劇場公開日 2006年4月8日

プロデューサーズ(2005) : 映画評論・批評

2006年4月4日更新

2006年4月8日より日劇1ほか全国東宝系にてロードショー

底抜けなバカバカしさに心躍る

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なんて素敵、これぞ最強のアメリカン・ミュージカル・コメディ!と、ブロードウェイの舞台版を見たときは心底シビレたもの。ショウビズ界の人間たちを愛情たっぷりにおちょくったベタな展開を、粋なショー場面がひたすらパワーアップ。これでもかってくらいの爆笑とワクワク感を誘いまくる。自分の映画をミュージカル化(作詞・作曲まで!)し、面白さ100倍増しの傑作に仕上げたメル・ブルックスの才能にひれ伏したい気分になった。

そして、この再映画化版。舞台版で創意工夫に満ちた演出・振り付けを見せたストローマンがやろうとしたのは、舞台の面白さをそのまま映画に移し替えること。これが、この映画の美点であり、欠点にもなっている。

そりゃナマ舞台の興奮を一度味わったら、映画で時折、物足りなさを感じてしまうのも事実。しかし!それでもこんなにイカした(ふざけた)ミュージカルはほかにない。一儲けを企て、大コケ必至のミュージカル(「ヒットラーの春」!)製作に奔走するプロデューサー&会計士(舞台版の主演コンビ)に、ナチス・ラブのドイツ野郎、やたら陽気なゲイの演出家&助手カップル、頭が空っぽな巨大セクシー北欧美女(ユマ・サーマン!)と、濃すぎなキャラが繰り広げる、底抜けな(かなりアブナい)バカバカしさに心躍る! そして、メル本人がつけてくれるナイスなオチ! 決してエンドロールで席を立ってはいけません。

若林ゆり

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