劇場公開日 1956年3月18日

「「過去」ともいえない悲哀」赤線地帯 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「過去」ともいえない悲哀

2023年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

売春防止法(1956年公布)の頃に作られた今作は、きっと当時の時勢をリアルに投映しているのだろうと思いながら観賞しました。お金のために身体を売る。買う人がいるから売る人がいる。どっちが先かわからない。どこまでが許される自由で、どこから先が許されないことか、過去のこと言い切れない今日的な問題にも感じられました。気丈なミッキー(京マチ子)やしたたかなやすみ(若尾文子)は頼もしいのですが、病気の夫を支えるハナエ(木暮実千代)や一人息子に捨てられるゆめ子(三益愛子)など、先の見えない闇の中を生きてゆく女性たちを観ていると辛くなります。

赤ヒゲ