かぶりつき人生

劇場公開日:

解説

田中小実昌の同名小説(三一書房刊)を新人神代辰巳が脚色・監督を担当した第一作。撮影は「青春の海(1967)」の姫田真佐久。

1968年製作/94分/日本
原題:Front Row
配給:日活
劇場公開日:1968年4月13日

ストーリー

洋子はストリッパーの母笑子が結婚すると聞いて大阪から駆けつけた。親子水入らずで暮せると思ったが、笑子は夫の勝チンと共に、すぐ田舎回りに出て行った。その間、洋子は射的小屋で働き始めたが、間もなく勝チンが帰ってきた。笑子が警察に捕まったというのだった。そのため、洋子は喫茶店で働いて保釈金を作らねばならなかった。こうした笑子の生活に洋子は幻滅を感じた。その洋子がストリッパーになったのは、半分は自暴自棄からだった。しかし、洋子の舞台は、場末の小屋で踊る笑子とは違って、名古屋の一流の劇場だった。若くて身体のいい洋子は次第に客の人気を集めてきた。そして洋子が演出家の倉さんと寝たのは、さらにいい役を貰ってそこのスターになりたかったからだ。ある日洋子は、笑子と組んで温泉町の旅館を回っていた少女に舗道でつき飛ばされ、車にはねられた。大した怪我ではなかったが、入院した洋子に、芸能記者の坂本が、この事件を記事にすると言った。洋子はその時、初恋の男のことも書いて欲しいと頼んだ。やがて、洋子はピンク映画の女優になり、坂本と結婚して東京に出た。洋子は売れっ子女優になったものの、坂本がヒモのような存在になっているのに嫌悪を覚えていた。笑子と勝チンの関係に似てきたからだ。洋子にとって、いやな日がつづいた。前に自分をつき飛ばしてケガをさせた少女と共演させられもした。そんな時彼女は若いふとん屋と会い、坂本との生活を精算すべく彼を殺して欲しいと頼んだのだった。ふとん屋は洋子の甘い言葉にその気になり、坂本を殺すと約束した。しかし、いざ、眠っている坂本を殺そうとして、ふとん屋の気持ちはにぶってしまった。それは、洋子も同じだった。彼女とてそんな大それたことを、本気になって考えていたわけではなかったのだ。ある日、洋子の前に若い男が現われた。坂本が週刊誌に書いた記事を読んで来た、洋子の初恋の男だった。その男は洋子の冷たい態度に怒り、短刀で洋子を刺し、暴れ回って警官に射たれた。洋子は幸い、生命に別状はなく、男と共に救急車で病院に運ばれた。その間、洋子は、この男が治ったら、一緒にバーでもやって暮らそうと考え続けていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0当時のストリップやエロ映画もかぶりつきにわかる?

2019年11月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

神代辰巳監督のデビュー作で、客入りが記録的に悪くてしばらく干されていたらしい。

男に騙されてばかりのストリッパーの母親を持つ娘が、反面教師とばかりに奮闘するが、割と母親と同じ事なっていく感じの物語。

ほとんど知らない俳優ばかりで、娘の行動と言動にも?なところがあるが、まあ楽しめました。

監督とこの後もタッグを組む名カメラマン姫田真左久のモノクロ撮影と望遠レンズ多用の絵も低予算のワクを考えるととても健闘してていい。

当時のストリッパーやエロ映画を取り巻く環境もなんとなくわかり、関西ロケも低予算ながら時代色があり。

登場する男達は、ことごとくヒモみたいなダメかクソ男ばかりだか、関西弁だと不思議とユーモラスに感じる。

ちなみに1968年の映画なので濡れ場と裸は、ほとんど無いのでエロを期待するとガッカリするかも。

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