劇場公開日 1979年5月26日

「石坂金田一」病院坂の首縊りの家 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0石坂金田一

2023年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

横溝正史が書くミステリーは、人里離れた村の古い風習や血縁ある者たちの隠された因果に関わるものが有名ですが、ご本人の複雑な生い立ちが深く関係していると聞いたことがあります。それらの物語が全くの絵空事ではなく、何となく日本人のDNAに刻まれているかのような気分にさせられるので、とても怖く、一方で他人事ではないように思えて引き込まれます(汗;)。今作は、桜田淳子の二役がなかなか名演でよかったのですが、出生の複雑さもあって、どっちが由香利でどっちが小雪が頭がこんがらがりました(苦笑)。佐久間良子の存在感は流石でした!美しさゆえに、あんなことに…。世の中には様々な殺人事件がありますが、単に自己欲望を満たすための短絡的なものではなく、今作のような悲しい物語には、しみじみとした後味が残り、それを体現してくれるのがまさに石坂浩二さんの金田一耕助だなと改めて実感しました。

赤ヒゲ