ファーゴのレビュー・感想・評価
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コーエン兄弟にして傑作に出会えました^^。 実話と知って鳥肌ブツブ...
コーエン兄弟にして傑作に出会えました^^。
実話と知って鳥肌ブツブツ作品。
鑑賞日:2015.4.4
衝撃の実話。一定のテンポなのに惹きつけられる不思議。
音楽が良かったです。牧歌的でありながら物悲しい曲調が舞台や内容に合っていて、印象に残りました。
展開はわかりやすく、リアリティがありました。メリハリなく常に一定のテンポで展開していくけれど退屈さはなく、むしろ惹きつけられるような独特の雰囲気を持った作品です。実話らしい、客観的で一歩退いたような画面作りが良かったです。1987年当時の雰囲気を作っている、そこそこ最近の作品かと思っていました。23年前だと知ってびっくり。
警察官に車を止められたあたりからはずっと鬱鬱として胸苦しく、どういう気持ちで観ていたらいいのかわからなくなりました。
鑑賞後にだいぶ気分が沈んだのですが、なんと!本作は本当はフィクションらしいですね!やってくれる…しかし救われました…。冒頭のテロップも含めてフィクションって…そんなのあり?実話でも脚本賞って取れるんだーとか呑気に思っていました。まさに衝撃の「実話」。さてはコーエン兄弟、相当の曲者だな?
ヒントはポールバニヤン(ホラ話の象徴)とマイクヤナギダの話(嘘)にあったんですね。マイクは話の大筋に関係がなく違和感があったので、なるほどな〜と思いました。あとはカールがお金を隠したことは誰が証言したのかも疑問に思っていました。ある意味どんでん返しの作品ですね。おもしろい。
フィクションだとわかるとブラックコメディの見方もできますね。パンケーキ好きな寡黙な大男とか、部下にもらったコーヒー捨てるとか、身代金値切ろうとする父親とか。初見はほぼ真剣な顔で観ていましたが、次からは笑って観られそうです。
荒唐無稽に見えて、悪事が泥沼化していく様は現実でも起こりうるかもしれないと思わせられます。この絶妙なバランス、上手いですね。
ポールバニヤンの像が撮り方によってやけに怖く見えてビビりました。
あと終盤の木材粉破砕機はエグいですね…。また雪に赤が映えること。実際に事故では起こったことがあるらしいです…考えただけで恐ろしい。
演者みなさん表情が良かったですね。特にピーターストーメア扮するゲアのあの何を考えているのかわからない薄気味悪さ、怖さはなかなか出せないと思います。
カールというかスティーヴブシェミが聞き込みの度に「全体的にヘンな顔」と言われていたのは少し笑ってしまいました。特徴的ですよね、好きです。シェプにぶん投げられるところもおもしろかった。『レザボア・ドッグス』のピンクよろしく金にがめついお喋りな小悪党、最高でした。
フランシスマクドーマンドも自然な演技ながら存在感があり、格好良かったです。役作りでミネソタ訛りの英語を習得したそう。ガンダーソン夫妻は素敵な関係でしたね。癒しでした。
ウィリアムメイシーのにっ、と音のしそうな愛想笑いも好きです。情けない役なのですが、その普通の人っぽさに自然と同情して観ていたので展開が辛かったです。
フィクションとはいえ、どんなことでも隠そうとしたり、小細工しようとするのは良くないですね。誠実でいたいと思わせてくれる作品でした。
小心者による狂言誘拐が思いもよらない悪夢へと転がっていく。熱く語る...
小心者による狂言誘拐が思いもよらない悪夢へと転がっていく。熱く語る者がいないのがむしろそら恐ろしく感じられ、目の前の残虐な行為が何故か滑稽に見えてくる不思議な映画だった。
冬のミネソタの 惨劇
小悪党のジェリーの計略が 雪玉を転がすように、
どんどん大きな惨事に なってゆく
冬のミネソタ
庶民の 悪事と転落って こういう風に進むのかも、とも思わせる
沢山、死ぬのに おかしみがある
それぞれの人間の中の、ちょっとした邪悪さと暴走が 拡大してゆくのだが、それを止めるのが 妊婦の警察官
彼女の健全さと 幸福さは「足るを知る」という
ことわざを思い起こさせる
人生の真理は、様の東西を問わないか…
俳優が みんな 一癖あって、おかしい
まともな妊婦警察官マージ(マクドーマンド)が 淡々と仕事を進めていく様子も、アメリカの良心みたいなのだが、おかしみがある
私は 劇中で「変な顔」と、言われ続ける
ブシェミの 笑ってるような、泣いてるような、怒っているような顔(個性)と 小悪党感まるだしの存在感(演技)が、気になった
大男(ストーメア)との 対称も、面白い
潔癖症で 静寂を好む大男が、迷いなく人を殺すのも 病んでる感じがする(ミンチにした!)
車がないと どうしようもないミネソタの(アメリカの)広大さと、たまにすれ違う対向車が怖い
雪の地平線、美しいが 怖い…
雪で閉ざされてしまった 田舎町の住民の、軽い恐怖と狂気が わかるような気が…
(ディーラーのジュリーの元を 訪れる客が、塗装を拒むのも おかしい)
治安は良くて のんびりしてるが、それでも 警察官の苦労と恐怖も 想像できる、冬のミネソタ
面白かった!
ブラックならコーエン
凄惨な事件を扱った映画なのに、雪で覆われた地面の美しさと滑稽でもある人々の平凡な日常を対比させて、不思議な雰囲気を醸し出している。銃社会による狂気的な殺人事件も善良なる市民が生活する平凡との真裏に存在することを痛感した。あるきっかけで平凡が異常に変化するという不可思議な世界をウィリアム・メイシーが妙演してるし、F・マクドーマンドは食ってばかりいるけど事件を解決しようとしてるし、ブシュミは不気味だし、演技は最高。
F・マクドーマンドはジョエル・コーエンの妻で、撮影時には妊娠してたとか、実話と書いてあるが実はフィクションであったりと舞台裏も面白い。しかし、生涯記憶に残るといった映画ではないような気もする。
編集の重要さを感じる
いやー、面白かった!
一つの事柄が大きく広がっていく感じとか、緩急のあるリズムとか、ぐいぐい引き込まれてあっという間でした。
映像も好みだけど、何といっても編集が良いんでしょうね。
編集が誰かを調べたら、コーエン兄弟の変名だそうで、なるほど納得という感じです。
コーエン作品、コンプリートしたくなりました。
レビュー
言わずと知れたコーエン兄弟の傑作。なかなかの人間が死ぬサスペンス?だが、今の作品に多くみられる、不穏な音や叫び声、派手な演出がない。加えて、フランシス・マクドーマンドの絶妙な演技により、ゆるい日常に一部として描かれており、すごく良かったです😊
とても面白かった
大昔に見たっきりで『シンプルプラン』とごっちゃになっていた。
登場人物がクズばっかでとても面白かったし、実際犯罪者はあんな感じのうっかりした人が大半ではないだろうか。主人公は、奥さんが生きていた方がよっぽどひどい地獄を見たはずだ。徹底的になめらていたのだが、彼なら仕方がないだろう。「頼りない」は彼の本質を突いているし、絶対に出資したくない。
妊婦の警察官が単独で捜査していくのだが、コンビが基本ではなかっただろうか。なにしろ妊娠中なので危害を加えられないか心配で仕方がなかった。
(追記)
午前10時の映画祭で初めてスクリーンで見る。4年前に見ているのにほぼ忘れている。ブシェミがやたらと変な顔呼ばわりされているが、主人公のウィリアム・H・メイシーもけっこう変な顔だ。すごく面白かった。
大体忘れているのだけど、ラストの破砕機で人体を粉砕しているところは最初にレンタルビデオで見た時から強く印象に残っている。黙々と作業するピーター・ストーメアが怖い。
変な映画ー
で、かなり好きだった。
行き当たりばったりで人が死んでいき、
ひどいんだけど、
悪人と言うには馬鹿過ぎて、
お金より大切なものがあるよという
マージの言葉はきっと理解されてなくて、
そのなんか救われないなぁという。
でも実際に起きてる事件とか殺人も
行き当たりばったりで起こってしまうことが結構あるんじゃないかなぁと、
ゆるい調子で進んでいくから、気楽な気持ちで観てたけど、実はひどいぞと。
フランシス・マクドーマンドがまだ若く、
可愛らしい。
妊婦だからなんか動きがのんびりしてるのも可笑しかった。
たまたま妊婦の時に見れて良かった。
大切なもの
お金が手に入るなら、何の計画も立てずに、身内も殺すし、見知らぬ人も殺すしで、金と暴力とバカに支配された国をブラックに描いた傑作です。
自分の手を汚さずに殺人を委託するだけで、あとは底辺のバカが適当にやってくれるだろう的なジェリーの発想は、正に今のアメリカ国家の発想そのものではないでしょうか。フランシス・マクドーマン演じる女署長がラストで、「お金より大切なものがあるわ。そう思わない?」と言いますが、金と暴力とバカに支配された国では完全にギャグになってしまうところが、エグいところです。言葉が通じないというか。
アメリカのネガティブな部分はシリアスなドキュメンタリーフィルムで表現した方が簡単だとは思いますが、コメディタッチで表現するコーエン兄弟は、やはり凄いとしか言いようがないです。私の中では、マイケル・ムーアに近い印象です。
ゆるサスペンス
今まで何度も見ようと思ってたのに、見てなかった作品。スリービルボードつながりでようやく見る気になり観賞。
コーエン兄弟の作品らしくブラックユーモアたっぷりのゆるゆるなサスペンス。
人がいっぱい死んでるのに危機迫った感がまるでないところが可笑しい。
個人的にはノーカントリーの方が好きかなって感じ。タランティーノが好きな人はたぶんいけると思う。
コメディとも思えるサスペンス
こんなダメダメな殺人犯ている?と思わせるようなストーリー。
事件を起こした2人も、それを依頼した男も本当に行き当たりばったりで、何も考えていない。
そして、それを追い詰める警官もなんかゆるい。ゆるーーい雰囲気でなかなかの残虐な殺人事件が起こっていく。
そして、これは事実を元に作られたと冒頭で言っておきながらも実は、フィクションというなんとも言えないような微妙なオチ。
ある意味これってコメディか?と思わせるようなサスペンスっていうところが見どころなのか。
これが現実か泣
出来心の嘘を貫くのに、ここまで逆方向に向かっちゃうのかっていうくらいに思い通りにいかない悲しさ、そしてこれが実際にあったという悲しさ。(って思って調べたら、あの実話ってテロップはただの演出で、実際はフィクションなんですってwなんやねん!爆)
でも悪いこと、するもんじゃないですね( ͡° ͜ʖ ͡°)
それにしてもジェリー辛すぎるわ泣 1つのものを邪道で手に入れようとして、欲しいものどころかそれ以上の大事なものまで失ってしまう。事件の終着点と斧を持った男の人形を見てからの「人生にはお金よりも大事なものがあるわ。そう思わない?」というマージ刑事の言葉はなんか考えさせられます。
軽快だけど刺激的で、丁寧に練られた脚本には終始釘付けでした。コーエン兄弟パネエっすね!また何度も見たい映画を見つけました。
100点!
ユル〜い登場人物たち
陰惨で悲惨な事件の筈なのに出てくる登場人物たちがマッタリしてユル〜い感じで観ている側の力も抜けてくる雰囲気が堪らない。
ブシェミ演じる滑稽な犯人が好む女が全員ブス過ぎるのも笑えるしF・マクドーマンドのキャラと夫婦描写に癒される。
起きる事件が有りがちな感じでハラハラ、ドキドキする展開や一定の緊張感よりも地味で普通に居そうな人物たちの日常を"事件を含めて"過剰に描かない所が飽きずに楽しめる。
話の展開とこの先ドウなるのだろう?ってヨリもそれぞれの人間描写が楽しいチョットした群像劇。
フランシス・マクドーマンドが◎
コーエン兄弟の作品は、どんなテーマであれ、余りテンションのアップダウンが激しくなく、一定の温度で流れていくように感じる。そしてそんな点が個人的に好き。
今回も、ウィリアム・メイシーのダメ人間加減とスティーブ・ブシェミの変な顔と阿保さ加減にうんざりしながらも、フランシス・マクドーマンドが敏腕というか、恐れ知らずの女性警官をあっけらかんとしたナイスキャラで演じていて、内容はえぐいはずだが軽ーく見られるサスペンスになっていると思う。
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