劇場公開日 1987年1月17日

「名女優、大女優、女流監督、でもやはり映画女優の田中絹代をリスペクトしたが」映画女優 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5名女優、大女優、女流監督、でもやはり映画女優の田中絹代をリスペクトしたが

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

日本映画では溝口健二に最も畏敬の念を抱くことで、過剰な期待をしてしまったのがいけなかった。確かに戦後日本映画の大女優田中絹代と同格の女優を現在で選べば、吉永小百合しかいないのかも知れない。しかし、それはあくまで格の話であって、女優としての資質や個性ではない。また、映画史挿入の半記録映画のスタイルにした市川崑の演出も集中力に欠け、ドラマとしての重量感に不満を覚えた。清水宏との実験結婚、五所平之助との関係、家族の全生活を支えた女優業、そして戦後巨匠溝口との出会いと、欲張った題材が二時間の枠に収まるとは思えない。共演者も豪華に揃えてはいるが、ドラマ部分から筋書き以上の思いが伝わってこなかった。市川監督がこの作品で何を描きたかったのか、私的には理解できなかった。
  1987年 2月9日  郡山東宝

Gustav