劇場公開日 1987年3月

「「微笑みデブ」や狙撃手少女の鋭い閃光が頭に鮮明に残る」フルメタル・ジャケット ともさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「微笑みデブ」や狙撃手少女の鋭い閃光が頭に鮮明に残る

2022年12月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2022.93本目
最初の45分間からして至極。
まず、1人ずつ頭を刈って坊主にしていくシーン。一人一人個性に溢れていた髪型がみな同じものになっていくのが、個人としての尊厳を失っていくようにみえた。
士官学校時代は、映画の結構な尺をしめていて、ここがメインといってもいいのではというくらい印象的。
みんな腕立てしてる中でドーナツ食べてるシーンとか、すごい頭の中に残るシーンがたくさんある。笑
あとはやはり、「微笑みデブ」の顔つきがどんどんと変わっていく様に目が離せなかった。そして「フルメタルジャケット」のシーン…!彼自身がフルメタルジャケットだった…。悲しくも格好良いシーンだった…。

ベトナム戦争からのシーンは、個人的には少しダレたけど、特に後半の狙撃手との攻防戦は緊張感があった。
そして狙撃手女の子の、「shoot me」の言葉…。
とにかく、とにかく悲しい。

ミリタリー映画にあまり耐性がなくて、ちゃんと最後まで見きれるか心配だったけど、
終始、緊迫感や生々しさや、人間の悲しさや美しさに目が釘付けになった。
重い絵や展開に反して、音楽が軽いのもよかった。

カメラワークが、ジョーカーたちがまわしていたカメラと同じような?まるでホームビデオかのような?かんじで見られたので、そこにいる人間たちに触れるのではないかと思うくらい全体を通してリアルだった。

とも