劇場公開日 2005年12月10日

「納得したいのにできない」SAYURI こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0納得したいのにできない

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

まず、どうして日本にしてしまったのだろう?
舞台を仮想の日本的世界とするなら全然問題ない。
それをあえて日本の芸者としたから
どうにも見ていて気になって仕方なかった。
時代や場所を限定するなら
ちゃんと考証するのが当たり前じゃないかしら。

中国とか日本などのアジアいっしょくたにしちゃったねえ。
そんなのは他のハリウッド作品でもあるから
別に珍しい事じゃない。
他の作品はむしろ突っ込みつつ楽しめる。

しかしこの作品はなんだか腹がたってしまった。
それはやはり、日本人女優を起用しないのは英語を話せる踊れる女優がいないから、
などと
製作側がコメントしたせいだ。
そんなこと言っておいて出来上がったのがこれかよ…。
妙な日本語はオッケーなんだ?

チャン・ツイィーの魅力を超える日本人女優は確かにそうそういないとは思う。
別にほかに中国人女優さんたちを起用したって
「われわれが求めてる役のイメージに沿っているから」でいいじゃん。

斬新な日本どころか日本ちゃうよ。
京都で撮影しておきながら
少しも関係者に取材しようとか思わなかったのか?
一冊でも原作以外に芸者や日本の歴史とかの本も見なかったのか?
「ほうら、エキゾチックジャパンでしょ?取り上げてあげたし。
自分ら他の文化もちゃんと理解あるでしょ?」ってろくに調べもしないで
傲慢にも言ってる感じて腹が立つ!

海外作品で日本を扱った他の作品でも感心するくらいの
「ラストサムライ」やら「太陽」やらあるよ!
この映画には誠意を感じない。
そうはいってもプロデュースや監督レベルの話。

映像は色や切り取り方もきれいで、撮影や照明もいい仕事してる。
俳優さんたちもごっついがんばってると思う!
風俗云々は抜きにして実際女優さんがたは
慣れない着物でも日本語でも
誠意をもって仕事してくれてる。
音楽だっていい曲だよ。
だからこそそれを台無しにしてる
トップの姿勢がもったいないやらむかつくやら。

細かいことを気にせずあらすじだけ見て納得すればいいと思いながら
どうしてもできない。

こまめぞう