続・警察日記

劇場公開日:

解説

伊藤永之介の原作を「月夜の傘」のトリオ、井手俊郎が脚色、久松静児が監督、姫田真佐久が撮影を担当した。主なる出演者は「未成年」の伊藤雄之助、安部徹、芦川いづみ、「続・薩摩飛脚」の三島雅夫、「江戸一寸の虫」の三國連太郎、新珠三千代、「朝霧(1955)」の左卜全など。

1955年製作/119分/日本
原題:The Policeman's Diary,Part 2
配給:日活
劇場公開日:1955年11月16日

ストーリー

秋空に雄姿を見せる磐梯山のふもと、牛方町の警察署--鉄道自殺未遂の百姓娘ヨネを神成係長が調べたところ、明日婚礼する身体と聞き、父親と婚約者の長吉を呼んだが、二人とも何が原因か知らないという暢気さだ。実はヨネは姉婿平太の子を宿しているのだった。一方、調べ室で斎藤巡査が米泥棒の容疑者彌六に犯行を自白させようと、手を焼いていた。町では豊年祭を控えて夕刻五時に、風速五十米の台風が襲来するというのでテンヤワンヤ。朝から町役場で台風対策の泥ナワ式会議が開かれ、総動員体制をブった赤松消防団長はストリッパー上りの巫女から、大火事が起るとおどかされて色を失った。その頃、警察では無銭飲食で留置中のリーゼントスタイルの花村と飲屋の女千代の面会に立ち会った独身の若山巡査がすっかり当てられて大くさり。犬に噛みつかれた男が駈け込んで来るかと思えば、柿崎次席の夫婦喧嘩を岩熊署長が仲裁したり、八十一歳の駒田先輩が封筒を売りに来たあと、町会議員の蛭川がバスの女車掌をつれて現れ、バス会社が抜き打ちに女車掌の身体検査をするとは人権擁護委員として看過できないと怒鳴り込んだ。表が騒々しいので出てみると、何事ぞ消防署の屋上で巫女と全員がマンボのリズムに合せて踊り狂っているではないか。公金拐携犯人、もぐり産婆、妊婦がつぎつぎと現われて署内はひっくり返るような騒ぎだが、どうやら台風も進路をかえたらしく、宵闇迫る神社から賑やかな祭囃子が流れて来るのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0名作の「続・なんとか」で、前作を超えるものを作るのは、とても難しい...

2022年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

名作の「続・なんとか」で、前作を超えるものを作るのは、とても難しいことなのだろう。
駄作とは言わないが、前作を超えるものではなかった。
警察によって米泥棒の犯人とさせられた柴田彌六一家の様子が映画を貫くが、その他のエピソードは警察署のテンヤワンヤを彩る役目しか果たさない。
 わたしたちはスキャンダルな話は好きである。 そんな話がどんどん持ち込まれる警察署の様子はわたしたちの興味を惹く。
 そんな「スキャンダルな毎日」に警察の良心はどう働くのだろうか。 そんな興味でこの映画を観た。

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Ivoryk2

3.0前作よりもとっちらかってた。

2021年7月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

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しゅうへい

3.0宍戸錠

2019年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 この映画で宍戸錠にお呼びがかからなかった。そのため、彼は頬にシリコンを注入するという整形手術を受け、逆に有名になってしまった。配役に関しては、前回警官だった三國連太郎がニセ金使いの犯人として捕まってた(笑)。

 それにしても群像劇ではあるが、それぞれの物語が収束しない、欲求不満になりそうな映画だ。冒頭からの近親相姦(血の繋がりはないが)ネタは何の解決も生まない。メインの話になるのは米泥棒の疑いをかけられ自殺した柴田彌六(鶴丸睦彦)の件。取り調べを担当した斎藤巡査(河野)の決めつけるような態度と、自殺してしまってからの後悔の念が対照的。そして彌六の娘である置屋に身売りしたキサ(新珠三千代)に若山巡査(三島耕)がほのかな想いを寄せるものの、会社の金を使い込んで逮捕された男の出現で状況が変わるストーリー。そこには警察婦人職員の桃子(芦川いづみ)の若山に対する想いも絡んでくる・・・が、それほど発展するわけでもない。

 豊作の年であるというのに、貧乏な者はなかなか貧困からは抜けられない現実。警察に対する批判の面も表現しながらも、人間警察という面も訴えてくる。戦前は天皇の警察として叩き込まれた警官たちも、民衆のための警察へと頭の切り替えが未だにできないでいる苦悩。当時の雰囲気がよくわかる映画でもある。

 自殺するために線路に横たわる女の映像といい、町の中を走る2両編成の蒸気機関車も登場するし、最後まで列車の映像が何度も映し出されるという珍しさもある。それほど効果的でもないのだが・・・

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kossy
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