマートフォンから投稿

悲しい

難しい

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あんみつ

3.5【庵野秀明監督Meets岩井俊二監督作。アーティスティックな作品の中に見え隠れする両監督の映画作品を作り上げる想いが伺える作品である。】

2022年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

幸せ

■映画監督として成功したものの、創作意欲をなくしてしまった男(岩井俊二)が東京を離れて故郷・山口県に帰ってきた。
 ある日、風変わりな出で立ちの女性(藤谷文子)に出会うと、彼女は「明日は、私の誕生日なの」と言い奇妙な儀式を行う。
 男は彼女に興味を抱き、ビデオを回し始め、彼女の生活を共にし始める。

◆感想

・今作は、可なりアーティスティックな作品であるが、原作を書いた藤谷文子が演じる、一般的な世間的概念を超越した魅力的な女性が魅力的である。

・更に言えば、劇中、頻繁に描かれる赤、丹の色が印象的で、ウォン・カーウァイ監督作を想起させる色彩の美しさ。
ー 列車の行き交う中での、路線上での傘のシーンは幻想的である。-

<多分、多くの人が”何が何やら・・”と思う作品かもしれないが、庵野秀明監督と思われる男”カントク”を演じる岩井俊二の、(失礼ながら)たどたどしい台詞回しも、近年の庵野秀明監督の作品に通じる所があると思ったし、何よりも藤谷文子さんの(経歴を見ると、出生を含めて凄い方である。)の魅力が凄い作品である。
 庵野秀明監督と岩井俊二監督という現代邦画を牽引するお二人が産み出した相乗効果が個人的には、大変面白く感じた作品である。>

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NOBU
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