怪獣大戦争のレビュー・感想・評価
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昭和ゴジラのアイドル宣言
冬休みのお子ちゃま向けサービスでしょうがBSでやっていたのでまた観てしまいました。
ゴジラも前作「三大怪獣 地球最大の決戦」あたりから地球を護る側に舵を切り、昨日の敵は今日の友、助け合いがテーマになったわけですが、本作も続編ぽく宇宙怪獣ギドラとの因縁のリターンマッチを翌年の正月興行にぶつけてきたわけです。流行の宇宙と怪獣ものの合体企画、確かに見せ場はありますが話のメインはX星人の地球侵略。今回の子供たちへの教訓は「甘い話には気を付けましょう」ということでしょう。
ゴジラとラドンの宇宙輸送とは斬新ですが、なんですぐペテンだとばらすのにわざわざX星まで輸送して地球攻撃用にすぐ戻す手間の必然性がわかりません。コントローラーを埋め込む手術シーンとか一工夫欲しかった。
円谷さんがゴジラにシェーをさせたとか、最早、水爆怪獣の趣の深さもかなぐり捨ててアイドル路線まっしぐら宣言でした。
X星人は音が弱点というのは「砂の惑星」の音声念力銃がヒントかもしれませんね、「ゴジラ FINAL WARS」ではX星人の方が超音波を武器にしていて笑えました。
水野久美さんはX星人でも善い人でした、敵を一律悪人にしなかった配慮は見事ですがX星人の女性が皆同じ顔というのは何故?、外見に騙されるなという深い意味まで入れてるのでしょうかね。
撮影中、ニック・アダムスは本気で水野さんを口説いたそうですが、その割には劇中で彼女が死んでもあまり悲しそうではありませんでした、きっと振られたからかもしれませんね。
まあ、おじさんが見るところは下世話でしたね、突っ込みどころ満載ですが昭和ゴジラの分岐点の怪作、みなさん観ていることでしょう。
殺人音波がぁ!
タイトルの割には怪獣の出番が少ない6作目。ストーリーはSF色が強かったのですが、当時の円盤や宇宙船がいかにもな感じで面白かったです。65年公開ってアポロが月に行く前だ!
しかし、富士さんX星に着くなり銃持って外に出てたのは何故でしょう?生物がいるかどうかもわからない状態でなのに交戦する気満々ですね。X星人からの申し出を話あってるシーンで「医学代表」の隣が「婦人代表」だったのがジワジワきました。「婦人代表」って何処を代表していたのでしょうか?等々個人的には小ネタが楽しめました。
X星人のサングラス、よく見るとスリットが入ってて目が見えてるんですよね。サングラスの意味ないじゃん!そう言えば何故地球を侵略しに来たんでしたっけ?水が貴重って話はしてましたが、侵略の理由って話してました?見逃しただけかな?あの宇宙船も造形は好きなのですが、音波で壊れてしまうのは不思議でした。X星人が弱い音があるのはまだ分かります。しかし、同じ音波で宇宙船も壊れるように設計しなくても良いのではなかろうかと思うんですよね。謎だ。
ゴジラやラドンが街を遠慮なくガンガン破壊していくシーンは良かったですね。富士山が近くに見えたので、あれは富士宮辺りでしょうか?逃げ惑う人々の背後の昭和な風景になんだか和みます。キングギドラは相変わらず微妙でしたね。強そうな見た目に反してだいたい弱いのはデフォルトなのでしょうか?
と、なんだかんだとツッコミながらもレトロなSFを楽しむ事ができました。最新にアップデートされた怪獣もいいですが、怪獣が一番似合うのはこういう時代なんだなぁ。
ゴジラ、宇宙で「シェー!」をする。
ゴジラシリーズ第6作。
DVDで5回目の鑑賞。
怪獣王ゴジラ、ついに宇宙へ進出!
初の宇宙でやったこととは…シェー!
いやぁ、まさかよ…www
当時の流行りとは云え、いやはやなんとも…www
ここからシリーズの転落が始まった…のかも。
X星人登場! ゴジラシリーズ初の侵略宇宙人だ!!
全員が横長で細身のサングラスを掛け、独特なユニフォームを着用。動きがカクカクしていて異星人感すごい。何より統制官役の土屋嘉男がめちゃくちゃ上手い! 宇宙人役をやらせたら右に出る者はいないのではないでしょうか?
彼らは電子計算機の指示通りに全ての行動を決定すると云う徹底した管理社会を築いていました。A.I.による管理社会の問題を先取りしていたんですなぁ…。
地球に友好的な雰囲気を醸し出しながら、ゴジラ、ラドン、キングギドラをまんまとその手中に収め、地球植民地化宣言をして来るのですから、演技達者で憎たらしい限りでした。
宇宙飛行士のグレン(ニック・アダムス)と、X星人女性・波川(水野久美)の悲恋が切なくて辛い。電子計算機の指示に従わず、愛に従って生きようとした波川。その姿は人間にとって最も尊い行いではないかなと思いました。
でも正直なところ、大人になってから観ると、ふたりの関係性の掘り下げが足りないなぁ、と…。それをすると趣旨が変わってしまうと云うことは重々承知してはいるのですが…。
ゴジラ、ラドン、キングギドラが暴れまわるシーンにもちろんたぎりましたが、何故か地方都市を中心とした破壊行動なのでかなりの物足りなさが…。地球侵略なんだから思い切り大都市攻撃したらよろしいやん(笑)。
新兵器"Aサイクル光線車"を使ったX星人撃滅作戦は、伊福部昭の勇壮な「怪獣大戦争マーチ」も相まって、屈指の胸熱名シーンに仕上がっておりました!
やられっぱなしだった人類渾身の猛攻! 音楽に合わせた巧みな編集が興奮を煽り、「未来に向かって脱出する…」と呟いて自爆したX星人の末路に不思議な余韻が…
人類によるX星人退治がメインなので怪獣対決はほんの数分しか無い。しかし、互いの英知を結集した大戦争は、今も色褪せない観応えがあるなと改めて思いました。
※追記(2020/12/19)
公開55周年と云うことで、勝手に記念鑑賞しました。
※鑑賞記録
2020/04/16:Amazon Prime Video
2020/12/19:Netflix
2021/12/31:4Kデジタルリマスター版(日本映画専門チャンネル)
我々は脱出する。未来に向かって脱出する。まだ見ぬ未来に向かって…
シリーズ6作目。
ゴジラ映画と特撮SF映画をミックスしたような活劇。
今回、ゴジラたち怪獣の出番は少なく(内容的に見てもいいように利用されただけ)、前作で華々しくデビューしたキングギドラも少々鳴りを潜める。
でも、それを補って余るのが、特撮SF映画としての醍醐味。
東宝はゴジラシリーズの他にも、『地球防衛軍』『宇宙大戦争』など優れた特撮SF映画を製作しており、その面白さはハリウッドSFにも負けない。
ゴジラ、ラドン、キングギドラをコントロールして侵略するX星人に苦戦する人類。
しかし、遂に突破口を発見し、反撃に出る。
伊福部昭作曲によるあまりにも有名な“怪獣大戦争マーチ”をバックに作戦が展開されるクライマックスは、興奮度MAX!
本作は他にも注目点があり、まずは水野久美演じる波川。
その妖艶な魅力は東宝特撮のヒロインの中でも随一。
実は波川はX星人のスパイ。
それを知りつつ波川を愛する主人公の一人、グレン。
波川もまたグレンを愛する。
しかし、その為、波川は処刑される。
グレンは静かに怒りを震わす。
そのシーンは特筆もの。
また、土屋嘉男演じるX星人統制官。
独特のX星語を話し、東宝特撮映画の名物キャラクター。
題名に上げたのは断末魔のセリフで、印象的だ。
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