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女は「愛」じゃなく、「恋」する気持ちだけで生きられる
侮っていたのである。アメリカ人男性の小説が原作のハリウッド映画なんて、しょせんはアメリカのオヤジによるオヤジのためのキショク悪い芸者幻想なのだろうと。ところが、意外にも、これがオトメ心をもときめかせる世界。芸者の普段着キモノが和服というより中国史劇なシルエットだったり、確かにいろいろ突っ込みどころはある。けれども、これは歴史ドラマじゃなくてファンタジー。ハリウッドがもはや確信犯的に描くカンチガイ日本にいちいち目くじら立てるのは筋違い。これは日本が舞台で日本人俳優がいっぱい出ているけれど、良くも悪くも、結局はハリウッド映画なのだから。
運命に押し流される"悲劇の少女"の物語は、正直、序盤は辛気臭い。それが、少女が会長様と出会ってからは、生きる目的を見つけた彼女の人生と同じように輝きだすんである。たとえ、そこにドロドロとした女の闘いが渦巻いていても。そう、女って「愛」じゃなく、「恋」する気持ちだけで生きられる生き物。この作品は、その事実を改めて突きつけるんである。オヤジの幻想がベースにあるぶん、オトメのファンタジーにリアル感があるように錯覚させる効果もあり。チャン・ツィイー、和服が似合わない怒り肩なのだけが惜しいわ。
(杉谷伸子)
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